広島「推し」の映画が続々 河本清順のシネマチ通信

シネマ尾道支配人
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■河本清順のシネマチ通信

 最近、映画ファンの間で、広島が注目されているのをご存じでしょうか。

 シネマ尾道では今週、広島関連の「推し」映画を3作品上映しています。共に広島出身の宮川博至監督「とべない風船」と淺雄望監督「ミューズは溺れない」、そして尾道ロケ映画「左様(さよう)なら今晩は」です。

 「とべない風船」はオール広島ロケで、宮川監督の長編1作品目となります。主演は東出昌大さん。3月に米アカデミー賞国際長編映画賞を獲得し、3分の2が広島で撮影された「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子さんらが出演しています。2018年の西日本豪雨災害を背景に、呉市、江田島市などで撮影された、瀬戸内の風景が美しいヒューマンドラマです。

 映画監督の大多数が東京を拠点に活動する中、宮川さんは広島に住んで活躍しているのも推しどころなのです。先月末には同作をロケ地から盛り上げようと、クラウドファンディング支援者限定イベントとして、宮川監督や出演者の東出さん、笠原秀幸さんをゲストに迎え、尾道で特別上映会と演劇ワークショップが開催されました。

 そして、もう一人の「推し」である淺雄監督。若手監督の登竜門とされる東京都多摩市で開かれる「TAMA NEW WAVE」と、和歌山県田辺市の「田辺・弁慶映画祭」の二つの映画祭で21年にグランプリに輝く快挙を成し遂げ、映画業界に彗星(すいせい)のように現れた新鋭です。

 広島が生んだ才能あふれる監督たちを、これからも地元の劇場から推し続けたいと思います。

 「とべない風船」と「ミューズは溺れない」は30日まで、「左様なら今晩は」は年明け1月6日まで公開中です。ぜひこの機会にご覧ください。

 今年1年、ありがとうございました。どうかよいお年をお迎えください。(シネマ尾道支配人)

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