先日、琉球新報のサイトに、琉球国王の夏用の衣装「御蟒紗(Umansaa)」と思われる衣装が寄贈された、という記事が配信されていた。国王の冬用の衣装「御蟒緞(Umanton)」は従来知られていたが、御蟒紗(Umansaa)は存在が確認されていなかった。もしこの衣装が御蟒紗(Umansaa)だとすると、貴重な発見である。
ところで、リンク先の記事にある御蟒紗(Umansaa)の写真、また下記の御蟒緞(Umanton)の写真には、衣装の中にいくつか龍が描かれているように見える。
御蟒緞(Umanton)、那覇市歴史博物館所蔵
しかし、これは実は龍ではないのである。衣装名の中にある漢字「蟒(mo, man in Okinawan)」は大きな蛇という意味である。つまり、これは龍ではなく蛇なのである。
中国では、龍は皇帝の衣装にしか使用することができなかった。したがって、琉球国王の衣装の布地には、龍ではなく大蛇が描かれていたのである。ちなみに龍は五爪、蟒(Mo)は四爪として区別されている。
しかし、実は御蟒緞(Umanton)の蛇は、五爪で描かれている。
琉球国王は、中国に隠れて龍の衣装を着ていたのであろうか? 謎である。
注 機械翻訳で読みやすいように、英語やローマ字で補足している箇所があります。