Nintendo Switchの“Joy-Conドリフト”問題について、米国任天堂社長が初めて公にコメント。改善に向けて取り組む


次世代コンソールのPS5やXbox Series X|Sがローンチを迎える中でも、好調なセールスを維持するNintend Switch。一方で、そのコントローラーであるJoy-Conをめぐっては、いわゆる“Joy-Conドリフト”と呼ばれる問題を引きずっている。同問題について米国任天堂社長のDoug Bowser氏は12月17日、海外メディアPolygonとのインタビューの中で初めて言及した。

Joy-Conドリフトとは、プレイヤーがアナログスティックに触れていないにもかかわらず、勝手にスティック操作がおこなわれる以下の映像のような現象のこと。内部パーツの何らかの不具合が原因であると考えられ、ゲームプレイに支障をきたす。こうした現象はJoy-Con特有のものではないものの、報告例が相次いだことで、漂流を意味する言葉Driftと組み合わせて「Joy-Conドリフト」と名付けられた。

インタビューにて米国任天堂社長Doug Bowser氏は、まずすべての消費者がNintendo Switchにて素晴らしいゲーム体験をしてもらうことが第一であるとコメント。ハードやソフトに問題が生じた場合は、適切な解決策を素早く提供するとした。その上で、特にJoy-Conドリフトに関しては、交換や修理を必要とする消費者とは密に連絡を取り合っていると述べる。同時に、何がどのような理由で送られてきたのかを把握するため、修理現場の状況も注視しており、これらが問題を改善させる機会に繋がっているとした。

Joy-Conドリフトについては、任天堂代表取締役社⻑の古川俊太郎氏も今年6月の定時株主総会の場にて言及。「お客様にご迷惑をおかけしていることをお詫び申しあげます」と謝罪し、製品の改良については継続的に取り組んでいるとした。株主総会や決算発表会見などで発言の機会が多い古川氏に対して、Bowser氏は公の場に出ることは比較的少ない。今回のインタビューでは、米国任天堂としてもJoy-Conの改善に向けた取り組みをおこなっていることが明らかになった。

桜井政博氏・Doug Bowser氏


Joy-Conドリフトをめぐっては、製品の欠陥であり任天堂はこれを隠して販売したとして、米国などで集団訴訟に発展。これを受けてか、任天堂は米国内においては、Joy-Conドリフトに限っては保証期限を過ぎていても無償修理するよう方針転換した。それから約1年半が経ち、この間にはバッテリー持続時間が長くなったNintend Switchの新モデルや、Joy-Conの新カラーも発売されているが、問題は未だ解決されていない。任天堂の改善に向けた取り組みが早期に実を結ぶことを期待したい。