今年は港区内にある住所非公開のスペシャルな茶室付の隠れ家での初釜でお茶を
いただき、嵐山吉兆ご出身のご主人の作る懐石料理をいただきました。
「水光庵」は、普段は紹介制の完全予約制。
1組限定なので完全プライベートで懐石料理が食べられます。
マンションの1室で密に営なまれています。
まずは寄り付きへ。老子の禅語がめを引きます。
上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し
水は善(よ)く万物を利(り)して而(しか)も争(あらそ)わず
衆人(しゅうじん)の悪(にく)む所に処(お)る
故(ゆえ)に道に幾(ちか)し
水の如くに生きる達人の悟り・・・とでもいうべきでしょうか。
まずは、白湯から。
今回は茶事ではありませんが、茶事の要素を少し取り入れた趣向のようです。
寄付待合でいただくゆり根饅頭。
ねっとりといい香りのお饅頭で美味しい。
紅白でおめでたい色付きも新年らしいですね。
席入りをすると、床には結び柳に蓬莱飾り。
三宝の上には、長熨斗と「打ち出の小槌」の熨斗押さえ。
軸は「千年丹頂鶴」。新年らしくおめでたい御床ですね。
和蝋燭灯る、まるで夜咄みたいなお席でわくわくしました。
初釜ですから、もちろんお点前は島台で。
炉縁や釜もきれいです。
濃茶はこんなお道具で出していただきました。
濃茶の後はお薄も。
ゆず巻き柿かな。干し柿の入った羊羹とペカンナッツ。
私は中間あたりにいたので、数茶碗が、正客は大樋焼でした。
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お茶が終わったらお食事です。茶事ならば茶室でいただくものですが
ダイニングルームでテーブルで。足のシビレも大変なので助かります。
お酒付のお席でしたが、持ち込みもOKということで
ゲストのお1人がシャンパーニュをもってきてくださいました。
オープンキッチンになっていたので、作っている雰囲気も見えました。
料理は茶懐石の一文字に向付から始まるスタイルではなく
茶道を知らなくても懐石として愉しめる趣向でした。
煮鮑、海老、くわい、春菊の土佐酢仕立て。
生姜や水前寺海苔も添えられ味のアクセントに。
次はお椀だとワクワクしなが待っていましたラ期待通りのものが登場しました。
登場したのは、白味噌雑煮!!
嵐山吉兆で修行されたご亭主の作るお雑煮は丸餅に白みそと、まさに京風。
関東生まれ、関東育ちの私にはかなり新鮮なお雑煮です。
一口おつゆを飲んだ瞬間、はぁ~っとほっこりする感じです。
京都に行かずとも食べられるのはかなり嬉しい!!
京芋、人参、うぐいす菜、芥子がそえられていました。
立派な鯛の中には赤飯が巻いてありました。
鯛を食べると食感のように赤飯が入っているという贅沢なごはん。
炒りたての胡麻が香ばしく、印象的でした。
八寸も豪華です!!
長寿や心の潔癖さの象徴の裏白、子孫繁栄のゆずり葉、厄除けの意味を持つ
南天など正月ならではの縁起物も添えられて、華々しい。
蟹酢、数の子、カラスミ、紅白なます柚子風味、出汁巻き卵、
スモークサーモンの柚子巻き、銀鱈の味噌幽庵焼き、赤カブ、黒豆、田作り。
どれも丁寧に仕事のされたお料理ばかり。
ご飯は、蒸し寿司。
穴子、レンコン、エビそぼろ等のごはんの上には
錦糸卵といくらと色鮮やか。ほのかに山椒がアクセントの美味しいごはんでした。
デザートはフルーツのゼリー寄せ。
メロン、苺、グレープフルーツ、ブルーベリーなどでできています。
上にはシャンパンのゼリーかな。アングレーズソースがかなり濃厚でちょっとびっくり。
和菓子もすでに食べていますのでこういうフルーツ寄せはいいですね。
おめでたいスペシャルなお席に参加させていただき、こりゃぁ新年から幸先がいい。
今年も一年間、素敵な食との出会いがありますように。
水光庵
東京都港区
紹介制のため連絡先は非公開
https://www.facebook.com/suikoan/