通学バスがあおり運転か 過去には中学生の車内放置も 泰阜村委託

 下伊那郡泰阜村のスクールバスが小中学生を乗せて村内を運行中にあおり運転のような行為をしていたことが27日分かった。関係者が本紙「声のチカラ」(コエチカ)に寄せた情報に基づき取材し、村と、村から運行委託を受けている同村の社団法人「振興センターやすおか」がそれぞれ認めた。同法人は、男性運転手(74)との契約を昨年12月31日付で打ち切った。

 村教育委員会によると、あおり運転のような行為があったのは昨年12月13日朝。男性運転手は児童と生徒計25人を乗せてバスを運行した際、追い抜かれた車を抜き返して停車した。バスを降り、車の運転手に対し「危ないじゃないか」などと怒鳴った。

 コエチカに情報を寄せた関係者によると、男性運転手はバスを急発進、急停車させ、乗っていた児童、生徒の中には「高速道路を走っているかのようにものすごい音で加速し、急ハンドルで怖かった」などと話す子もいるという。

 同法人は村民有志でつくり、男性運転手とは1年ごとに請負契約を結んでいた。村の指導を受け昨年12月21、25日に理事会を開催、契約打ち切りを決めた。年末年始には同法人代表理事らがスクールバスを利用する児童や生徒の保護者に直接謝罪したという。

 一方、関係者によると、同村のスクールバスを巡っては過去に、寝ていた中学生を車内に放置した事案もあった。村教委は取材に、こうした事案が21年6月に発生していたことも認めた。

 原田瑞穂教育長は「児童、生徒の安心安全を確保するため働きかけていきたい」。同法人は「お子さんを安全に事故なく学校や自宅に届けることが一番。今後こういったことが起きないよう細心の注意を図る」としている。

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