高校生だと思ってた友達が久しぶりに会ったらハタチを過ぎてた。
変わったネ!と言ったら皮肉っぽい?
大人っぽくなったネ!って、それだと何意識してんの?ってなるだろうか……。久しぶり!って普通に容姿に触れないのが一番良い?でも26歳にもなってそんなコミュニケーションに気楽さも持てないことがバレてしまうと
「イェーイ 元気してた?」
「あ、ウン、久しぶりやね」
自分がちょうどハタチの頃、地元のドンキホーテに行くと高校が一緒だったギャルに遭遇したことを思い出した。
ギャルはロクに話したこともないおれに気軽に話しかけてきて、咄嗟の出来事についオタク特有のイキリが発動し、自然に話そうとすればするほど訳のわからない言動をもって応えてしまう。パニック状態である。
やめろ!もうやめてくれ!と、脳なのかどこなのかとにかく身体が叫んでるのを感じる、目が泳ぎ過ぎて🌀状態。
「ひひひ久しぶり、おれバンド続けてるけど元気?」
「バンド??」
「あの、なんていうか、」
苦笑いだけを残してギャルは去っていった。「またね」の気遣いがうれしい。もうわからない、これが冷や汗か、と思った。
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ちょっとした雑談をしたあと、友達は自分の持ち場に帰っていった。
フゥ、と一息ついた。おれはまともに喋れていたのか、あまり記憶がない。試合に集中したプロレスラーの気持ちだった。
振り返ると鏡に自分が映る。
おれは、老けたなと思った。