2022年8月7日頃から、当法人に対しての疑惑の報道がなされておりますので、以下弁明をさせていただきます。
まず、経緯を説明いたします。 当法人は、2021年6月頃、日本人Aさん(女性)とBさん(男性)の2名をつれてウズベキスタンに渡航をしました。渡航目的は腎移植のためです。この時点では、生体腎移植か死体からの移植かということは正確に分かりませんでした。
報道によると、当法人がAに対して生体移植であることを前提としていたかのような事実が記載されていますが、そのようなことはありません。
ウズベキスタン国立病院所属の現地、移植コーディネーター(以下:コーディネーター)からは、1ヶ月程度で移植手術を行えるという説明をうけていましたが、なかなか手術が行われませんでした。コーディネーターからは、倫理委員会の承認手続に時間を要している旨の説明を受けました。この説明で、生体腎移植を行う予定であることを認識しました。なお、ドナーの選択、手配については、コーディネーターに委ねられ、当法人は関与できません。
ドナーが、Aさんの親族を装っていたとか、ドナー名義の日本旅券が偽造されていたという報道もなされておりますが、そのような事実はないと思われます(少なくとも、当法人は認識しておりません。)。
2021年11月頃、コーディネーターから、キルギスの病院での腎移植を勧められました。その理由は、コーディネーター曰く、キルギスの病院の方が倫理委員会の承認も早いため、早期に手術を行え、また、エジプトの軍医(外科医)が執刀をするので信頼できるということだったからです(報道によると、「インドの移植専門医」とされていますが、そのような事実はありませんでした。)。
そこで、AさんとBさんにも説明をして、ウズベキスタンからキルギスへ行きました。また、同じ頃渡航移植を待機していたCさん(男性)とDさん(男性)もキリギス入りをしました。なお、ウズベキスタンの国立病院で移植術を待機していた日本人以外の患者約20名も、同じくキリギスへ移ったとコーディネーターから聞いています。
同年12月18日頃、Aさんの腎移植手術が行われました。 その数日後の同月22日及び23日と連続して、移植術を受ける予定のイスラエル人が死亡するという事故が発生し、警察の捜査が入りました。病院からは、捜査のためにホテルに移るように警察から指示されていると説明を受け、Aさんはホテルに移ることになりました。 報道によると、当法人が、「2人死んだから、現地の警察が動き出す」と言って、意識がもうろうとしているAさんを無理やりホテルに戻したなどとされ、あたかも警察の捜査から逃げるかのような記載がなされていますが、病院からの指示があったからであり、「無理やり」とか、警察の捜査から逃げるような目的ではありませんでした。
なお、このイスラエル人の死亡事故は、麻酔事故だったと聞いています。もし、臓器売買があればこの捜査によってもその点が問題になっていたかと思われますが、特に問題になったとはきいておりません。
このような事故があったため、その後の手術は行われず、CさんとDさんは日本に帰国しました。
Bさんについては、現地到着後、腎移植の適応検査を実施したところ、強い不整脈と心不全が見つかり、腎移植不適応の診断が下され、現地でお亡くなりになりました。 また、移植術が行われたAさんについては、臓器が適合せず、手術は失敗しました。
移植に係る費用ですが、Aさんについては、コーディネーターに総額12万ドルを支払済みですが、その内訳はコーディネーターから聞いていませんのでわかりません。ドナーに金銭が支払われたかのような報道がなされていますが、それはわかりません。
他の3名の方については、検査料と登録料という名目で、コーディネーターに各4万ドルの支払がなされています(手術の際に追加で8万ドル支払う予定でしたが、手術は行われませんでしたので、追加の支払はなされていません。)。
なお、Cさんからは、当法人が預かった費用2170万円を超過する多額の賠償金の支払を求められています。そして、その支払がなされない場合には、マスコミ等へ相談をすると連絡がありました。当法人としては、賠償金の支払いには応じられないことをお伝えし、預かった費用から検査料及び登録料並びに当法人が要した費用を控除した残金1369万円はCさんにご返金をしております。 その後、この一連の報道に至っております。
当法人の見解 以上のような事実関係であり、当法人は、臓器売買に関与したことは一切ないと考えます。
ただ、今回の件、生体移植であったことから、臓器売買の可能性が高かったのではないかと関係者にも指摘をされました。確かに、そのような可能性は100%ないとは断言できません。当法人としては、コーディネーターを信じ、その説明のままに進めてしまいましたが、この点は猛省すべき点と考えております。今後は適切な対策を講じたいと思います。
また、Aさんについては、腎移植が失敗してしまったことは大変遺憾に思います。 また、現地にて命を落とされたBさん及びご家族な方は、さぞ無念だったと察します。Bさんの死亡経緯に付きましたは次回の新着「医療現場からの声」にて事実関係を開示したいと思います。
令和4年8月12日 難病患者支援の会
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