ヤクザ業界が大注目…!監督・主演の長原成樹が明かす「中野会会長襲撃事件」の真相
世間を震撼させ五代目山口組の転換点となった一大抗争を『探偵!ナイトスクープ』レポーターだったあの芸人が映画化
昨年末に単館上映された映画『不檄(ふれぶみ)~男たちの生きた証~』が、ヤクザ業界から熱視線を浴びている。
共同監督を務めるのは、彫り師で俳優の河本政則(49)とお笑いタレントの長原成樹(58)。『探偵!ナイトスクープ』レポーターとしての軽妙なトークで知られた長原だけに、芸人が趣味で映画を作ったかと思いきやそうではない。実在の暴力団事件を題材にした、骨太映画なのだ。
「題材にしたのは、’96年に起きた『中野会会長襲撃事件』です。五代目山口組の大幹部である中野太郎会長が、京都府八幡市の理髪店で地元の会津小鉄会の組員に襲撃された。映画では、会津小鉄会の7人の実行部隊が襲撃に至るまでの7ヵ月を描いています」(河本監督)
激しい銃撃戦により会津小鉄会の組員2名が死亡。両組織は和解するが、その裁定に中野会長が不満を抱いたことが、その後の「宅見勝山口組若頭射殺事件」につながったとも言われる。暴力団社会の転換点とも呼べる事件だ。
この映画が”本職”から注目を集めるのは、その事件を入念な取材の上で描いているからだ。長原が映画にかけた意気込みを明かす。
「河本監督と脚本家が、実行犯のリーダーである会津小鉄会の元幹部に5時間にわたって取材をし、襲撃の過程をリアルに描いています。河本監督の知人がその方とつながりがあったことで実現したインタビューです。もちろん、実行部隊のリーダーが告白するのは初めてと聞いています。映画の話が持ち上がったときは、ワクワクしかせんかった」
映画のなかでは、長原演じる実行部隊のリーダーが「襲撃部隊は家族や」と語りかけるシーンや、亡くなった二人の部下の名前の刺青を入れるシーンが描かれている。実際に取材をしなければ知り得ない、生々しい描写だろう。
クライマックスとなるのは、理髪店襲撃の場面だ。そこで、実行部隊にとってまさかの事態が待ち受けている。長原がニヤリと笑って言う。
「ネタバレになるから、結末は映画を観てください。僕が所属する吉本興業の人間も何人か出演していますが、文化庁から助成金ももらっている立派な映画です(笑)。単館上映で公開していきますが、『カメラを止めるな!』みたいにヒットしてくれたらと思っています」
FRIDAYは今回、映画に協力した元会津小鉄会の実行部隊リーダーにも取材する機会を得た。現在70代になるその人物は、僧侶のような達観した口ぶりで、映画の感想をこう語った。
「これまで取材の依頼はすべて断っていました。ただ今回は、河本監督とのつながりもあり、節目としてお話をさせてもらいました。亡くなった人間の供養になったかなと思っています。映画を観た方には、こういう現実があったんだということを忘れんで欲しいと思います」
世間を震撼させた一大抗争の裏側を知りたい人は、映画館まで足を運んでみてはいかがだろうか。
『FRIDAY』2023年2月10日号より
PHOTO:河本監督提供 共同通信社(理髪店)
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