特集

MOVIE 2022.12.18

最終回より 三浦義村役・山本耕史さん

撮影を終えられた感想をお願いいたします。

終わる実感はまだないです。1年半近くこの作品と一緒に育ってきたので、学校を卒業するみたいな感じなんですよね。そのぶん、次にどんなステージがあるのかということに思いをせるくらいの期間もあったので、さみしさもありますけれど、やはりひとつの大きな仕事を乗り越えるって重要なことだし、自分にとって安心なことでもあります。あとは撮影が長いほどいろんなリスクもあるので、コロナ禍で問題なく駆け抜けられたことは、正直ホッとした気持ちです。

改めて、義村にとって義時はどのような存在だったと思いますか。

今回僕が演じた義村は、自分と義時をいつも心の中で比べていて、「なんであいつは偉くなっていくのに、俺は御家人のひとりなんだろう」と思っていたんだなということがラストシーンで感じられましたよね。きっとこういう時代じゃなかったらずっと仲良くいられたんだろうけど、権力争いの中ではやはりストイックになってしまったという印象かな。義村は第1回から最後までずっと損得勘定で動いていて、一貫しているんですよね。最初から義時に「言うなよ」と言われたことをすぐ言っていましたし。そういうところでは一番信じてはいけない男なのかもしれないですけど、生きるという貪欲さと生命力がある人物だと思うので、きっと人間っぽい義時のことを、自分とは対照的だと思って見ていたんじゃないかなと思っています。

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