CAREER 03 機電系座談会
CAREER 03

機電系座談会

素材メーカーで活躍する機電系社員が、どのような仕事をしているのか。
もしかしたら皆さんはイメージがわかないかもしれません。
しかし実際の活躍の場は、製造プロセスの考案や工場の設計、プラントの運転やメンテナンスなど幅広く、
高品質な製品を安定的に生み出すために欠かせない役割を担っているのです。
ではAGCに入社した機電系社員は、何を思い、どんな仕事に手応えを感じているのか。
3名の機電系社員に本音を語ってもらいました。
PROFILE
  • 中森 寛人
    中森 寛人
    Hiroto Nakamori
    化学品カンパニー 施設センター
    計装システムグループ
    2009年入社/電子物理工学専攻修了
    化学プラントの建設や増改築における計装エンジニアリングを担当。プラントの心臓部といえる計装に携わっている。新プラント建設にも従事し、製造、電気、機械、土木・建築などさまざまな分野の技術者と協働する。
  • 橋本 直樹
    橋本 直樹
    Naoki Hashimoto
    オートモーティブカンパニー
    アジア事業本部
    新商品開発部商品開発センター
    2012年入社/電気電子工学専攻修了
    オートモーティブカンパニーで、自動車の窓ガラスに搭載されているラジオやテレビ用アンテナの設計・開発に携わる。営業担当とともに自動車メーカーの動向を調査し、最適なアンテナシステムの検討・提案も担う。
  • 伊藤 淳
    伊藤 淳
    Jun Itoh
    先端技術研究所 成形加工チーム
    2012年入社/機械航空工学科
    マイクロナノシステム工学専攻修了
    入社後、エンジニアリングセンター(現・生産技術部)で工場建設やライン設計を担当後、先端技術研究所発足と同時に異動。現在は成形加工チームに所属し、お客さまニーズに応じた各種プロジェクトでのプロセス開発を担当している。
※所属部署は取材当時のものです。
  • theme01

    さまざまなバックボーンを持つ
    機電系社員

    “私は一人じゃない”と思える環境
    中森
    最初は、学生時代の専攻について聞いていきたいな。伊藤さんは学生時代、どんなテーマを研究していたのですか?
    伊藤
    私はナノロボットを研究していました。
    中森
    ナノロボットって、医療に使われるもの?
    伊藤
    そうです。体内に入れて細胞の硬さを測ったり、細胞に針を刺して薬液を入れたりできる小さなロボットをつくっていました。
    中森
    医療系の道に進む人も多そうですが、AGCに興味を持ったのはなぜですか?
    伊藤
    私がいた研究室ではレーザを使っていたんですが、レーザに使われるガラスは特殊なもので、それを一つ取り寄せるだけでも、何ヵ月もかかりました。また、小さいものでも数百万円するものもありました。当時はガラスという素材への理解はほとんどなかったのですが、就職活動の時に、あらためて“単なるガラスが、どうしてこんなに高価なんだろう”と思ったんです。そこがガラスという素材に興味をもったきっかけですね。
    中森
    確かに、学生時代にイメージしていたガラス製品よりも、実際は遥かに奥深い世界ですよね。橋本さんの研究はどういった内容ですか?
    橋本
    私は半導体です。なかでもスピンを研究していました。スピンの流れを取り出して、新しいデバイスにどう生かすことができるのかということをテーマにしていました。中森さんはどのような研究をされていたんですか?
    中森
    僕がいた研究室では、いろいろなところでつくられた半導体を評価していたんだけど、その評価装置はすべてオリジナルでつくっていました。それが当時はすごく面白くて。ニーズに応じて装置を一からつくったり改造・改良することが、半導体そのものよりも自分にはすごく興味深かった。だから当時は漠然とだけど、こうした機械をつくる仕事に就けたらいいなと考えていました。
    伊藤
    私がガラスという素材に興味を持った頃、AGCの会社説明会があることを知って、聞きにいったらとにかく面白くて(笑)。印象的だったのは、人事担当者から「提案すれば、ウチは何でもやらせてくれるよ」と言われたことですね。事業領域や仕事内容の説明も、もちろん丁寧でしたが、それ以上に社風というか風通しの良さを感じました。
    橋本
    私も同じことを感じました。
    伊藤
    社風とともに印象に残っていることは、「AGCは、いわば装置産業だから機電系の活躍の場はいくらでもある」と聞かされたことです。それと機電系は採用人数が少ないので、必然的に少数精鋭だということ。その分一人ひとりへの期待値が高く、若手社員の頃からいろいろなことを任されるのだろうとワクワクしました。
    中森
    何社も会社説明会に参加すると、なんとなく会社の雰囲気がつかめてくるもの。固い感じの会社もあれば、逆にフランクな会社もあります。自分にとっては当時のAGCの会社説明会は、フランクさがズバ抜けていたというか。そんな雰囲気のなかで、世界シェアがトップレベルという話が出て、“高い世界シェアを持つ企業で働くエンジニアって、どういう人なんだろう”と素直に好奇心を持ったことが何よりの入社動機になった。二人と同様に、何をするかということよりも、“こんな働き方がしたい!”って思えたんです。
    橋本
    フランクさについては、私たちの代でもまったく同意見です。
    伊藤
    フランクさという社風の延長線上にあることだと思いますが、最近特に、チャレンジを推進する空気が生まれていると思います。「若手はもっと面白いアイデアを持ってこい!」と待ってくれている感じがしますね。これは機電系ということに限った話ではないですけど。
    橋本
    むしろ若手があおられているという感じです。
  • theme02

    高度な知見と経験をもとに、
    ガラス・化学製造の現場づくりを担う

    高度な知見と経験をもとに、ガラス・化学製造の現場づくりを担う
    中森
    伊藤さんがいる先端技術研究所は、2016年にできたばかりの新しい部署だね。伊藤さんは、そこでどんな仕事を担当しているんですか?
    伊藤
    私は先端技術研究所で、各プロジェクトに応じた製造プロセスの開発を担当しています。コストダウンが目的になるプロジェクトもあれば、新しい機能を付加したいという要望があるプロジェクトなど、さまざまなニーズに応じたプロセス開発をすることが、私の仕事になります。
    橋本
    私が担当している業務は、自動車の窓ガラスに搭載されているラジオやテレビ用アンテナの設計・開発です。家庭用のアンテナなら、電波が出ている方向に向けて設置すれば良いのですが、自動車は動きますから、どこを走っていても同じように電波を受信できなければなりません。
    中森
    自動車自体が、時代とともに大きく変化してきているだけに、いろいろな可能性が考えられますね。
    橋本
    今、窓ガラスに搭載されているアンテナは、テレビやラジオの受信用途がほとんどですが、電波を使ったリモートキーの用途も一般的になってきました。この先、まだ誰も考えつかないニーズが顕在化してくることは間違いありません。そういうチャンスを広げていくことが使命だと感じています。
    中森
    僕は化学品カンパニーのプラントエンジニアとして、新規プラントや増改築での計装エンジニアリングを担当しています。化学プラントには、至るところにセンサーが散りばめられていて、それを心臓部である集中管理室でモニタリングするわけだけど、一つの化学プラントには、多いところだと数千点に及ぶセンサーやバルブなどが配置されています。極端なことを言えば、計装が線を一本間違えただけでも場合によっては大爆発を引き起こしてしまう可能性がある。新入社員の時の上司にはいつも「慎重に、かつ緻密にやれ」と言われていました。だから仕事の醍醐味というよりは、責任感ですね。
    伊藤
    中森さんが仕事をする上で、心がけていることは何ですか?
    中森
    化学プラントを実際に運転したり、メンテナンスしているのは、自分ではなく現場の技能職の方々です。だからその人たちにとって、いかに使い勝手が良い設計にするかということを僕は大切にしています。時間がない案件だと、現場の細かい情報を設計に反映させていくことは大変だけど、そこを怠ってしまうと確実に使い勝手の悪いプラントになってしまう。そうしないためにも、いろいろな人の意見を聞くことを大切にしているという感じですね。我々機電系社員は、ガラスという素材そのものよりも、ガラスを製造する環境づくりを担うわけだから、素材そのものに特化したエンジニアよりも俯瞰した視点から見ているのかもしれないです。
  • theme03

    機電系社員が考える、将来ビジョン

    機電系社員が考える、将来ビジョン
    中森
    まだ社内では若手社員だけど、今現在、みんなは将来についてどんなビジョンを持っていますか?
    伊藤
    私は、入社してから二刀流人財ということを意識するようになりました。入社以来、エンジニアとしてプラント建設、プロセス開発に関わっていますが、エンジニアとしての仕事ばかりではなく、いずれは事業開発など事務系の仕事にも携わりたいと思っています。
    中森
    橋本さんは?
    橋本
    私は就職活動の時から、海外で働くことを目標の一つにしていました。だからいつかは実現したいですね。今までアメリカに二回、ヨーロッパに一回、海外出張の機会はありましたが、その都度、出張ではなく海外赴任がしたいと思いました。できるだけ早く行きたいですね。
    中森
    なるほどね。僕には二つのビジョンがあって、一つは世界で通用するエンジニアになるということ。世の中のグローバルスタンダードを正しく理解した上で、AGCとしてのノウハウをさらに付加して設計ができるエンジニアになりたい。それともう一つは、エンジニアリングチームの強化。仮に自分のみが強いエンジニアになったとしても、一人でできることには限界があるし、何より仕事はチームで動いている。海外での経験を国内に持ち帰って、情報やノウハウを共有して、個だけでなく、エンジニア集団として強くなりたい。そして組織としてパワーアップしたい。この二つの実現が、この先の自分の夢であり目標だと思っている。そのためには、まだまだ勉強しなければならないことがたくさんありますけど。
    橋本
    同感です。
    伊藤
    私も頑張ります。
    中森
    この機電系座談会を読んで、AGCを志す学生が増えたら嬉しいですね。
今後、ますます女性も活躍できる環境に