/ 2

村田製作所、スマホ停滞で純利益28%減へ 23年3月期

(更新)

村田製作所は2日、2023年3月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比28%減の2260億円になる見通しだと発表した。従来予想を710億円下回る。直近の市場予測平均(QUICKコンセンサス)は2917億円だった。今期の業績見通しの下方修正は22年10月に次ぐ2度目。昨年秋にスマートフォンやパソコンの需要が急減速して以降、回復の遅れが続く。工場の稼働率の低下で採算が悪化し、利益を押し下げる。

売上高は前期比7%減の1兆6800億円、営業利益は30%減の2950億円を見込む。従来予想よりそれぞれ1400億円、850億円下方修正した。

「ハイエンドのスマホ需要が中国などで落ち込んだ」。同日、記者会見した村田恒夫会長は業績の下方修正の理由をこう語った。同社は22年4月時点で23年3月期のスマホの世界需要について13億7000万台を見込んでいたが、今回10億7000万台に引き下げた。前期より2割減の水準だ。中国景気の減速などでスマホの停滞が続く。

4〜12月期までの純利益は前年同期比15%減の2118億円で、23年3月期通期予想に対する進捗率は94%に達した。23年1〜3月期の業績を相当慎重にみている。

慎重な見方の背景にはスマホ停滞などで工場稼働率の低下がある。営業損益段階で23年3月期予想と22年3月期の増減要因では稼働率低下が2070億円のマイナス要因となる。22年10月からマイナス幅は660億円拡大する。「23年1〜3月期の工場稼働率は需要に合わせ80%まで落とす」(村田会長)という。従来は85〜90%だった。

顧客や自社での在庫水準の高止まりも工場稼働率を低下させる。サプライチェーン(供給網)の混乱などで「想定以上にお客さんが電子部品の在庫を持っていた」と村田会長は話す。需要減少が響き自社内での在庫も膨らんでいる状況にある。

輸出型企業の村田にとって足元の円高の動きも減益要因になっている。売上高に占める国内生産比率が65%となり、さらに海外売上高比率が90%を占める。このため円安が増益につながり、23年3月期の業績を下支えする見込みだった。為替変動影響による増益要因は従来は1230億円を見込んでいたが、1090億円に縮小する。

中島規巨社長は24年3月期のスマホの世界需要について「まだ計算中だが、数%の微増を想定している」と述べた。本格的な回復にはほど遠いとの見方を示した。

同日発表した22年4〜12月期連結決算は売上高が前年同期比3%減の1兆3392億円で、営業利益は19%減の2722億円だった。

関西セクショントップページはこちら

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません