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ひが
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過保護になったお師匠様

過保護になったお師匠様 - ひがの小説 - pixiv
過保護になったお師匠様 - ひがの小説 - pixiv
6,651文字
夜叉の師匠に腕を折られた
過保護になったお師匠様
魈様夢小説。
過保護な魈様に甘やかされる弟子ちゃんが見たくて…そのうち続き書くと思います。

そして海灯音楽祭のイベストを経て、璃月の推し男子は魈様だ!と心が叫んでおりました。ごま油のくだりと『な、何だ!?』がお気に入りです〜。

!!Attention, please!!
✤捏造でしかない。妄想劇へようこそ。
✤ネタバレあるのか無いのか曖昧
✤自分の書きたいこと書いて終わってる。
✤原神始めたばかりで知識の浅い女の自己満足夢小説。
✤なんでも許せる人向け。読んだ後の苦情は受け付けません。なんたって自己満小説。
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2023年1月24日 04:38


「今日は風が冷えている日だ。室内とはいえ寒いだろう。足りなかったら言え。なにか温かいものを言笑に作らせて持ってくる。いいか、お前はそこから動くな。微塵も動くなよ」

「だいじょ___いない」



望舒旅館、仙人為に用意されている部屋で過ごし始めて大分時間が経った。
これ程までに過保護で心配性な仙人を他の人たちは知らないと思うと少し笑えるのと同時に申し訳なさと優越感が心を染める。
そもそも布団を何枚も私の体にぐるぐると巻き付けられているので動きたくとも動けない。

お師匠様がこれ程までに私を気にかけて下さっているのは嬉しいのだけれども……




「おーい
〜!遊びに来てやったぞ〜!」


「旅人さんとパイモンさん?いらっしゃい…ってここ私の部屋ではありませんが…」


「ふふっ、布団でぐるぐる巻きだね。それをした当人はどこに行っちゃったの?」


「言笑さんの所へ温かいものを頼みにいって下さいました。…お師匠様の事だからお2人が来たのにもお気づきになられたでしょうし、きっと何か美味しいものを持ってきてくださると思います」


「えへへっ、やったぜ!ところで……お前もう腕治ってるよなぁ…?もうだいぶ前のことだし、それなのになんでまだ魈の部屋で世話になってるんだ?確かに凄くショック受けてたし、心配になるのも分かるけどさぁ…」


「う〜ん……何ででしょうね…何となくしか分かりません。心配してくださっているのは身に染みてよく分かっているのですが…」





.






.



いつも通り、魈とは妖魔退治に夜の璃月を駆けていた。丁度この日は旅人も共にいたのだが……





バキ。

空気を通して伝わった音に剣を振るっていた旅人も、棍棒を振り回していたヒルチャールも、宙に漂っていた非常食も動きが止まり音の出処へと目を向ける。

その目線の先にいるのはへたりと地面に座り込んで自身の腕を見ている少女と、座り込んだ少女に手を伸ばした形で固まってしまった少年夜叉の姿。夜叉の持つ矛先には矢を番えたまま固まるヒルチャールの弓使い。この瞬間は、種族関係なしにみんな混乱した。




「…おい、今の音……オイラの聞き間違いじゃないよなぁ…?えっと
…?」

「………?」



蛍がの方へと1歩踏み出した瞬間、の体がくらりと傾いて地面に叩きつけられた。一瞬のうめき声の後、動かなくなってしまった。



「うわぁっ、しっかりしろ!何があったんだよ魈〜!!」

「……、…わ、れ……我が……?」



混乱を隠さない魈の姿に蛍は驚き、ついヒルチャールと顔を合わせる。ヒルチャール達はヤーヤーと彼らにしか分からぬ言語を使い話し合いを終えたらしくこの場を去っていった。
ハッとして、蛍は
の容態を見ようと近づき投げ出された腕が真っ赤に腫れ上がっているのを目にした。恐らく…





「骨が折れてる」


「骨!?お、おい…さっきの音はやっぱり聞き間違いじゃなかったのか…!というか倒れる時に腕思いっきり地面に叩きつけてたぞこいつ!」


「……我が…」


「魈もしっかりしろよ!何なんだよ!あぁもう!」


「…こういう時は鍾離先生のところに連れていこう。いちばん説明がしやすいと思うから」




同じくらいの背丈の
を抱き上げた蛍が患部を動かさないように意識しながらも急いで璃月港まで走っていく。
その場で未だ放心している魈の腕をパイモンが引っ張る。心ここに在らず。パイモンの呼び掛けにやっと答えた時にはもう蛍は往生堂の所まで行っていた。
















「……わかりやすく骨折してますね。完治には早くても3ヶ月程かかってしまうでしょう」

「…そうか。わざわざ出向いて貰ってすまないな」



診察を終えて、今後の経過や処置、薬等の説明を終えて白朮は往生堂を後にした。
静かになった部屋の中、蛍はパイモンと魈が来るのを待っていた。正直、あの時何が起きたのか全く分からない。





「…鍾離先生、なんでは眠ったままなの?」


「恐らく精神的なショックを受けたのだろう。…
はそう怪我をする奴じゃないからな。骨を折った 痛みに驚いてしまったんじゃないかと推測はしているが…一体何があったんだ?」


「それが…私もよく分からないんだけど…魈がかなりショックを受けてたみたいで……」


「ふむ…」




何なのだろう、と二人で顔を合わせていたらパイモンを小脇に抱えた魈が物凄い形相で窓から入って来た。





「うべぇっ」


「鍾離様!御無礼をどうかお許し下さい!
は、の容態は…!…っ……そ…」


「おい魈!焦るのは分かるけどオイラを投げ捨てる勢いで置くな……って、えぇ!?嘘だろ!!!」






蛍も鍾離も首を傾げる。
愕然とするふたりの目線の先には寝ている
がいるはずなのだが。

そう思い振り返ったそこには信じられない光景があった。寝ているの顔に白い布が被さっていた。あまりにも不謹慎なイタズラだが、唯一やりそうな胡桃はこういう事はしない。ならば何故。






「…我が……
を…」


は間に合わな……って、おかしいだろ!なんで骨折で死ぬんだ!…はっ、ショック死……!?」


「2人とも落ち着いて。
は死んでないよ、寝てるだけ」


「…気遣いは無用だ旅人…我が、我が弟子を永眠させてしまった事実に変わりは無いのだ……」


「魈、落ち着こうね?寝るって言うのは、睡眠のことだから」




よく見れば
の胸が上下に動いているのが微かにわかる。こんなこといつもの魈なら直ぐに分かるはずだが、この時は周りが見えなくなるほど焦っていた。鍾離がの顔に掛かっていた布を取り、窓辺に置いてある物を見て何が起きたか察した。





「安心しろ2人とも。これはただのティシュだ」


「はぁ!?ティシュ!?だとしても何でそんなもんが
の顔にかかってたんだよ!」


「どうやら魈が窓から入って来た時の風で、奇跡的に一枚顔にかかったらしい」





____
__




その時の話を鍾離様から聞いた時は笑っちゃったな。




「あの時は本当にびっくりしたんだぞ!魈なんか今まで見た事ない顔してたし」

「…それは……少し見たかったかもですね。…でもまさか、お師匠様に腕を引かれただけで骨が折れるとは思ってもいませんでしたが。鍾離様の推測通り、初めての激痛に驚いて気を失ってしまうし…あの日は隅から隅まで災難続きでした」

「魈がどれだけの事を重宝していたか、あの時の反応から今の境遇を見て痛いほどわかるよね…大切にしてる子の骨を折った挙句…ね?魈がああなるのも今となっては分かる」




…それはそうだ。
お師匠様と共に過ごしてはや50年。山奥に捨てられていた赤子を拾い、育ててくれたのは他でもないお師匠様。その影響か私の体は普通の人間とは大きく異なってしまった。齢十七程の容姿から歳を取らなくなった。身体の衰えもない。
だからこそ、お師匠様はある意味油断していたのだろう。つまるところ、結局人間の体は脆く弱いという事である。

悔しい事に、この一件で私は『共に戦う弟子』から『護るべき凡人』へと扱いが変わってしまったのだ。スパルタ気味だったあの頃のお師匠様が恋しくなるほどに、甘やかされた生活を送っている。






「でも、過保護すぎます。この前なんてクシャミをひとつした途端、お布団でぐるぐるにされました」


「お前巻かれてばっかりだな…」


「その話はするなと言ったが、耳も患ったのか」


「魈!」





当たり前のように隣にストンと座ったお師匠様が布団を一枚追加する。あの、持ってきて貰ったのにこれでは手が出せず食べられません。そう訴えるも、ダメだの一点張り。お師匠様、お言葉ですが凡人でも橋を使っただけで怪我はしません。

友人のふたりに助けを求めようと試みるも、美味しそうな料理にすっかり夢中になってしまっていた。




「口を開けろ」

「…お師匠様、流石に人前は恥ずかしいのですが……」

「いいから開けろ。凡人の体は脆い…お前はもう雛鳥では無い、流石に消化器官はしっかりしているだろうからこれで許してやっているんだ」





お師匠様が鳥だということを、ここ最近の行動で改めて強く思わされている。もう雛鳥では無いと言いつつも、お師匠様の目には私が未だに雛に見えているようだ。
全く、いくら敬愛する方とはいえずっとこれでは私がダメ人間になってしまいそう。

旅人さん、あまり見ないで下さい。
恥じらいの心がない訳では無いのです。

お師匠様が口に持ってきてくれたものを咀嚼する。美味しい。流石は望舒旅館の料理人。お師匠様はお師匠様で杏仁豆腐を持ってきていた。良かった、良くも悪くも私のお世話する事を通して自身の食事もたまにするようになってくれた。本当は、もっと美味しいものを沢山食べて欲しいけれど…




「そうだ!さっき
に聞こうと思ったんだけど、この軟禁生活辛くないのか?」



パイモンさんの一言ですうっと部屋の空気が冷めていくのを肌で感じる。旅人さんは目を逸らして、パイモンさんが勝手に言いましたと言わんばかりの目をしている。…随分と可愛らしい。

そして、この無駄な圧力を止めてくださいお師匠様…





「…軟禁だと……?」


「えっ。な、なんだよ…なんでそんなに怖い顔するんだ…?だって
はずっと部屋から出てないんだろ?人は日光を浴びないと体が悪くなっちゃうぞ」


「なん、だと…?」







パイモンさん、少し言い方が良くなかったかも。
そんな言い方したらお師匠様がする行動は一つ。

布団をべりべりと剥がされて、自由になった体を抱き上げられる。




「お、お師匠様…あの……」

「黙っていろ。舌を噛んだら死ぬだろう。絶対に落とさないが落ちないようにしっかり捕まっておけ」



お師匠に恥は存在しないのだろうか。
いくら師弟関係、親子のようなものとはいえこんなにも素敵な方との距離が近いというのに心が落ち着く訳がない。心臓は跳ね上がるし、身体中の血液が沸騰しているかのようだ。



「魈!?お前何してるんだ?」

を璃月で一番陽の当たる所へ連れていく」





想定内の浮遊感とはいえあまり慣れない。ギュッと首に回した手に力をいれれば、体を支えてくれる手に力が加わる。それだけで安心させられる。私も単純なものだ。

どんな形であれ、お師匠様に愛されている事を今は喜んでおこう。







_______



あの日から数日後。
お師匠様の許可が降りたので久しぶりに璃月港へと赴いていた。足の筋肉がだいぶ衰えてしまっていたようで直ぐに疲れてしまった。
万民堂へと顔を出せば卵さんが驚いていた。確かに前に来た時からだいぶ経ってしまった。
今までと同じように『黒背スズキの激辛唐辛子煮込み』を頼んで席に座る。





「おや、じゃないか」


「…?…あ、煙緋姉様…!お久しぶりです」


「腕の怪我はすっかり治ったみたいだな、うん…良かった。相席しても構わないかい?」


「もちろんです」




久しぶりに旅人さん以外の知人と顔を合わせることができた。隣に座った煙緋姉様が、くうっと背伸びをするのを見て、法律家のお仕事が忙しかったのだろうと察する。
姉様の特徴的な目が私を捉え、優しげに細められる。姉様のこういう目が好きだったりする。




「旅人から聞いたばかりなんだが、どうやら魈に骨を折られた挙句、最近まで軟禁されていたそうじゃないか。仙人を相手にしたことは無いが、私でよければいつでも手を貸すぞ」

「…別に折られたという訳ではありません。あれは事故です。…軟禁…については語弊です。ただのお師匠様の優しさですよ。ただ…ちょっと過保護なだけです」

「…ふふっ。がそういうなら。魈が君を大切にしているのは仙人とあまり交流がない私でも分かる事だ。……果たして、どんな意味で大切にしているのかという事にもなってくるが…どうなんだ?」

「…姉様、私が逃避してる問題を切り込んで来ないでください。色々と、今は葛藤しているのです。それで鍾離さ…んに相談してみようと璃月港へと来たのですが…胡桃さん曰く、あいにく外出中だったのでもう少し時間が経ってから再び往生堂へ行こうと時間を潰していたのです」




君もまぁ、災難だね。
この境遇をなんと形容すればいいのでしょう…?

恩師、親、そのような存在に向けるべきでは無い感情が芽生え始めていることを…お師匠様はきっと知らないのでしょうね。私も知らないフリをしなければ。


お師匠様の目には、私はまだまだ産まれたての雛鳥に見えているのかもしれません。ですが時折、あなたは熱を持った瞳でこちらをじっと見る時があるのです。
お師匠様だけは、その熱の正体に気付いてはいけない。







煙緋姉様と別れ、休めた足で再び璃月港を歩き回り海がよく見えるところで立ち止まり時間が経つのを待つ。
海は広くて、私からしたら強大な力を持った元素そのもののような感覚。私が授かった神の目は水元素。腰にかざってある神の目に触れてみれば、それは若干の熱を持っていた。はて、日光を浴びすぎたようだ。




「ここにいたのか」

「鍾離様…!私の方から訪ねるべきでしたのに、申し訳ございません」

「気にするな。帰ってきたら堂主からお前が俺を訪ねできたことを聞いてな、散歩も兼ねて声をかけに来たんだ」




どうやら大分時間が経っていたらしい。
お手を煩わせてしまって申し訳ないと思うのと、無事にお会い出来て良かったという安堵に揺れる。希望。答えをくれとは言わない、鍾離様の意見を聞くことが出来ればそれで。

私はずっと聞きたかったのだ。私の事がお見通しのあなたに。





「腕もすっかり良くなったようで何よりだ。それで俺に何を聞きに来たんだ?」


「…育ててくれた方へ特別な想いを寄せることは、許される事だと思いますか?ぜひ、貴方のご意見をお聞かせください」



分かっていたかのようにフッと笑って、鍾離様は私の隣まで来て言う。亡き岩王帝君も許してくれるだろう、と。

その言葉を聞けて安心した。これからもこの切なく苦しく、暖かい気持ちを封じ込んだままに置いておける。壊す必要は無いと。

それから暫くは鍾離様と言葉を交わしていた。






「…
、魈をよろしく頼む」

「はい」






日が暮れる前に望舒旅館には帰るつもりでいたのにすっかり日が落ちて暗くなってしまった。望舒旅館の灯りが良く見えるところまで来て、ふわりと私の好きな風が優しく吹いた。

横に立つ影に、もう長く煮込み続けている気持ちが蓋を飛ばしそうになる。分かるだろう。この人の隣に立って生きるというのは、生半可にできる事では無いのだ。お師匠様の抱えているものを知っているからこそ、分かってしまう。



「随分と遅かったな」


「ご心配おかけして申し訳ございません」


「…怒ってはいない、顔を上げろ。我はただお前が心配なだけだ。…帰るぞ、夜は冷える」




当たり前のように私を抱えて旅館へと向かう。
ただいつもと違うのは、珍しく歩いていこうとしているところ。歩くのなら下ろして欲しいと頼むが断固拒否。

肩を支える手に少し力が入る。望舒旅館の灯りでほんのり照らされたお師匠様のお顔。改めて端正な顔立ちをしていると思わされ、じっと見てしまえば、目が合う。





「…こうしていると、お前の事をよく感じられる」




クイッと顔を寄せられ、額が付きそうになるほどの距離。この動揺は伝わっているのだろうか。






「すまない。後にも先にも、我がこうして触れるのはお前だけだ」


「…はい」







そのお言葉に、なんてお返しすれば良いのでしょうか。
けれど、どんな形であれあなたのお傍にいられるのなら私は十分幸せだ。










過保護になったお師匠様
魈様夢小説。
過保護な魈様に甘やかされる弟子ちゃんが見たくて…そのうち続き書くと思います。

そして海灯音楽祭のイベストを経て、璃月の推し男子は魈様だ!と心が叫んでおりました。ごま油のくだりと『な、何だ!?』がお気に入りです〜。

!!Attention, please!!
✤捏造でしかない。妄想劇へようこそ。
✤ネタバレあるのか無いのか曖昧
✤自分の書きたいこと書いて終わってる。
✤原神始めたばかりで知識の浅い女の自己満足夢小説。
✤なんでも許せる人向け。読んだ後の苦情は受け付けません。なんたって自己満小説。
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2023年1月24日 04:38
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