2023-01-25

ニュージーランド首相産休をしっかりととっていない

今年2月の辞任を発表したニュージーランド首相のジャシンダ・アーダーンだが、ここに来て彼女を褒め称えるような記事が目につくようになった。どの記事も言いたいのは「彼女は素晴らしい首相でした、産休をとったから!」という感じで産休をとったから!にはこの他にクライストチャーチの感動的なスピーチ銃器規制強化、ロックダウンが挙げられることが多いが銃の規制強化とロックダウンはジャシンダ・アーダーンだからこそできた決断というわけではないので段々とフェードアウトしているようにも見える。

結局彼女の功績は若き女性首相若いというのをつけないと女性としては三人目なので若い必須なのだが、であり、かつ、6週間の産休をとったというものが「彼女ならではのもの」となるだろう。

クライストチャーチでのスピーチは、単に感動的だったと言うだけのものから記録はされるが記憶には残らないだろう。

ではこの産休を取得したという話したが、大体時系列に書くと以下のようになる。細かい日付は違うかもしれない。

仮に妊娠から出産までを10ヶ月程度と考えるなら、2017年8月半ばに妊娠しているということになるので、妊娠の最も不安定な時期に選挙活動をしていたことになる。また、当初ウィンストンピータースは連立政権を組むつもりはなかったと明言しているが、後に連立政権合意したという事実もある。

https://www.newshub.co.nz/home/politics/2022/11/nz-first-leader-winston-peters-rules-out-coalition-with-labour.html

陰謀論的に言うならば、ウィンストンピータースを副首相にし、ジャシンダ・アーダーンを首相にすれば、産休の間首相代行の実現が確約されるということでもあるために、それを最終的な条件として連立政権を組むことにしたのではないかと私は勘ぐっている。

NZファーストは当時はキングメーカー、つまりレイバーナショナルのどちらと連立するかで与党が決定するという非常に美味しい立ち位置を手に入れたが、どのみち与党になることは確定しているなからレイバーを選ぶ要素はこれが一番美味しかたからかもしれない。

さて、そういうわけで妊娠の極初期という最も不安定な時期に選挙活動に参加し、体が感染症などに対して非常に脆弱になるこの時期にわざわざ首相になったのだが、多くの妊婦とそのパートナーは、妊娠してから出産まで非常に慎重になることが求められているが、果たして彼女のやったことは女性ロールモデルになるのだろうかという疑問はある。

次に、彼女の6週間という産休だが、日本人にとっては「そんなにとったの」と驚くべき期間だろうか?ニュージーランドで言うならば「それっぽちでいいの?」というのが率直な感想だ。

ニュージーランドではそもそも産休一般的に取られているが、実は男性が取りにくいという現実もある。男性産休を取ることはあるが基本的には出産直後に一月程度取ることが多いようだ。特にソースがあるわけではないが、多くの男性産休を取りにくいとぼやいているのは空気感として知っている。むしろ男性の育休取得は日本の方が進んでいる可能性すらある。

女性は一体どのくらい産休を取るのかと言うと、1年間取得する。誰も文句を言わないばかりか、政府もっと手厚くすべきだと文句を言う人もいるため、1年間の産休取得は「当然のこと」として考えられている。

そのため、6週間しか取らないで公務に復帰したジャシンダ・アーダーンはむしろ産休をしっかりとっていない女性ということになる。

なんで6週間で済んだかといえば、夫が専業主夫からだろう。子供の面倒を夫に任せて置くことができるから産休も短くて住む。

まりジャシンダ・アーダーンを女性ロールモデルとして考えるならば、大黒柱として家族を養い、子供を生んでもパートナー育児を任せてとっとと働きに戻る、ということになるのだが、これが本当に女性が見習うべきロールモデルなのかは私にはわからない。

ただここで言いたいのは彼女産休取得ははっきり言えば美談でもなんでもなく、大いに政治的に本人も活用したのではないかと私は疑っている。

妊娠出産真剣に捉えるならば、選挙活動などしないで自身活動スローダウンしていき、出産補欠選挙などに出馬議会復帰(もしくは次の選挙まで待つ)というのが理想的なのではないかと思うのだが、実際のところどうなのかというのは現代における女性を取り巻く様々な難しさも絡んでくるので「こうすべきだ」などという話はするつもりもないが、かつて彼女がやったことは子供を生む、という点で見るならば非常に無茶なことに見える。

ニュージーランドでは日本とは若干毛色は異なるが、チームワークを重視する。その中で割と嫌われるのは周囲に影響を及ぼすレベル分別のない行動をすることだ。

身重な状態選挙に出るなんて言うのはおそらく本来であれば受け入れられないが、これが受け入れられた背景にはレイバー政党彼女の状況を政治的活用しようという思惑があったのかもしれないが、そうやって陰謀論的に考えると空恐ろしい気持ちになる。

ところで、前回の記事結構ブクマがついたのでいくつか反応してみることにした。

まず、批判が来ていたが、そもそも大嫌いだから書いているので、その認識で良い。

次にニューじゃないジーランドオランダにある。ニュージーランドオランダ探検家スマンによって発見され、そのときに彼がジーランドにちなんで名付けた。タスマンつながりで言うならば、オーストラリアニュージーランドの間の海はタスマン海だ。

https://www.newzealandnow.govt.nz/live-in-new-zealand/history-government/a-brief-history

彼女が一体何をしたのかというのもあったが、6年間でやったことは大量にある、流石に上手なスピーチで人々を手玉に取っただけではないが、結果どうなったか犯罪件数と国際残高が3倍近くになったなど他にも色々あるが、Noteにまとめている。

https://note.com/nzmasuda/n/n1a034f2fb70c

いずれにせよ、私から見えるジャシンダ・アーダーンは大した適正があるわけでもないのにその時妊娠していたがゆえに連立政権を組むための手土産にされたのではないか、本人が望んだ可能性もあるが、それは極左として国を牛耳りたいという思惑もあったかもしれないが、そういう目線で見るならば、自分の娘すらも政治の道具に使ってしまうかなり怖い女性に見えるので、もうこのくらいにしておきたいが、彼女産休取得は美談にするべきではないと考えている。

そういうわけでニュージーランドに来ることはおすすめしない。

  • NZ増田絶好調だな

  • ここまで来るともう色眼鏡

  • 話聞いてるとアーダーン首相って安倍晋三みたいだな。 海外から評価されてるけど国内からはいろいろ言われてるみたいな。 表向きリベラル的でナショナリズムを煽るところもそっくり...

  • しゃあっ!NZ・増田!!

  • NZ増田くんのnoteアイコンアニメのロゴみたいで好きよ

  • NZにもアーダーン首相にも興味はないのでお門違いかもしれないが、妊娠周りについて気になる記述が多いなと思った 2017年8月半ばに妊娠しているということになるので、妊娠の最も不...

    • 多くの妊婦とそのパートナーは、妊娠してから出産まで非常に慎重になることが求められている 誰に? 生まれてくる子供を親と別の個人と考えて守ろうと考える社会に

  • よく研究されていて感動しました。

  • 本人もそのつもりだろう。「イカれた人を眺めて楽しむ」コンテンツであり、さすがにNZ増田の主張すべてを真に受けてる人はいないと思いたい

  • めちゃめちゃ間違ってて腹立ったから訂正するわ。 増田の考え方は日本の基準に染まっている。それを無理やりニュージーランドに当てはめてるのがそもそも大きな間違い。 「育児休暇...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん