現在では多くの予備校等が司法試験・予備試験の模試をリリースしています。
そのような模試は受験するべきなのでしょうか。
また、受験するとしてもどのようなタイミングで何回受験するのが効果的なのでしょうか。
ここでは司法試験・予備試験模試を受験するメリットやいつ受けるべきか等について解説していきます。
目次
司法試験・予備試験の模試は受けるべき?
結論からいうと、司法試験対策として模試は必ず受けるべきです。
それは以下のようなメリットがあるからです。
自分の実力を客観視できる
司法試験は基本的には相対評価で採点が行われます。
そのため合格までの距離を知り、適切な勉強方針を立てるためには全受験生の中で自分がどれくらいの位置にいるのかということを把握する必要があります。
模試は自分の得点や順位といった客観的な数値をもってそれを示してくれます。
その年に狙われる範囲の問題演習ができる
模試は実施する各予備校等がその年に出題が狙われそうな分野を厳選して作成しています。
したがって模試を受け、その復習をすることで出題可能性が高い分野の知識を確認することができます。
模試と同様の問題が出た際には、模試を受けた人には大きなアドバンテージになる一方、受けていない人にはディスアドバンテージになります。
このような観点から少なくとも受験者数の多い模試は受験することをおすすめします。
本番直前の不安の払拭につながる
本番が近くなってきたとき「あれをやりたい」「これもやりたい」と不安が大きくなるのが通常です。
そこで模試を本番だと思ってそれに向けていったん勉強を完成させる心意気で臨んでみてください。
模試の前に「やっておけばよかった」と不安に思う点を洗い出すことができるはずです。
そのような点を模試の後から本番までの間につぶしていけば、本番前に先のような不安が少なくなっているはずです。
ペースメーカーになる
模試では誰もが自分の出来得る最高のパフォーマンスをしたいと思うはずです。
そこで、模試の日程から逆算してどういうペースで勉強すれば、十分な実力を身に付けることができるのかを考えることができます。
勉強というのはメリハリが大事です。
ただ漫然と勉強するよりも、模試をペースメーカーとして勉強した方がメリハリのある学習ができるでしょう。
予行練習ができる
試験というのは独特の緊張感があります。
それを模試で経験しておくのと、しておかないのとでは心理的に全然違います。
また、そのような状況下で、「同じように頭が働くのか」「手がどれくらい疲れるのか」といったパフォーマンス面も把握しておくことが出来ます。
それだけでなく、模試を受けることで、あらゆるハプニングを想定することが出来ます。
時計や上着をもっていくことはもちろん、休み時間をどう過ごすかなども考えることもです。
貴重な経験になることは間違いないでしょう。
どんな模試をいつ受ければよい?
模試は本番の1~2か月間に、回数としては1回、多くても2回を目安に受験するべきです。
模試は、司法試験では中日を含めて5日間にわたります。
その後、復習を含め1週間は模試のために時間を費やすことになります。
そのため、模試をあまりに本番に近接した時期に多く受けてしまうと、本番前に本当に自分に必要な勉強が手薄になってしまう危険があります。
また、予備試験の口述式試験の模試に関しては、論文合格発表から本試験までの2週間に、各予備校の模試のスケジュールが詰まっています。
口述は演習命!なので模試をなるべく多く、最低でも2回は受けてください。
模試は会場で受けるべき?
この点については特段の事情ない限り会場での受験をすることをおすすめします。
会場で受験して初めて会場の雰囲気を味わえるからです。
休み時間の雰囲気を知らず、本番に「試験の合間に最終確認しよう」と思っていたことが確認できなかったということになってしまったら悲惨です。
一度休み時間を含めた会場の雰囲気を模試で確認しておくことをおすすめします。
もっとも、定員等の関係で会場受験が難しい場合もあると思います。
そのような際にはオンラインであってもぜひ受験してください。
本番と同様の時間で問題を解いてみるという経験自体も、その疲労度等を知るうえで非常に重要なためです。
模試の結果の活かし方
模試の結果は客観的データなので信頼性があります。
特に、短答式試験は答えがひとつに決まっているため、模試の信頼性は高いです。
とは言え、論文の採点は予備校によって癖があるのも事実です。
また、模試を受けてから本番までの頑張りで結果が大きく変わることもあります。
したがって、評価ランクにはあまりこだわる必要はありません。
ちょっとしたミスで大きく評価が下がる場合もありますし、逆にちょっとした工夫で評価が飛躍的に上がる場合もあるのが司法試験・予備試験です。
たとえ判定が悪くても、なにが原因なのかを追及して本番で同じミスをしないようにすればいいだけのことですから、あまり悲観せず学習を継続していきましょう。