金融資産が8674億円もあるのに税負担がないNHK 受信料の「1割値下げ」はまやかしでしかない
東洋経済オンライン / 2023年1月27日 7時0分
NHKの「貯め込み」が加速している。
1月23日発売の『週刊東洋経済』の特集「NHKの正体」では、公共放送という衣をまとって「受信料ビジネス」を展開するこの組織を解剖した。
受信料収入は減収も…
2022年9月末時点のNHKの連結剰余金残高は5135億円。
営利を目的としない特殊法人でこの数字というだけでも貯め込みすぎの観があるが、それより注視すべきは8674億円もの金融資産残高だ。剰余金残高の1.7倍近くに上る。
受信料収入は2018年度(2019年3月期)に過去最高の7235億円を計上したが、営業スタッフによる戸別訪問を段階的に廃止した影響で、2021年度の受信料収入は6896億円へと約340億円減った。
にもかかわらず一般事業会社の連結営業キャッシュフロー(CF)に該当する連結事業CFは、2019年度から2021年度までの3年間の累計で3696億円となり、2018年度までの平均的な金額である年間1200億円前後を維持した。
2021年度の事業CFは1056億円で、前年度に比べ約380億円の急減となった。
ファンドのようなバランスシート
だがこれは、東京オリンピック・パラリンピック関連の放送費用(放送権料以外)180億円と、五輪など国際催事放送の放送権料80億円の計260億円を払ったうえでのことで、これらがなければ2019〜2021年度の事業CFの累計は3956億円にもなる。
NHKがCF計算書の開示を開始したのは2008年度から。多少のばらつきはあるが、特別な事情で多額の資金流出があった年度を除けば、毎年1000億円を超える事業CFを生んできた。
そしてその半分強が設備投資などに回り、残りは余資となり国債など公共債での運用に回されてきた。その結果として積み上がったのが、7360億円もの有価証券である。
これに現預金を加えた金融資産の残高が、冒頭で紹介した数字になる。
金融資産は総資産の6割を占めており、このほかに保有不動産の含み益が136億円ある。まるで資産運用をなりわいとしているファンドのようなバランスシートだ。
なぜこんな芸当が可能なのか。第1に、収入が減ってもそれ以上に支出を抑え、しっかり利益を稼いでいるからだ。その利益はどう生み出されているのか。2018年度と2021年度の連結決算で比較してみよう。
2021年度の経常事業収入は7508億円。3年前と比べると6.2%減少した。これはNHK単体での受信料収入が約339億円減ったことが主因だ。
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