だがある程度の経験がある党員なら、「できるわけがない」と思ったことだろう。この種の運動を行って目標を達成したのは、確か70年代に一度あるだけだ。その後、何十回とやってきたが成功したことは一度もない。志位氏の言っていることは机上の空論に過ぎないのだ。
そもそも何十年も減り続けてきたのはなぜなのか。1980年には、党員は50万人、「赤旗」読者は350万人だった。これ以来、40年以上減り続けてきたのだ。なぜそれが今、増勢に転じることができるのか。
だが、そんなどう考えても実現不可能な目標に対して、中央委員会総会で何一つ異論が出ないのだ。7中総の採決では、珍しく一人の棄権者が出たが、しゃんしゃんで決められたことに変わりはない。
党員も読者も増えるどころか減っている
それから約1カ月経った2月3日、47都道府県の委員長を集めた会議が行われ、小池晃書記局長が報告を行った。小池氏の報告によると、入党の働きかけは4323人、働きかけ支部は1割強で、入党申し込みは391人だったという。「しんぶん赤旗」の読者数は日刊紙339人減、日曜版208人減、電子版86人増となり、「党員も、読者も後退となりました」とのことだった。増やす運動をやっていながら減らしてしまったのだ。
こうなることは分かりきっていた。これまでも同じ誤りを何十回と繰り返しているのだ。だが、「もうあきらめよう」などとは言えないので、全国から報告される、党にとって都合の良い報告だけを紹介するという、この数十年繰り返されてきた手がまた使われる。報告はこんな具合だ。