モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

ラグビーあれば苦あり

2023-01-31 23:20:22 | Weblog
というわけで朝霧工業に乗り込んでくる舞ちゃん、笠巻さん、結城の3人ですけど、
応対に出てくる植田という男がなかなかに慇懃無礼と言うのか、
工場内を覗き込む舞ちゃんを制しようとする従業員に対し、
「見られて困るもんやなし」とか言って自由にご覧下さい的な態度をとるけど、
それは、どうせこいつらなんか我々に及ばへんねんから見たって真似できへんやろってな、
余裕綽々といった感じであからさまに人を見下したような笑みを浮かべてるもんやからか、
「正々堂々、闘わせていただきます」
と宣言する舞ちゃん、
この実質的な先制攻撃を反撃能力などと姑息な言い換えをしない潔さよ。
さて、まず細かい傷の有無を見るところから始まる検査。
赤い液体にじゃっぶーんと漬けたボルトを暗室に持ち込んで、
赤外線を当てて目視で調べてるんですかねえ。
固唾をのんで見守る舞ちゃんたち……と、こちらは無事合格で、
ホッとする3人。
お次は強度検査、
ボルトの両端を固定して引っ張り、どこまで耐えられるかを、
ニュートンという単位で測定するそうな。
きーんという音を立てて動き出す測定器、
モニターに表示されるニュートンの値はどんどん上昇し……と、
これはどこか他のドラマでも見たような気がしたまち、
ゴーグルを着けて見守る舞ちゃんたち……と、
やがて基準値を超えてこちらも無事合格、喜ぶ3人、
それでもまだまだ耐えるボルト、
やがて、ニューッと引っ張られてトンッと切れた、
その値は朝霧のものとほぼ互角。
予想外の結果に朝霧もブチ切れ寸前、
本当に御社で作ったのかなどと疑う植田に、
もちろんだ、何か言いたいのか?などと喧嘩腰の結城、
しかし抑止力の効いた舞ちゃんは、他の工場の機械を借りたと正直に告げ、
町工場の技術が結集したボルトだと誇らし気。
多弱だって結集すれば一強と対等に闘えることを体現した形ですけど、
しかし本発注となったらそうはいかないだろうと言う植田は、
でも夢物語ではないだろうと返す荒金に少し不満な様子……ちなみに、
この植田、クレジットによるとフルネームは「植田邦夫」となってますけど、
昨日の回ではスタッフとして「航空部品製造考証 植月邦彦」って出てまして、
もし因んで命名されたのだとしたら、こういういけ好かない人物になってしもて、
植月さんとしては不本意かもしれないけど、
その辺は忖度なしのようで。

さて、舞ちゃんが「デラシネ」に立ち寄ると、
なんと取材を受けてる最中の貴司。
短歌賞の主催者・長山出版の男とあいさつを交わす舞ちゃんはここでは「岩倉です」と名乗るのみで、
「IWAKURAの岩倉です」とは言ってくれなかったけどそれはまあ当たり前で、
だって関係ないもんねえ。
でも男のほうは舞ちゃんに名刺まで渡したりして、
「りゅーほーじょー……」とその名前をつぶやく舞ちゃんは、
かつて放送されてた「りゅーおーおー!」と叫ぶスキー場のCMを思い出してたかも……って、
若い子わからへんがな。
そんな舞ちゃんに、
「飛行機部品の強度試験、どやったかまた教えてな」
結果自体はよかったけど課題も突き付けられて……と、
もともとそれを聞いてもらいたげな表情でここに来た舞ちゃん、
それがダメでちょっとガッカリやけど、貴司の聞く力に期待し、
今日のところは陽菜ちゃんと大樹くんを促して帰ることに。
しかしこのリュー北條と言う男、
藤田嗣治みたいな見た目してるけどもう胡散臭さ満点で、
歌集の売り出しに熱心そうなのはいいけど、
まず貴司の服装と髪型を変えようとか言いだしたりしてとにかく胡散臭い、
仕草や喋り方も、貴司に対する威圧的な態度もどこもかしこも胡散臭い、
大阪まで出張してきたついでに絶対に経費で観光してるやろってぐらい胡散臭い、
ちゃぶ台の上に置かれてた土産も絶対に経費で買ってるやろ……って、
あ、それはいいか。
いずれにしろ、緊張感をもって貴司に接してもらいたいもんですけど、
はてさて。

さて、舞ちゃんが「ノーサイド」に立ち寄ると、
久留美とその父親が。
父親が、八神家との顔合わせをここでやると決めたことが、
ものすごく不満な久留美……で、
その当日。
緊張して待つ2人の前に現れたのは、
八神医師の母親ひとりだけ。
挨拶もそこそこに彼女が切り出すのは、
婚約はなかったことにする……いきなりそう言われて、
理由を尋ねる2人に八神ママが語るのは、
久留美パパが定職に就かず離婚経験もあること、
それで息子とは今後一切かかわるなと言いたいことだけ言って帰ろうとする彼女の前に立ちはだかり、
通せんぼする久留美パパはすぐに土下座し、考え直してくれと頼むけど、
そもそもこんな店で顔合わせとはとか喚き散らす八神ママ……あの、
ここからはあくまでも個人の見解ですけどね、
オーバーな芝居ってのは演技が下手なのをごまかせるもんですよ、普通は。
しかしこれだけオーバーな、大げさな演技をしてそれでも下手やって感じさせるのって、
すごいですねえ、これは。
発声がバラエティ番組そのもので、とてもやないけどドラマでは通用しませんよこんなもん。
もはや異次元の大根女優ですよ、ホンマに。
でもそう思ってるのは僕だけじゃなくって、
ひょっとしたら笠巻さんも同じ気持ちかもしれませんよ。
似たような歳で出身も同じ笠巻さんと八神ママ、
しかし小劇場ブームとやらで若いころからチヤホヤされてた彼女のことを苦々しく思ってたかもしれませんよ。
そんな彼女が話題性なのか楽屋落ちなのか、とても適材適所の人事とは言えないのにキャスティングされて、
ベラベラ喋り捲る回に俺のセリフは無しかいな、どういうこっちゃねんな……って、
そんな不満への抗議行動として朝霧工業の場面で不自然にカメラ前を横切ってたのかもしれませんよ……って、
ホンマかいな。
でもって言われっぱなしの久留美パパ、
じゃかましいわい、俺もリスキリングしとったんじゃい、などと逆ギレすることもなく、
ひたすら弁明を続け……曰く、
娘の邪魔をしたくなかった、
高い店に行っても緊張して不細工な姿見せるだけだ、
でもここなら自然にラグビーの話ができる、
かっこいい父親でいられる……と、
この彼の言い分は一見、自分のことしか考えてないように、
娘よりも自分がどう見えるかが大事だと考えてるようにも見えますけど、
でも違うんですよね。
彼にとっては娘はもう完璧、百点満点、
文句なんかつけるところはなくって、唯一足を引っ張ってるのが自分だ、
自分の見栄えさえ良くすればこの縁談も無事まとまるだろう、
そういう思いからの行動なんでしょうけどしかしそんなことなど意に介さない八神ママ、
ばかばかしい、何がラグビーよと、
今にも「愚か者めが!」と叫んで13年後に渋々謝罪しそうな勢いでドアに向かう彼女の脚に今度は猛タックル、
悲鳴を上げる八神ママ、
懇願を続ける久留美パパ……やがて、
「お父ちゃん、もうええ!」
そう叫ぶ久留美の声を聞いて脚を離すパパ。
「申し訳ありませんでした」
深々と謝る久留美、
久留美パパを押し退けて去って行く八神ママ、
呆然とうなだれ嗚咽を漏らす久留美パパ……とまあ、
わりとありがちな展開とは言え、この21世紀の現代でも大手をふるってそうなこの価値観、
とにかく見ててもう居たたまれないけど、
やっぱりいちばん気の毒なのは久留美ですよねえ。
八神医師もそりゃ母親には抵抗できなかったとしても、
せめて久留美に事前に電話で知らせるぐらいのことはできたでしょうに、
それすらなかったということは……と考えるともう二重三重の悲しみに突き落とされたかのような久留美。
何とか彼女を慰めてあげたいけどでも、
ラグビー好きの耄碌ジジイなら、
「ヤガミが負けることは考えられない、こんなにクルミに力を入れていいのか」
とか言うんでしょうねえ、きっと。
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