中小企業診断士の難易度は他の資格と比較してどの位難しいのでしょうか?
中小企業診断士は国家資格であり、試験に合格しなければなりません。
試験の難易度がどの位難しいか理解するためには、他資格と比較することで見えてきそうです。
そこで、他の資格と中小企業診断士の合格率・勉強時間を比較し、どの資格と難易度が同じくらいなのかを見ていきましょう。
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合格率でみる中小企業診断士の難易度ランキング
まず、中小企業診断士試験は1次試験と2次試験があります。
合格率は1次試験で17~42%、2次試験で18~19%で推移しています。
中小企業診断協会『令和3年度の試験について』によると令和3年度の一次試験は合格率36.4%で合格者数は5,839人(前年度は合格率42.5%、合格者数5,005人)、二次試験は合格率は18.3%で合格者数1,600人(前年度は合格率18.4%で合格者数1,174人)という結果でした。
中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移によると令和4年度の一次試験は合格率28.9%で合格者数は5,019人という結果でした。
なお、令和4年度の二次試験の合格率は令和5年(2023年)2月1日(水)公表の予定です。
1次試験と2次試験の過去の合格率・合格者数の推移は以下のようになっています。
一次試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年(令和4年度) | 17,345 | 5,019 | 28.9% |
2021年(令和3年度) | 16,057 | 5,839 | 36.4% |
2020年(令和2年度) | 11,785 | 5,005 | 42.5% |
2019年(令和元年度) | 14,691 | 4,444 | 30.2% |
2018年(平成30年度) | 13,773 | 3,236 | 23.5% |
2017年(平成29年度) | 14,343 | 3,106 | 21.7% |
2016年(平成28年度) | 13,605 | 2,404 | 17.7% |
二次試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年(令和3年度) | 8,757 | 1,600 | 18.3% |
2020年(令和2年度) | 6,388 | 1,174 | 18.4% |
2019年(令和元年度) | 5,954 | 1,088 | 18.3% |
2018年(平成30年度) | 4,812 | 905 | 18.8% |
2017年(平成29年度) | 4,279 | 828 | 19.4% |
2016年(平成28年度) | 4,394 | 842 | 19.2% |
2015年(平成27年度) | 4,941 | 944 | 19.1% |
中小企業診断士になるにはこの両方に合格する必要があるので、1次試験と2次試験の合格者を掛け合わせた数字が実際の合格率となります。
以上を前提に中小企業診断士の合格率と他の資格試験の例年の合格率を比較してみましょう。合格率の高い順番に表にしてみました。
資格名 | 合格率 |
税理士 | 18% |
宅建 | 15~17% |
FP1級 | 13% (学科試験合格率×実技試験合格率) |
行政書士 | 11~15% |
公認会計士 | 10% |
社労士 | 6~7% |
中小企業診断士 | 3~8% (1次試験合格率×2次試験合格率) |
司法書士 | 3~5% |
これを見てみると、税理士や宅建士といった試験の合格率は中小企業診断士と比較して高い合格率となっています。
中小企業診断士は表からみてもわかるように、合格率が低い部類に属しています。
中小企業企業診断士と同じくらいの合格率では社労士といった難関資格が位置しており、中小企業診断士も簡単な試験といえないことが分かります。
勉強時間で見る難易度ランキング
次に、中小企業診断士と他の資格の合格率を比較してみましょう。
試験合格に必要とされる勉強時間が長い順番から表にしてあります。
資格名 | 勉強時間 |
公認会計士 | 3,500時間 |
司法書士 | 3,000時間 |
税理士 | 3,000時間 |
中小企業診断士 | 1,000時間 |
社労士 | 1,000時間 |
行政書士 | 600~1,000時間 |
FP1級 | 600時間 |
宅建 | 300~400時間 |
これを見ると、合格率とはまた違った視点で難易度の違いを比較できると思います。
税理士は中小企業診断士より合格率こそ高いものの、勉強時間は中小企業診断士より3倍ほど必要なため税理士の方が難しいことが分かります。
一方、合格率の高かった宅建士は勉強時間の面でも中小企業診断士より勉強時間が短く、中小企業診断士の方が難しいといえるでしょう。
また、社労士は、中小企業診断士と合格率が近いばかりでなく、勉強時間も同じ1,000時間が必要とされています。
そのため、中小企業診断士と社労士は同じくらいの難易度といえます。
中小企業診断士と他の資格を比較すると、中小企業診断士の勉強時間は1,000時間となっており、勉強時間の表の中では中間に位置していることが分かります。
そのため決して非常に難しい試験とまではいえないでしょう。
しかし、簡単な試験ではありません。合格率は約5%と他の資格と比較しても低く、試験に合格するためには1,000時間の勉強が必要となっています。
1年間毎日3時間勉強してようやく中小企業診断士に合格できる水準にたどり着くことができると考えると、継続的に勉強し続ける必要があります。
まとめ
中小企業診断士試験の難易度についてまとめると、以下のようになります。
・中小企業診断士の合格率は、他の試験と比較しても低い水準である
・中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間ほどとなっており、他の試験の中間に位置している
・非常に難しい試験とはいえないものの、毎日継続して勉強する必要があり、簡単な試験ではない
・中小企業診断士は社労士の難易度と同じくらい
中小企業診断士は、資格取得が大変ですが、やりがいのある仕事でもあります。合格を目指して頑張りましょう。
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