昨日、タップ交換をする時、50代
の友人が「え?!見えるの?」と
言った。
タップ側面を桂剥きする時に、目
視で正確にサイドの面を切り出し
ていたからだ。ジッと見て集中し
て手元が狂わないようにして。
見えるのだ。細部まで克明に。
私は62歳になったが、老眼が出
ていない。この上の画像のシール
の文字は0.4ミリ程だが、これも
くっきりと見える。
私の場合、仮性近視だが、それは
外傷性によるものだ。近眼は仮の
ものだし、老眼にはなっていない。
いうならば、変な目。
数年前に病気になった時、視力
に異常が発生し、極度の遠視に
なった。室内がぼやけて見えな
い。室内のテレビさえも見えな
い。
だんだんとではなく、朝起きた
ら突然そうなっていた。
だが、300m先の新幹線の中の乗
客の顔が見えた。
眼科で専門検査をしたが、過去の
症例でも全国で2例程しか報告さ
れていない特異な例だったという。
原因不明。
やがて視力は1週間程で通常に戻
った。
そのある病気に罹患する以前から
老眼は出ていなかった。
そのある病気は完全に回復した。
これも異常で、主治医と副主治医
が学会に発表したいと言っていた。
「何をやったのですか?何をした
らそうなるのですか?」とも言っ
ていた。一級障害が確実視されて
いたからだ。
しかも、血液は、中学生の時のよ
うに綺麗になっていた。すべての
数値が。医師が言うには通常考え
られない現象が起きている、との
事だった。
私は何もしていない。
ただ、一日一日を「意志を以て」
自ら向かって祈っただけだ。
感謝して。
目が見える事で助かる事がある。
それは、ビリヤードキューのタッ
プ交換の時に細部が裸眼で確認
できる事だ。
それにより、技法が適切に駆使
できる。
同時にそれは、刃物の研ぎの時
に刃部の詳細状態が的確にその
まま見えるので確認できる。
だから、任意の研ぎが技法とし
て物理的に可能となる。
そして、一番の利点は、日本刀
が見える、という事だ。
日本刀の肌はまるで細かい木目
のようなものなのだが、それが
具に正確に捉えられる。
また、その鍛え肌と共に鋼の熱
変態現象の表出も細かく見える。
これは非常に助かる。日本刀が
「見える」とは、日本刀の作域
の如何が判別できて鑑定ができ
るという事=目利きができる事
を指すが、まずそれには鋼の変
態状態が如何なる様かが肉眼で
完全に識別できないとならない。
物理的な現出状態が刀身に出て
いるので、それをまず全て肉眼
で掌握するのだ。
これができないと、日本刀は目
利きの意味でも、物理的に現認
できる意味でも「見えて」来な
い。日本刀は目で見る事により
視ると観ると診るが可能となる。
この「刀が目視で確認できる」
というのは、日本刀鑑賞と鑑定
において非常に役に立つので、
とても助かっている。
10代の頃に見えるものと何ら
変わらないからだ。
神の差配に心から感謝している。