2020.07.31
28日の特集では川越高校演劇部のいまをお伝えしました。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため夏の高校野球やインターハイは相次いで中止になり、代わりとなる大会を開くなど競技ごと対応に追われています。
その中、この夏、高知県で開かれる予定だった“文化部のインターハイ”とも言われる全国高等学校総合文化祭はウェブ開催を決めています。
川越高校演劇部は2月に長野県で開催された関東大会で最優秀賞を受賞し、この「こうち総文」に出場する予定でした。
演劇部の助川部長も「みんな高知に行ってやりたかったのでweb開催が決まった時はちょっとショックだった。」と話しながらも「ウェブ上でも開催できたのは良かった。」とウェブ上での演目の公開に意欲を見せていました。
また、前・顧問で現在は外部コーチを務める阿部教諭も、ウェブ開催は「次善の策」としながらも、多くの人に見てもらえることに期待を込めていました。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い発令された緊急事態宣言が解除され、川越高校でも先月22日には通常登校が始まりましたが、演劇部は現在も県のガイドラインに沿って限られた時間や条件の中でのみ活動しています。
取材に行った日も、週末の活動は「土日のどちらかのみ、90分まで」。
感染予防として、活動の際の換気はもちろん、部活動の前後のアルコール消毒やマスクやフェイスシールドの着用、ソーシャルディスタンスとして互いに十分な距離を取るなどしっかりと対策をしていました。
しかし、約3カ月にわたる休校や舞台上で十分な距離を取れないことなど様々な理由から今年度は一度も生の舞台に触れていない部員たち。
また、それだけでなく、大会出品用の撮影も出来ないまま、大会への出品の期限は近づきます。
各地でイベントや大会が中止となる中、ウェブ上でも自分たちの舞台を見てもらえるならと、既に撮影していた2月の関東大会の記録用の映像や練習中の動画をつなぎ総文祭への出品用VTRを仕上げました。
今回は出品の際に本編の冒頭にオリジナルの動画を追加することが許可されています。
その動画は部員の一人、大里さんが編集を担当。
普段はわからない役者の中身まで知ってもらえればと、編集しました。
現在はミーティングや筋トレをしながら、校内向けの上映会などをする日々。
まだまだ本格的な演劇部の活動もできず、今後もしばらく舞台で演じる予定はないものの、
逆境を受け入れながら、多くの人に舞台を届けたいと話していました。
今回川越高校がWEB SOUBUNで公開するのは関東大会で最優秀賞を受賞した「いてふノ精蟲」です。
時は文明開化の真っ只中、明治25年。日本は「欧米に追いつき、追い越せ」とばかりに、西洋の進んだ知識や学問を貪欲に吸収していた。
創立から15年経った東京帝國大學の植物学研究室に、福井の旧制中学から一人の男が画工として赴任してきた。
彼—平瀬作五郎は、助教授の池野成一郎、助手の牧野富太郎らと出会い、ひょんなことから研究を始めることになる。
学内の権力争いに巻き込まれながらも、懸命に努力する三人の友情物語。
難しい内容ではあるものの、助川部長曰く、笑える部分も所々にちりばめられ、ラストは感動できる物語とのこと。
総文祭の特設ページ「WEB SOUBUN」はきょう31日からオープンし、10月末まで閲覧が可能です。
川越高校演劇部の「いてふノ精蟲」はこちらのページから見ることができますので、この機会にぜひ、ご覧ください♪