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ここ朝霧工業は航空機部品だけに特化した会社で今回　同じボルトの発注を受けているライバル会社です。
（舞）すごい…。
（荒金）ライバル社の視察はどうですか？
（植田）荒金さん。お疲れさまです。
いや…　すごいです。
けど　本日は　弊社も　自信を持ってお見せできる製品を　お持ちしました。
正々堂々　戦わせていただきます！
では　早速　試験を始めましょうか。お願いします。
♪～
♪「公園の落ち葉が舞って」
♪「飛び方を教えてくれている」
♪「親切にどうも」
♪「僕もそんなふうに」
♪「軽やかでいられたら」
♪「横切った猫に」
♪「不安を打ち明けながら」
♪「ああ　君に会いたくなる」
♪「どんな言葉が　願いが景色が」
♪「君を笑顔に幸せにするだろう」
♪「地図なんかないけど歩いて探して」
♪「君に渡せたらいい」
♪～
まずは　細かい傷の有無を調べます。
航空機エンジンに使うボルトはその安全性から僅かな傷でさえ　絶対に許されません。
合格です。
（植田）ＩＷＡＫＵＲＡさんのも傷一つありませんでした。
次は　ボルトが切れるまで引っ張ります。
その力を表す数値はニュートンという単位が使われます。
今回のボルトは３万６，５００ニュートン以上の力に耐えられれば　合格です。
ただ　ニッケル基合金とはいえボルト状に細く加工したものではこの数値は　なかなか高いハードルです。
ちなみに　うちのボルトは３万６，５００どころか３万９，０００ニュートンを超えました。
（結城）超えた。合格や。
（植田）まさか…。
ボルトの完成度はほぼ朝霧さんと同格ですね。
このボルトは本当に御社でお作りになったんですか？
もちろんやないですか。
それか　何かおっしゃりたいんですか？いえいえ　ですけど…。
違うんです。
これは　うちだけの技術ではありません。
圧造も転造も父の代から　おつきあいしている東大阪のほかの工場の機械をお借りしました。
せやから　これは東大阪の町工場の技術が結集したボルトなんです。
では　もし　御社が本発注を受けるとなった場合その時も　他社に協力を求めると？そのつもりです。
それは　考えが少々　甘いように思いますけどな。
どういうことでしょうか？
本発注は　もっと　たくさんのボルトやねじを作ることになります。
必要な時間も費用も　かなりのもんで他社が　メリットを感じるとは思えません。
まあ　私は　全くの夢物語ということでもないと思いますよ。
今日は　すばらしい製品をお持ちいただきありがとうございました。品質試験には　更に　日数がかかりますので結果は　後日　ご報告いたします。
はい。
こんにちは。（陽菜　大樹）シ～ッ。
えっ　どないしたん？（陽菜）貴司君な　今　作戦会議中やねん。
作戦会議？
（北條）場所が悪いな…ちょっと梅津さんさ　そこ座ってくれる？
（貴司）はい。うん。
そうそう　そうそうそう。寄っちゃう　寄っちゃう　もう　これ。
（シャッター音）
どうだろうね…。
舞ちゃん。ああ…。
ごめんな。今　出版社の方　来てくれてはって。
全然。
どうも。あっ　初めまして。
どうも　どうも。岩倉です。
長山出版から来ました。ああ…　ありがとうございます。
リュー北條…。
飛行機部品の強度試験どやったか　また教えてな。
あ…　うん。
（北條）もっかい座ってくれる？はい。
陽菜ちゃんも　大ちゃんもそろそろ帰ろか。
（２人）は～い。
届く？うん。
笑って。（シャッター音）
あ～　いいよ　いいね　いいね。
いや～　梅津さんの歌東京の編集部でも　本当に評判がいいよ。
ああ。俺もね　歌の一つ一つが　切実だなぁって。
泣けるなぁってさ。
だから　出版する歌集は全力で売り出していきたいわけよ。
それは…　ありがとうございます。うん。
まずは　服装と髪形かな。え？
今度　ちゃんとした場所で宣材写真を撮ろう。
スタイリスト呼ぶからさ。いや　僕の写真なんか載せんでも…。
駄目　駄目。
歌集売りたいなら　作者の顔が大事よ？
せっかくの男前なんだからさ。
ね？
これ写真集いけんじゃないかな　これ…。
こんにちは。（津田）いらっしゃい。
（久留美）あっ　舞。
久留美。
（佳晴）なあ　もうちょっと暗い色の方がええんとちゃうか？
真面目で実直な感じ出て。（津田）あかん。陰気くさい顔が　余計　陰気くさ見えるわ。何してんの？
（久留美）あさって　八神さんのご家族と顔合わせやねん。
え～。ほんで　お父ちゃんえらい張り切ってしもて。
そりゃ張り切るやろ。大事なイベントなんやから。
その大事なイベントをなお父ちゃん　どうしても　ここでやるって聞けへんねん。
えっ　ここって…　ここ？
な？　おかしいやろ？
もう…　せっかく蓮太郎さんがええ料亭　予約するって言うてくれたのに。
舞ちゃん　毎度。ああ　こんにちは。
久留美　これ　ちょっと派手すぎへんかな？
ええんちゃう。何か　いかついセールスマンみたいで。
（津田）やあ…　ホンマやな。
あかんがな。（津田）あかんわ。
あかんのちゃうお前が　これでええって言ったんやろが。
（津田）ネクタイは　ええんやけどどうすんの　何が似合うんよ　あんたは。
そして…望月家と八神家両家の顔合わせの日がやって来ました。
ネクタイ　いがんでへんか？
大丈夫。うん。
久留美。
お父ちゃん精いっぱい見え張ったるからな。
うん。
（津田）いらっしゃいませ。
（圭子）八神でございますけど。
どうぞ　こちらへ。
お初にお目にかかります。
蓮太郎の母です。
初めまして　久留美の父です。
この度は　お忙しい中足を運んでいただきまことに　ありがとうございます。
あの　お父様と蓮太郎さんは…。
今日は　私　一人で　参りました。え？
単刀直入に申し上げますわね。
蓮太郎とあなたの婚約はなかったことにしていただきます。
それって　どういう意味でしょうか？
あら　そのままの意味ですけれど。な…　何で…。
望月佳晴さん　お父様。
あなた　定職にはお就きになっていらっしゃいませんよね。
離婚もなさってるそうですし。
そらね　いろいろご事情も　おありなんでしょうけれどもなんと申しましてもそのようなご家庭の女性とうちの息子と結婚させることはできひんのです。
このこと　蓮太郎さんはご存じなんですか？
もちろん　存じております。
ですから　今後　一切息子とは関わらんといてくださいませね。
では　失礼　ごめんあそばせ。
お父ちゃん！ひゃっ！
お願いします！もっぺん考え直したってください！
おやめなさい！
俺のことは　俺のことです。
久留美とは　何の関係もないんです！
そもそも　こんな店で顔合わせやなんて非常識でしょ。聞いたらあなたの提案というじゃないですか。
娘の邪魔したなかったんです。
ハハハ…　何をおっしゃってるのかしら。
俺なんぞが　高い料亭行ったら緊張して話もできへん。
不細工な姿　見せるだけです。
そやけど　ここやったら自然とラグビーの話ができる。
俺には　ラグビーしか取り柄があらへんのです。せやから　ここやったらかっこええお父ちゃんでいてられるかも分かれへん思て…。
お父ちゃん…。
（圭子）バカバカしい。　何がラグビーよ。
キャ～！　ちょっと！久留美は…　久留美はちゃんとした　ようできた娘なんです！どうかお願いします！
娘には　幸せになってもらいたいんです！お願いします！
（圭子）もう　お離しなさい！お父ちゃん　もうええ！
（圭子）ああ…　もう！
♪～
申し訳ありませんでした。