今回は、現行のブラックニッカのラインナップ4種類を、角ハイボールのレシピでハイボールにして飲み比べてみようと思います。

ブラックニッカについて

bn1stブラックニッカは、ニッカウヰスキーにおいてメインストリームの商品であり、ヒゲのおじさんことW.P.ローリーの肖像画をマークにしていることでも有名です。

1956年に特級ウイスキーとして発売された後、1965年にカフェグレーンがブレンドされた1級ウイスキーとして2代目が発売され、W.P.ローリーの肖像画もラベルに掲載されるようになりました。

2代目ブラックニッカは1985年にブレンドを改められて「スペシャル」へとリニューアルされました。

1990年代からはラインナップが増え、現在に至っています。

ブラックニッカクリア

2011年発売。アルコール度数37度

1997年にノンピートモルトを採用して癖を抑えた「クリアブレンド」として発売され、2007年にブレンドの見直しがされ、2011年に「クリア」と改められました。

ラインナップの中で唯一、700mLボトルで1000円以下で販売されるエントリーモデルになります。スーパーやコンビニでも手に入りやすく、お手頃な値段ですでに飲んでいる人も多いかと思います。
また、居酒屋などでもブラックニッカハイボールとして提供されているところもあります。

ブラックニッカ リッチブレンド

2013年発売。2022年リニューアル。アルコール度数40度

シェリー樽原酒を主体に香りの良さを追求したブレンドとして登場しました。
2022年にリニューアルされ、宮城峡モルトやカフェグレーンの香りを強める方向にブレンドが改められました。

ブラックニッカ ディープブレンド

2015年発売。2018年リニューアル。アルコール度数45度

加水量を抑えて濃厚さを出しつつ、甘みの強い香り、味わいを追求したブレンドです。
発売当初はピートのスモーキーさや潮の香りも目立ちましたが、リニューアル後は抑えられた印象です。

ブラックニッカスペシャル

1985年発売。アルコール度数42度

上記の通り、2代目ブラックニッカを元に、宮城峡のシェリー樽原酒がブレンドされたものになります。
余市モルトのスモーキーさもあり、全体的には比較的癖のあるブレンドといえます。

角ハイボールのレシピ

今回は、すでに世間一般で認知されているハイボール、サントリーの角瓶を使った角ハイボールのレシピで飲みます。

元々のハイボールのレシピでは、ウイスキーと炭酸水の割合は1:2~3で、ワインや日本酒くらいのアルコール度数で作るものになっていました。

角ハイボールでは、ウイスキーと炭酸水の割合は1:4と、元々のハイボールに比べると薄めで、さらにレモン果汁を加えてさっぱりと仕上げていることが特徴になっています。
さらに氷をグラスやジョッキにたっぷり入れるため、さらに薄いものになります。
これによって、チューハイ、サワーの感覚で飲むことができるのです。

このレシピを元に、4つのブラックニッカを飲み比べて特徴を調べてみます。
なお、スペシャル以外の3種類は、コンビニなどで180mLのポケットボトルが売られています。ちょっと試す程度であれば、これくらいのサイズで十分かと思います。
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テイスティング

ブラックニッカ クリア

カラメルの甘い香りとレモンのさっぱりした香りが組み合わさって、スイーツに近い印象になります。
味わいは、レモンの酸味が勝っている印象で、元々アルコール度数が低いこともあって、なおさらにさっぱり感が強まります。

ブラックニッカ リッチブレンド

レーズンの香りが強く出ていて、レモンの香りはそれほど感じられません。奥からはバニラの香りもあります。

味わいは、レモンからの酸味が先行して、奥から苦み、甘みが追いかけてきます。
クリアに比べると、さっぱり感はあるものの、香りがより強く広がる印象です。

ブラックニッカ ディープブレンド

ブドウとバニラの香りが広がり、軽くスモーキーさがあります。

味わいは、レモンからの酸味が前に出ていて、奥から甘みが続きます。

ブラックニッカ スペシャル

軽いスモーキーな香りの後にレーズンが続き、リンゴ、バニラと続きます。

味わいは、酸味の後に少々のほろ苦さを伴いつつも甘さが広がります。

角ハイボールレシピでも異なる個性が出る

4種類を飲み比べると、角ハイボールのレシピでもボトルの個性が異なって出るのを確認できました。

角ハイボールのようにさっぱりと飲みたいならクリアがいいですし、華やかな香りがほしければリッチブレンド、少しどっしりした香りがいいならディープブレンドやスペシャルになるでしょう。

どういうスタイルでハイボールを飲みたいかを考えた上でボトルを選ぶといいでしょうね。