NHKが絶対に死守したい「受信料ビジネス」の全貌 「強制サブスク」と化す公共放送のまやかし
東洋経済オンライン / 2023年1月23日 6時50分
国民から嫌われている受信料制度がなぜかくも強固なのか。温存され、増強される「受信料ビジネス」。そこには政治とNHKの持ちつ持たれつの関係がある。新たに浮上する「ネット受信料」。1月23日発売の『週刊東洋経済』の特集「NHKの正体」では、ぬえのような存在の巨大放送局を解剖した。
「もうテレビ捨てるわ」「絶対に契約しない」。ネット上でこんな言葉が飛び交ったのは昨年10月、NHKが受信料の値下げを発表したときだった。
NHKは今年10月から受信料を値下げする。地上波のみ視聴できる地上契約は月額1100円(125円値下げ)、衛星放送も視聴できる衛星契約は月額1950円(220円値下げ)になる。
過去最大の値下げ幅であるにもかかわらず怒りの声が上がったのは、NHKが値下げと同時に、受信料を不正に払わない人には通常の2倍相当の割増金を請求するという強気の姿勢を見せたからだ。
割増金制度はこの4月からスタートするが、NHKにとっては満足のいく徴収法ではない。なぜならNHKは、総務省の受信料制度のあり方を検討する有識者会議で、テレビ設置者のすべてがNHKに届け出ることを義務づける制度の創設まで求めていたからだ。
受信料の徴収で強硬なNHK
企図していたのはそれだけではない。NHKは、受信契約を結んでいない世帯の居住者氏名や引っ越し先の情報などの個人情報を公的機関に照会できるようにする仕組みを導入するよう訴えていた。個人情報への配慮に欠けた要求は有識者会議であえなく却下されたが、もし要求が通っていれば、NHKが未契約者の個人情報を入手する仕組みが築かれていた可能性がある。
NHKが受信料の徴収で強硬なのは、受信料制度の永続性に不安があるからだろう。
公共放送の受信料は見たい人が払うサービス対価ではなく、公共放送機関そのものを維持・運営していくための「特殊な負担金」とされる。テレビを設置しているすべての世帯が負担することで、NHKが全国あまねく、確かな情報を届けるという理屈だ。
だからNHKにとって、スクランブル化(電波を暗号化し、見たい人が有料で解除して見る)などは論外だ。
しかし、テレビ離れが進み人々の生活習慣がネット中心になった昨今、その理屈が今後も通るか。とくにテレビをリアルタイムで見る習慣のない若い世代には納得できるものではない。
動画制作を学ぶ江戸川大学2年の牧野奈々葉さんは「受信料制度の仕組みは理解しているが、まったく見ていないのに毎月必ず2000円ほど払わされるのは納得がいかない」と語る。牧野さんが普段よく見るのは、ユーチューブやアマゾンプライム・ビデオだ。
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