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米警察、黒人男性暴行死で映像公開　各地で抗議デモ

産経ニュース / 2023年1月29日 11時30分

【ニューヨーク＝平田雄介】米南部テネシー州メンフィスで警官５人が交通違反の取り締まり中に男性を暴行死させ、殺人などの罪で訴追された。メンフィス市は２７日、警官が装着していたボディーカメラなどの映像を公開した。警官が男性の頭や腹を殴ったり、蹴ったりする様子が映っていた。警察の過剰な実力行使だとして、２８日にかけて各地で抗議デモが起きた。

死亡した男性はタイリー・ニコルズさん（２９）で黒人。７日、危険運転の疑いで停車を求められた際に暴行を受け、搬送先の病院で３日後に死亡した。暴行した警官５人はいずれも黒人で２０日に免職処分となり、２６日に殺人や誘拐などの罪で訴追された。

公開された映像には、ニコルズさんが警官の一人にスタンガンの一種「テーザー銃」を突き付けられた後で口論が起き、逃げ出したニコルズさんを警官が制圧し、約３分間にわたり頭や腹に殴る蹴るの暴行を繰り返す様子が映っていた。

暴行した警官５人への捜査は続いている。他に関与した者がいた可能性もある。

映像の公開後、メンフィスでは数百人が抗議デモを始めた。デモ隊はニコルズさんの名前を叫びながらテネシー州と隣接するアーカンソー州をつなぐ州間高速道路５５号線の橋へ向かって行進し、一時、車両が橋を通行できなくなった。

抗議デモは東部ニューヨークや首都ワシントンなどでも起きたが、米メディアは「総じて平和的に行われた」と伝えている。

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