党内のことは、党内で議論し、答えを出す。

日本共産党の、規約第5条(下の写真)に書かれていることですが、これは当たり前の、党内コンプライアンスだと、私は思っています。

きちんと党内で意見をいい、それに答えてもらうことが保証されているので、私は、たとえば、SNSや街頭で、日本共産党への疑問や改善点や意見を、わざわざ言いません。


日本共産党としての方針はこうだけれど、自分はそうは思わない、ということは、ふつうに、あることです。

私だって、あります。
そして、過去にもありました。

以前、私は、政党助成金について、これをもらい、活動に生かした方がいいのではないか。とくに日刊紙の発行を支えるためにも、10億円ほど日本共産党に配分されるはずだから、それを、赤旗の発行を支えることに使っていくほうがいいんじゃないのか。

党のこれからのことを思い、真剣にそう考え、会議で発言したり、中央委員会に切々たる長い手紙を送りました。

政党助成金が、どれだけ政党の離合集散を加速させてしまったか、さらに国民に依拠してカンパを集めなくても政党運営が成り立つため、どれほど政党の堕落をもたらしているか。

そのことについて、よくよく知っていましたが、しかし、それでも、というのが、そのときの私の気持ちでした。

党の内部の会議で発言したときには、もちろん、とても驚かれました。

それはそうです。

政党助成金の問題点を学び、よく理解していなくてはならないはずの、県議の発言ですから。政党助成金を廃止していこうという党の方針を推進していく立場であるべきなのが、県議ですから。その発言は、あまりにも影響が大きい。

そういうことも、重々わかった上で、党内のことは党内で、きちんと話し合うべきことだから、意見を言い、みんなの意見を聞きたい。そんな思いでした。

「政党助成金を受けとっていない日本共産党が好きだから、応援してるんだよ。もっともっと、このことを宣伝したほうがいいよ」

そう言ってくださる、党の支持者の方もたくさんいます。だから私は、なんとしても、この方針を変えるべきだ、と思っていたというよりも、なんとかして、党を財政的に支えていく、ほかの手立てはないのか、悩みに悩んだ切実な思いが吐露された、というものでした。

こういう私の意見に対し、「なにを言ってるんだ、県議という立場で!」という意見は、飛び交いませんでした。

会議の場にいた同志たちは、なるほど、わかるよ、わかるけど、でもね、やっぱりもらっちゃったらダメだよね。政党助成金は、やっぱり無くさなくちゃならないんじゃないか。そんなやりとりをしながら、そうだよなぁ、どうしたらいいんだろう、これから日本共産党は、やっていけるんだろうか。そんな不安な思いは、その場では、拭いされずにいました。

同時に、中央委員会にも長い手紙を書きました。

政党助成金のこと以外にも、組織のあり方や、党勢拡大の方針について、活動の仕方について、改善してほしいこと、こうしたらいいのでは、と思うことを、A4の紙に5枚くらいでしょうか、切々と書きました。

党中央委員会の方から連絡をもらい、直接、話を聞いてもらう機会が設けられ、たくさん話をしました。

政党助成金のことで言えば、もちろん、これは、赤ちゃんからお年寄りまで一人250円取られて支持をしていない政党にも配られる「強制カンパ」であることから、思想信条の自由や、政党支持の自由などを侵害するもので、憲法違反であることは、ハッキリしています。

そのことについては、しんぶん赤旗で、何度となく取り上げられています。

しかし、それでも、もしかしたら、民主主義のコストとして考えてもいいのでは。そんな思いも持っていた私に、中央委員会は、心を寄せて答えてくれました。

●日本共産党は、現在、政党助成金でもらえるであろう額、10億円をはるかに上回るカンパを、全国で集めていること。

●政党助成金を受け取ることで、メリットはなく、むしろ、政党助成金を受け取らないクリーンな日本共産党だから応援しているという方は離れていき、カンパは集まらなくなるだろうし、党員もカンパを集めなくなり、けっきょく国民に依拠し、国民とともに政治を変えていく取り組みの足かせになるだろうということ。

●議員は政務活動費や報酬などにより、しっかり活動を支えられており、それ以上の民主主義のコストは必要ではないこと。

●300億円を超える政党助成金は、税金の無駄遣いであり、これを無くしていくことは、議員定数を減らすよりも、はるかに大きな額になる、ということ。

●政党助成金をもらうことができる政党について、5名以上、国会議員に一人以上いないと政党とは認めない等々、国が勝手に政党の定義を決め、政党に差を設けている。国は定義をいくらでも変える立場にあり、これは、国家権力の介入であり結社の自由への侵害なのだということ。

そういうことを、いろいろ、いろいろ、党中央委員会の方と話しながら、なるほど、そうだよなぁ、うん、私だって本当は政党助成金なんか無くしたいよ、と落ち着いたわけです。

それなら、じゃあ、もっともっと、国民のなかに入っていって、つながっていって、共産党のことをよく知ってもらいながら、同時に、みなさん助けてください、どうかご支援くださいと、かっこつけずに、どんどんお願いをしていかなくは、と思いました。

日本共産党、というと、もしかしたら、独裁的なイメージをもっていて、官僚的で、民主主義がなく、同じ意見しか言えなくて、という風に思っている方もいるかもしれませんが、けっこう、みんな、いろんなことを思っています。

口に出していうのは、勇気のいることですが、党内のことは党内で話し合い、アップデートしていこうとしているのが日本共産党なので、私は、できるだけ、自分が考えていることを伝え、みんなの意見を聞き、自分の学びが足りなければ学び、動いてみて考える、ということを大事にしています。

これは、じつは、とってもハイレベルな組織づくりだなと思っています。

自分が、違和感を感じたり、こんなことではうまくいかないだろう、という方針を、動いて実践しながら、こちらのやり方の方がいいのではないか、と提案し、修正させていく。

これって、とっても根気のいることです。
めちゃくちゃ忍耐力がいります。

それでも、私が、そういう、党内での統一や団結に心を砕いてがんばるのは、それこそが、政党のあるべき姿だと考えているからです。

日本共産党に「志位和夫派」「田村智子派」「小池晃派」などといった派閥があったら、ちょっと私は、日本共産党に、居られません。

個人崇拝の組織では、ありませんから。

私は、志位さんのため、田村さんのため、小池さんのために、がんばっているわけではありません。

日本共産党が目指している、日本を変革していく方向・方針に納得して、日本共産党員の一人として、同志の一人として、できることを頑張っているだけです。


党首を、選挙で選ぶべきではないか、という党員の方がいたら、それについて、党内で、みんなで議論を深めることが大事です。

ちなみに、私は、党首を選挙で選びたいとは思いません。

この人が、党首に相応しいのではないか、という意見を出すことはあるかもしれませんが、選挙などで選びたいとは思いません。

立憲民主党の党首選挙でつねづね感じることですが、党首が変わることで、ガラガラッと、それまで積み重ねてきた野党共闘が崩れていく。党首が変わっても、ちゃんと引き継いでほしいことが、引き継がれない。これはとても残念です。でも、党首選挙は、そうなることが避けられないでしょう。

日本共産党の場合は、大きな柱に綱領があり、みんなで練り上げた方針があるので、日本共産党の党首の仕事は、これまでと違った方針や方向性を独自に生み出していくことではなく、対外的に党を代表して発言していくことが、重要な任務となります。

とても重責で、私などは、とうてい引き受けるのは無理な仕事だなぁと思います。

きちんと、党を方針・綱領を熟知し、党を代表して、良識ある態度で行動できる方が、日本共産党の党首として相応しいと、私は、思っています。

さらに、そこに、今後は、党首を選出する上で、世代継承やジェンダー平等の視点も加味していく、ということが大事だと、私は、思っています。

いずれにしても、こういうことは、すべて、党内のことなので、党内で自分の意見を言って、みんなで意見を出しあい、話し合っていきたいと思っています。

除名をされた松竹氏のことで、もしかしたら、日本共産党に入党したばかりの方や、党へ信頼を寄せてくださっている方たちの中で、動揺している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

どうか、日本共産党という組織が保証している、党内民主主義をよりよく機能させ、発展させていくために、会議の中で活発に自分の意見をいい、ほかの意見に耳を傾け、議論し、学びあい、行動して、日本共産党をハイレベルないい組織に発展させていきましょう。

ともに、がんばりましょう。


【以下では、松竹氏に関わるしんぶん赤旗の記事切りぬきをアーカイブしていきます】

▼2023年2月8日付け

▼2023年2月9日付け