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陸自性暴力 五ノ井さん「闘う選択はしたくなかった」 会見詳報

毎日新聞 / 2023年1月30日 16時16分

国などを相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしたことを受け記者会見する元自衛官の五ノ井里奈さん=東京都千代田区で2023年1月30日、西夏生撮影

 陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた元自衛官、五ノ井里奈さん(23)が複数の男性隊員から性暴力を受けた問題で、五ノ井さんが30日、国と加害行為に関与した隊員(当時)に対して損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こした。提訴後、代理人を務める弁護士とともに日本記者クラブ(東京都)で記者会見した五ノ井さんは「(訴訟を通じ)真実を明らかにしたい」と話した。会見での五ノ井さんの発言の主な内容は以下の通り。

 ――民事訴訟に踏み切った理由は。

 ◆できることなら闘う選択はしたくなかった。(書類送検され、懲戒免職となった元隊員の責任について説明を求めたが)相手側から回答が返ってきていない。反省していないと感じた。このままでは、ハラスメント根絶は不可能だと思った。私は東日本大震災で自衛隊の方々に助けてもらったし、そこはいつまでたっても感謝の気持ちは忘れていないし、今でも自衛隊が好き。自衛隊をやめざるを得ず、私はたくさんのものを失っている。その責任をしっかり取ってもらいたいと思っている 。

 ――国の責任を問うのは、どういう思いがあるのか。

 ◆私が被害を申告した時にちゃんと調査をしてくれれば、私は退職しないで自衛官として勤務できたと思っている。調査をおろそかにした責任はあると思う。

 ――裁判を通じて何を変えたいのか。

 ◆自衛隊内でハラスメントがあることは事実。もっと一人一人が大切にされて、正しい正義感を持った組織になってほしいと思っている。そのためにもこの闘いはオープンにして明確にする必要がある。相手の主張や私の主張を世間に伝えて真実を明らかにしたい。

 ――提訴に迷いはなかったのか。

 ◆迷いはあったし、本当に争うことはしたくなかったが、私と相手の主張のずれが出ている。その状態で中途半端に終わらせず、同じ被害に遭われた人たちのためにもオープンにして真実を明らかにしたいと思った。

 ――五ノ井さんの行動に心ない非難もある。どう感じているか。

 ◆誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)は今でも来る。言葉一つ一つが凶器と一緒なので、言葉を発する人は相手に思いやりをもって発してほしい。

 ――自衛隊に限らず、さまざまなハラスメントがある。再発防止や撲滅に向けて何が必要だと思うか。

 ◆私の時は上司が隠蔽(いんぺい)したり、調査をおろそかにしたりというのが大きかった。(同じようなハラスメント被害を部下や同僚から)申告を受けた人は隠蔽せず、親身に話を聞き、正義感を持って問題を解決してほしい。

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