鳥取)エリザハンミョウ減少続く 生息地の保護、継続へ

横山翼
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 鳥取砂丘鳥取市)で今春から本格的に保護活動が始まった希少な昆虫「エリザハンミョウ」の生息数の減少に歯止めがかかっていないことが鳥取大農学部の鶴崎展巨(のぶお)教授(動物分類学)の研究チームの調査でわかった。

 鶴崎教授によると、昨夏に153個体だった推定個体数は今夏には4分の1ほどの36個体まで減少。一昨年と比べると40分の1ほどに減った。要因として西日本豪雨で巣穴が水没した可能性や記録的な猛暑の影響などが考えられるという。

 エリザハンミョウは体長9~11ミリ程度の小型の甲虫。川沿いや河口の湿った砂地に生息している。幼虫は地面に掘られた穴で暮らし、鳥取砂丘では7月上旬ごろに多く成虫になった姿を地表で見られる。

 調査結果は27日にあった県や環境省などでつくる鳥取砂丘再生会議の全体会議で報告された。県砂丘事務所によると、今後、減少の理由をさらに分析し、対策についても考えたいとしている。

 同会議は4月から生息地の湿った砂地約1600平方メートルを杭とロープで囲い、人が巣穴を踏みつけないようにする取り組みを開始。効果が表れるには時間が必要とみて、当面は取り組みを継続する。鶴崎教授は「すぐに個体数が回復することは考えにくい。自由に歩けるようにしていればもっと減っていた可能性もある」と指摘している。(横山翼)

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