フリーランスのプログラマとして働いた後、仲間と一緒にWebメディアの会社を立ち上げましたが、もっと自由に、もっと最先端のシステムをつくりたいという思いが募り、起業の道を選びました。当時はモバイルの公式サイトが流行っており、デバイスも次々と新機種が発売されていた時代です。そんな状況から「モバイル」が大きなキーワードになっていくだろうと考え、「テクノモバイル」という社名を付けました。PC向けのWebサイトや周辺システムを含め、多様化するモバイルデバイスを網羅し、総合的な視点からワンストップで企画・開発・運用まで対応できることが当社の強みです。そのようなシステム開発会社は意外と少なく、順調に案件を増やしていくことができました。

しかしある時、開発規模を大幅に読み違えて受託してしまい、数千万円の損失を出してしまいました。途中で手を引くか、妥協点を見いだして規模を縮小するという決断もできましたが、私は「良いものをつくらなければ意味がない」と強く思いました。そして最終的にプライドを持ってやり遂げ、無事にサービスは成功。そのお客さまからは大きな感謝を受け、新しい案件や新規顧客の獲得にもつながりました。システム開発会社の価値とは、言われたことを正確にやることでもなく、納期を守ることでもありません。あくまでも手掛けたサービスを成功させることが、本質的な価値。手痛い失敗ではありましたが、学んだことも得たものも大きかったと思っています。