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【元保険マンが検証】販売停止級と噂の個人用節税保険「じぶんの積立」はどうなのか?

 

コギさん
明治安田生命のじぶんの積立ってどうなの?すごく良いと評判だけど。

 

このような疑問を解決します。

 

本記事の内容

  • ・販売停止級と噂の明治安田の「じぶんの積立」の仕組み
  • ・じぶんの積立のメリットとデメリット

 

本記事の信頼性

Twitter:@iwasadaiki

 

▼筆者の経歴

  • 元保険会社のファイナンシャルプランナー
  • 大手メディアなどで金融カテゴリーの記事を執筆。

 

本ブログ記事では、上記の経歴を持つ僕が明治安田生命の「じぶんの積立」を解説します。

 

▼本記事を読んだ先には…

  • じぶんの年金の良い点や悪い点が完全に把握できる
  • じぶんの年金を活用した年収別の具体的な節税額がわかる

 

ぜひ最後までお読みいただき、自分に合うのか確認していきましょう!

 

 

明治安田の[じぶんの積立]は販売停止レベルに良い商品?

 

 

明治安田のじぶんの積立は、一言で言うと保険という箱を使った節税用の貯金です。

 

正直、中身を見ると99%保険とはいえないのでw、金融庁もよくこれ認可したな…という内容です。

 

仕組みはカンタンです。

 

まず、1口5000円(最大4口)を5年間積み立てます。さらにそこから5年間据え置き、満期には103%になって返ってくるという仕組み。

 

 

利率自体は10年間で3%と大したことないのですが、生命保険料控除が使えて節税が効くのがポイント。

 

後述しますが、銀行に置いておくよりはお得な貯金方法です。

 

僕の知る限り、ソニー生命の変額年金と同じように「これ保険じゃなくね?」という点で、いつ販売停止になってもおかしくないかもという内容。

 

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じふんの積立のメリット

 

満期まで置いておくと3%増える

 

 

5年間払い込んで、その後5年置いておくと満期の10年後には3%増えて返ってきます。

 

10年でたったの3%ですが、銀行に置いておくよりかはマシですね。

 

 

税負担の軽減→節税額がいくらか試算した

 

 

この商品の最大のメリットは節税が効く点ですね。積立をすると、生命保険料控除が受けられて、年末調整で申請すれば、税金の負担が軽減します。

 

  • 所得税→多く払った分が還元される
  • 住民税→翌年分が負担軽減

 

じゃあ、実際どのくらい節税になるのって話ですが、年間で8万円以上積み立てた場合だと、給与収入と実際の軽減税額はこんな感じです。

 

▼給与年収ごとの軽減税額(1年間)

給与収入 軽減税額
300万円 4,800円
500万円 6,800円
700万円 10,800円

 

コギさん
これは悪くないね!

 

 

いつでも解約可能で解約返戻金が100%を割らない

 

 

これは一般の生命保険会社の商品としては新しいです。

 

基本的に保険は契約から数年間のうちに解約すると、支払った金額よりも返ってくる金額が少なくなります。

 

ちなみに「解約返戻金」というのは、解約したときに戻ってくるお金です。

 

保険会社がどんなに頑張ってコスト削減に取り組んでも、申込から給付までには事業としての経費がかかるので、この部分については太っ腹な対応かなと。

 

 

実は保険も付いている

 

 

実は、「災害死亡給付金」という保障が付いています。

 

▼災害死亡給付金とは?

  • 不慮の事故から180日以内に死亡した
  • 所定の特定感染症により死亡した

 

上記の場合に、すでに払った保険料の1.1倍の額が給付されます。

 

とはいえ、99.9%以上の確率で起こらないし、給付額も積立額の1.1倍なので、保険として金融庁に申請するための言い訳のような内容ですw

 

正直無視してもいいくらいのメリットですが、一応付いてますよってことで紹介します。

 

健康状態の告知が不要

 

 

健康状態の告知がなくても保険に加入できます。持病をお持ちの方も、持っていた方もOK!

 

じぶんの積立は、保険であって保険の機能は備えてないような商品なので、告知が必要ないんですね。

 

告知事項がある場合、既往歴や健康診断書を詳細に記入しないといけないため面倒です。その点ではめんどくさい手続きが一つ省けるという点でメリットです。

 

 

【契約前必読】じぶんの積立のデメリット

 

営業との面談が必須

 

 

自分も営業だった手前言うのもなんですが、営業との面談がめんどくさいんですよね、正直。

 

もちろん明治安田にも知識が豊富で、顧客目線の素晴らしい営業パーソンもいます。

 

(自分で言うのもなんですが、僕もそっち側だったはずw)

 

ただ、明治安田の保険内容が完璧ならまだいいのですが、基本的に提案されるのはあれもこれも詰まっているパッケージ商品。

 

なんとなく綺麗な商品名してたらだいたいそれですw

 

内容的には、無駄が多く本来不要な保障まで入らされることもあります。

 

実際に僕の仲良い友人の保険内容を確認した時は「独身でこれはいらんだろ…」という保険も入らされており、かなり印象が良くなかったのは覚えています。

 

営業マン的には、じぶんの年金では報酬は少ないので、生命保険に入ってほしいはずです。内容が良いなら問題ないですが…

 

使えるのは「一般」の生命保険料控除

 

生命保険料控除には3種類あります。

 

  1. 一般生命保険料控除
  2. 医療介護保険料控除
  3. 個人年金保険料控除

 

 

所得税の点では、それぞれ最大で8万円まで積み立てると4万円分が所得控除となります。

 

節税になるのは良いんですが、残念なのが一般生命保険料控除の対象なんですよね。

 

一般生命保険料控除は、なにかしらの生命保険に入ってたら枠を使い切っちゃってることも多いです。

 

なので、本当は個人年金保険料控除が適用できると一番良かったのですが、個人年金というわけでもないですからね。

 

自分の積立は、一般生命保険料控除の枠までで、全く保険に入ってない方向けって感じですね。

 

 

実際の節税額は小さい

 

 

生命保険料控除の範囲内で積み立てるとしたら、年間80,000円(月7,000円弱)がベストな積立額になります。

 

この場合、所得税の所得控除の額は40,000円住民税の所得控除の額が28,000円。

 

ただしこの金額が丸々節税になるのではなく、この40,000円や28,000円の×税率の分が節税になります。

 

例えば、平均的なサラリーマンの方だと大体税率は下記です。

 

  • 所得税:10%→40,000円×10%=4000円
  • 住民税:10%→28,000円×10%=2800円

 

つまり、合計で6,800円が節税になるわけです。

 

8万円積み立てて、6,800円の節税なら普通に銀行に置いておくよりも全然悪くはないですが、たくさん積立をしたい方にはちょっと少ないです。

 

インフレや為替の変動に弱い

 

 

円建てかつ運用して増えるわけではないので、為替の変動や物価の上昇には弱いです。

 

最近もガッツリ物価上昇してますが、1年前には150円だったお菓子が200円弱になってますよね。

 

ここは日本に住んでいる方はひしひしと感じているはず。

 

僕自身は数ヶ月前にヨーロッパに行ってきましたが、飛行機の燃油も今は爆上がりしてて、当時往復での2万円程度だったのに、今は12万円弱に。5倍以上に跳ね上がりました。

 

また、為替レートの影響も大きいです。

 

ドル円が1ドル110円程度でしたが今や145円。円の価値が爆下がりしています。

 

「日本に住んでるから米ドルとか関係ねーや。」て思われた方、気をつけてください。

 

めっちゃ関係あります。

 

日本円ではなく、米ドルで保有していた方なら今家計が苦しいなと思わなかったんですよ。

 

僕自身も資産の半分はドル(建て)ですが、数年前からこういう場合に備えて良かったなとひしひしと感じています。

 

だって、1ドル110円のときに110万円を米ドルに変えていたら1ドル145円で合計145万円になってますからね。

 

じぶんの積立で少し節税できたとしても、5年10年後に物の値段の方が上がってるので「それならドルで保有しておけばよかった」となることも想定されます。

 

 

1口5000円単位

 

この商品の微妙な点が、支払い金額をカスタマイズできないんですよね。

 

生命保険料控除を使っていない方は、枠いっぱいにするために、年間8万円支払うのがベストです。月に均すと6667円。約7000円ほどです。

 

それ以上積み立ててもメリットはほぼはないです。

 

なので5000円単位だと、最低額の5000円以外の選択肢がないんですよね。

 

1万円以上払っても差額の3000円分くらいは無意味に貯金してるようなものなので。

 

そうすると、必然的に節税額も減ります。契約する手間の割にあまり美味しくはないかなって感じです。

 

結論:「じぶんの積立」は銀行よりはマシだが難点も多い

 

 

「じぶんの積立」は一見すると良い商品に見えるのですが、難点も多く、やるとしても月5000円まででしょうね。

 

僕自身はやりませんが「資産運用は怖いけど、銀行に置いておくのはもったいない。」という方ならおすすめです。

 

同じように保険の枠組みで資産運用をするならソニー生命の変額年金のほうが、正直圧倒的に勝ちがあるなと断言できます。

 

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