千葉県の市役所「生活保護担当職員」の呆れた実態 衆人環視でのタメ口に「嘘つき」「泥棒」呼ばわり
東洋経済オンライン / 2023年1月27日 14時0分
当時タケアキさんが住んでいたのは家賃4万円の物件。一方、この自治体の住宅扶助の上限は3万7200円で2800円オーバーしていた。するとCWが無料低額宿泊所(無低)への転居を勧めてきたのだ。
私が取材する限り、数千円程度の超過であれば、生活費からのやりくりを認めるといった対応が一般的だ。そのほうが仕事も探しやすく、自立にもつながりやすい。無低の中には劣悪な環境にもかかわらず、生活保護費のほとんどを巻き上げる悪質施設も少なくない。わざわざそんなところに引っ越しをさせる意図は何なのか。そもそも生活保護法にはアパートなど居宅での保護の原則がある。
施設には入りたくないというタケアキさんに対して、執拗に転居を促すCW。見かねた同行スタッフが「施設の強要は違法ですよね」と口をはさむと、ムッとしながらもようやく引き下がったという。
一方で車の利用についてはCWは「認められない」の一点張りだった。たしかに生活保護の利用中は車の所持は原則NGだ。ただ通院・通勤に必要な場合など例外的に認められることもある。
タケアキさんは車は持っていなかったが、知り合いでもある大家の車を借りていた。通院と仕事探しに必要だったからだ。自宅から最寄り駅までは歩いて1時間近くかかる。車なしの生活は難しい。しかし、CWがこうしたタケアキさん側の事情に耳を傾けることはなく、ただ「今日から絶対に乗ったらダメですよ」と言い渡された。
さらにストレスだったのは、こうしたやり取りをCW以外の職員たちにも見られたことだという。タケアキさんは「3、4人の職員がCWの後ろでポケットに手を突っ込んだり、腕組みをしたりしながら机の上の書類や僕のことをのぞいていました」と振り返る。
タケアキさんが生活保護を利用するのは初めて。申請の前日は緊張のあまり一睡もできなかった。市役所に行く途中、嘔吐もしたという。生活保護利用者に対する社会の偏見や理不尽なバッシングを思えば、こうした“反応”もやむをえまい。
「精神的に弱っていて、窓口に行くだけでかなりエネルギーが必要でした。それなのにプライベートな話を聞かれているところを、ほかの市民や職員にもさらされて。(相談員のタメ口は)小バカにされていると感じました。同行者がいなければどうなっていたか……」
「派遣」しか仕事がなかった
タケアキさんは沖縄出身。5年ほど前、知人から仕事を紹介するからと声をかけられ、千葉に移り住んだ。故郷での生活に大きな不満はなかったが、もう少しだけ豊かな暮らしをしたいという夢を抱いたのだという。フォークリフトや大型トラックの運転免許なども持っており、いざとなれば何とかなるという自信もあった。しかし、いつまでたってもまともな仕事を紹介されることはなかった。たまに建物の解体作業に駆り出されてもただ働き同然。数年前に知人との縁を切った後は複数の派遣会社に登録して仕事を探した。
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