倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

青木島遊園地廃止問題 ~そこに内在する抜本的課題~

2023-01-30 | 日記

今や社会問題となっている「青木島遊園地廃止問題」について、市民の方々から 実にさまざまなご意見(声)をいただいています。

そして、その殆(ほとん)どが「(遊園地は)存続すべきだ」との〝声〟であることを実感しています。

「子どもの遊び場を大人の事情で奪うべきではない」と、遊園地を利用できなくなった子どもらを親身となって思う方々の声は日増しに大きくなっており、どの人に水を向けても同じ答えが返ってくるのです。

私自身、会う人ごとに「遊園地は存続を!」との〝民意〟を聞かせていただき「これ(民意)は 何とか行政に届けなければ」との 責任感のようなものを強く感じているところです。

 

でも、その一方で「区(区長)が廃止を決めたのだから(廃止も)仕方ないじゃん。」という風に言う人もおられます。

「だって、地元の区が設置を要望して設置されたものが、今度は地元の区が廃止を要望しての廃止。このことについては手続き上の瑕疵(かし)は無く、(遊園地の)廃止はやむを得ないよね。」というものです。

この〝手続き上の瑕疵(かし)は無い〟ことについては、至極ごもっともであり、長野市行政サイドも それ(区長の要望で廃止)を盾(たて)にして、これまで変わらず廃止を進めようとしています。

ところが、民意はそうでは無い。

地元住民をはじめ実に多くの方々が「遊園地存続」を願っておられる。

この いわば〝ねじれ現象〟の原因はどこにあるのでしょうか。

これは詰まるところ「区(区長会)の決定が 必ずしも民意を反映していない」のではないか と。

で、この矛盾ともいえる結論づけが 今回の問題の根っこにあり、そしてそれは、今の長野市都市内分権そのものの問題点でもあると言えるのです。

 

これまでも述べているとおり 今回の「青木島遊園地廃止問題」において 市は、設置するときには住民説明会を行なうも、イザ廃止となったら それ(説明会)も無く、区を相手に行政手続きだけを進めて(進めようとして)います。

しかし ここで問題となるのが、区(区長)や関係者は 市からの打診を一部の役員さんだけで受け止めて解決(回答)してしまっていること…例えれば、市から投げられたボールを 住民の間でパス回し(=みんなで検討)することなく直接投げ返してしまい、それを受けた市は「はい、キャッチボール成立」とジャッジし、それを根拠に「手続きに瑕疵はない」として話しを進めようとしているのです。

ピッチ(地元)には多くの選手(住民)が居るのに、その人たちはボールに触れること無く たった2人の選手(区と市)のキャッチボールを眺めるだけで「はい、ゲームセット」と宣言されたのでは、ストレス以外 何も残らないというのが実際のところでしょう。

 

しかし これは、試合巧者の市行政チームの あざといゲームメイクと申せます。何というか〝隠し球を駆使する常勝チームの手法〟とでも申しましょうか。

今回の試合運び(青木島遊園地廃止)は、いわばルール上は問題は無いのです。

しかし であるからといって、チームメイト(住民・市民)を置き去りにして 半ば勝手にゲームセットを宣言してイイものでしょうか?

そこにはチーム内の分裂と禍根しか残らない、いわば空(むな)しい試合結果に終わるのではないでしょうか。

そうならないためにも、ここは一旦「タイム!」を取って もう一度円陣を組み、本当にそれでイイのか選手(住民)全員でミーティングを行なったうえで 相手(市)に投げ返すボールを吟味すべきです。

いわゆる全員野球による取り組みによる試合結果ならまだしも、一部の監督・コーチの勝手な判断による強硬なゲームメイクには、選手(住民)はもとよりスタンドの観衆(多くの市民)もブーイングを送るばかりとなるのは必定です。

 

このこと(行政手続きにおける住民合意を 住民自治協議会や区長会の一部役員と交わし了とすること)は、今の市政運営における遍在化する課題ともなっています。

「住民合意」とは 何をもって了とすべきか、改めて その課題が浮き彫りにされています。

 

 

そして私は、今回の案件の〝もう一つの問題点〟を指摘せざるを得ないところです。

「歴代の担当職員たちが、何の問題意識も無く 課題をそのまま申し送っていたこと」であります。

青木島遊園地が設置されて18年・騒音問題も ほぼ同じ歴史を辿る中。

この間 おそらく複数回に亘る職員の異動が行なわれてきたことでしょう。

にも関わらず、一度(ひとたび)起こった苦情対応の稚拙なやり方は、職員が変わっても 何ら改善や工夫も行なわれることなく、そのままの状態(稚拙な対応策)で申し送られ、ただただ無為に年月を重ねることになってしまいました。

この間、途中で「これ(この対応)って おかしいんじゃないか。」と気づく職員はいなかったのでしょうか?

今回の稚拙な対応…百歩譲ってやむを得なかったとしても、途中 異動で着任した職員が「おかしい・ふさわしくない」と思って 改めて検討を行ない、事態の改善に向け早期に努力を重ねていれば、今のような泥沼決着(してませんが)には至らなかったのではないでしょうか。

で…これは非常に残念な予想ですが、所管となった歴代職員の中に 市の対応を「おかしい」と思った者がいても「前任がそうだったなら…」として 言うべきことも言わず、そのままを看過して勤務を続け 結果として事態を固着化することになってしまったのではないかとも思わされるところです。

このような 行政にありがちな〝悪しき前例踏襲〟が、今回の残念な経過の呼び水になってしまったのではないかと思うとき、残念というほか無いのが正直なところです。

 

そんな厳しい状況ではありますが、心ある地元住民は ひたすらに「子どもたちのため」を合言葉に、非常に純粋な心地に立って 青木島遊園地の存続を願い、地道な活動を展開されています。

そんな 純白なユニフォームで試合に臨む初出場チームが、試合巧者の常勝チームと どのような試合運びができるかは未知数でしかありませんが、いずれにしても 多くの声援(存続を願う世論)を背に全力を尽くしてもらいたい。

私も応援団の一員として「できること」を模索しながら、共々に歩んでゆきたいと思うところです。

 

 

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