水道管が凍結した時の正しい溶かし方|凍結の対処法・予防法をプロが徹底解説!
冬になり気温が下がってくると、水道が凍結してしまった!
なんていう事も、珍しくはありませんよね。
『この記事では、水道が凍結してしまった際の対処法や凍結予防法をまとめました。』
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水道管は何度から凍結する?
12月〜2月にかけて気温が氷点下4度以下になると、水道管の凍結が発生しやすくなります。
凍結といえば北海道や東北などの寒冷地で発生するイメージを持っている方も少なくないと思いますが、九州地方などでも寒波の影響で水道が凍結する事も。
気温がマイナス4度以上あった場合でも、水道管が日陰や北側に設置されていると凍結してしまう恐れがあります。
また、保温材が剥がれ水道管が剥き出しになっている場合も、凍結しやすくなってしまうため注意が必要です。
『山間部や強風が吹く事が多い地域でも、凍結しやすい環境になります。』
凍結した時の症状
水道が凍結した場合、下記のような症状が現れます。
水が出ない
水道管が凍った状態になると、当然蛇口をひねっても水が出ない。もしくは、正常時より少ない量しか出てこないという症状が現れます。
お湯だけが出ない
水道から水は出るけど、お湯だけが全く出ない!という症状が現れるケースがあります。
これは、給湯器の給水管や内部が凍結してしまっている可能性大。
トイレが流せない
トイレの給水管・排水管が凍結すると、トイレが流せなくなってしまいます。
給水管が凍ってしまった場合タンクに給水されないため、レバーを回しても水が便器内に流れてきません。
また、排水管が凍ってしまった場合は、排泄物などが流れていかずトイレつまりに似た症状が出てしまいます。
洗濯機が使えない
水を扱う洗濯機も当然凍結してしまう事があります。
室内置きではなく外置きの洗濯機は特に凍結してしまうリスクが高く、給水管、給水ホース、排水ホースが凍ると、洗濯機にエラーが表示され洗濯ができなくなってしまいます。
『寒波などの影響で気温が下がった日などに、上記の症状が現れた場合は凍結を疑いましょう。』
水道が凍結した時の対処法
水は生活に欠かせない存在のため、凍結で使えなくなってしまうととても困ってしまいますよね。
自分でなんとかしたい!という場合は、下記の方法を試してみてください。
自然解凍
お昼過ぎくらいまでは水を使えなくても差し支えない場合は、放置して自然解凍させるのがオススメ。
室内を暖房で温めたり、日中になり外気温が上がると、凍結した部分も自然と溶け水が使用できるようになるケースもあります。
あまりにも外気温が低かったり、天気が悪い場合は1日で溶けきれない事もありますので要注意。
しかし、自然解凍は徐々に氷が溶けていくため、水道管や蛇口などへの負担が少なくオススメの対処法となります。
凍結した箇所を温める
早く解凍したい場合は、凍結した箇所を温めるのが有効。
・陽が当たらない場所などにある水道管
・給湯器の給水管
・蛇口周辺
など、凍結が疑われる箇所にタオルを巻き、その上からぬるま湯をかけたり、カイロを巻きつける、ドライヤーの温風を当てる。
といった方法で温めていきます。
お湯を使用する場合は、必ずぬるま湯を使用。
また、ドライヤーの温風を当てる場合は温度が高くなってしまわないよう注意しながら行ってください。
注意ポイント
配管部分や蛇口などに熱湯や熱風をかけると、変形したり破損してしまう恐れがありますので要注意。
ちなみに、私の自宅で凍結が発生した際は、凍結箇所を濡らしたくなかったのとカイロが自宅に無かったため、スーパーの袋にぬるま湯を入れ袋を2重にし、凍結した箇所に数個置いて周囲を温め解凍しました。
(水道屋の自宅だって凍結する時はするのです…トホホ…)
また、可能であれば、1番気温が高くなる14時〜15時頃に解凍作業を行うのがベスト。
凍結してしまったトイレの流し方
トイレで凍結が発生した場合、凍結している箇所によって対処法が異なります。
給水管
気温がマイナス4度を下回るなど寒さが厳しい日に、トイレのレバーを回してもタンク内に給水されない場合は、給水管が凍結している可能性大。
給水管の凍結が疑われる場合は、トイレ内を暖めて自然解凍するのを待ってみてください。
早急にトイレを使用したい場合は、給水管にタオルを巻いてぬるま湯をかける。
(床にバケツなどを置いて、水浸しにならないよう対策をした上で行ってください。)
または、カイロを当てる、ドライヤーの温風を少しずつ当ててみるのも有効です。
ウォシュレットの水
ウォシュレット(温水洗浄便座)が凍結し水が出てこなくなってしまった場合は、トイレ内を暖め自然解凍を促していきます。
こちらも早く解凍させたい場合は、給水ホース部分や給水接続部を温め解凍を行ってください。
注意ポイント
凍結により内部が破裂している場合、解凍すると洗浄水が噴出してくる恐れがありますので、その際には止水栓や水抜き栓を閉めるなどの対処を行ってください。
排水管
冷え込みが厳しい日に便器内の水(封水)は凍っていないけど、排泄物を流しても流れていかない…
という場合は、排水管が凍っている事が考えられます。
このような際は、便器内にゆっくりぬるま湯を注いで解凍を促していきます。
一度に大量に注ぐと汚水が溢れてしまう恐れもありますので、少しずつ様子を見ながら行うようにしてください。
注意ポイント
熱湯を注ぐと陶器製の便器を破損させてしまう恐れがあります。最悪割れてしまうケースもありますので、早く解凍したいからといって熱湯を注がないようにしてください。
40〜50度前後のぬるま湯を注ぐのがオススメです。
新しく設置したばかりのトイレが、凍結により破損したり故障してしまった場合、”保証期間内なら修理してもらえるよね?”と思うかもしれませんが、メーカーによっては凍結による破損は保証外になっている事も。
◎ 凍結による破損は保証期間内でも有料修理となります。
凍結のおそれがある場合は、トイレ内は暖房などをして周囲の温度が凍結予防
限界温度以下にならないようにしてください。引用元:COM-ET(TOTO)
保証内容についての詳細については、ご購入された販売店やメーカーなどにお問い合わせください。
洗濯機
洗濯機で凍結が発生した場合、基本的に解凍法は水道管などと同様です。
凍結箇所が特定できたら、タオル+ぬるま湯、カイロ、ドライヤーなどで解凍を促していきましょう。
・給水ホース
・排水ホース
・水道管
・洗濯機本体
洗濯機では、上記の4箇所のいずれか(複数箇所凍結するケースもあります。)で凍結が発生している可能性大。
給水ホースや排水ホースが凍結している場合、凍った状態でむやみやたらに触って曲げたりしてしまうと亀裂が入ったり破損する恐れがありますので、あまり触らないようにしておきましょう。
洗濯機本体が凍結した場合は、洗濯機内に40度前後のぬるま湯を2〜4リットル注ぎ込み30分ほど放置し解凍を促していきます。
『凍結箇所を解凍する際は、基本的にぬるま湯などでじわじわと溶かしていくようにしてくださいね。』
凍結で水道管が破裂したら?
凍結によって、水道管が破裂してしまった!という話題を耳にした事がある方も少なくはないかと思います。
水は液体ですが、凍って固体になると体積が増加するという性質を持っています。
そのため、水道管、排水管、給水ホースなどが凍結すると、中の体積が増加し破裂してしまうという症状が発生。
水道管が凍結により破裂すると、解凍とともに当然破裂箇所からは水が漏れる、あるいは水が噴出するという状態になってしまいます。
自宅の水道管が破裂してしまったら慌ててしまうかと思いますが、まずは落ち着いて必要な水を鍋、ヤカン、ポリタンクなどに確保。
そして、水道メーター内にある元栓(リングバルブ)を閉めてから、戸建てにお住まいの場合は水道業者に修理の依頼をしてください。
集合住宅や賃貸住宅にお住まいの場合は、元栓を閉めた上で管理会社に連絡し対処法など詳細についてお尋ねください。
止水栓を閉めても水が止まらない場合は、破損箇所にタオルやビニールテープなどを巻き付けて応急処置をした上で、水道業者の到着を待つのがオススメ。
また、道路上の配水管から水道メーターボックスまでの間に設置されている水道管が破裂してしまった場合は、水道局の管轄になりますので、お住まいの地域の水道局にご連絡ください。
火災保険は使える?
凍結により水道管が破裂してしまった場合、修理費用を火災保険でまかなえるケースがあります。
契約しているプランや特約、保険会社によっても異なりますが、【破損・汚損保証】や【水漏れ損害補償】で対応して貰える事も。
水道管破裂で水道管の修理や、水道管破裂による水漏れでの被害があった際には、契約されている保険会社にご確認ください。
『凍結により水道管が破裂してしまった場合は、慌てず早めに対処するようにしましょう。』
水道管凍結の予防法
ここまで水道管が凍結した際の対処法についてご紹介してきましたが、できれば最初から凍結しないようにしたいですよね。
この章では、凍結を予防する方法についてご紹介していきます。
翌日の朝に冷え込みが厳しくなる予報が出ている際などに、試してみてください。
一晩中水を出し続けておく
就寝前に蛇口の水を細く出し続けておくと、凍結しづらくなるためオススメです。
出し続けておいた水は、バケツやポリタンクなどに溜めておいて洗濯などにご利用ください。
水道管を保温する
屋外水栓など水道管が露出している箇所は、水道管や蛇口を保温し冷気が直接触れないようにするのがオススメ。
水道管部分には、こちらの動画のように保温材などを巻き付けます。
保温材は、ホームセンターやネットショップでも購入可能。
保温材を巻き付けた後は、隙間ができないようビニールテープでしっかりと巻き付けてくださいね。
保温材をすぐに入手する事が難しかったり、わざわざ購入するのに抵抗があるという場合は、不要な服やタオル、毛布などを巻き付けておきましょう。
また、蛇口部分はタオルや不要な布などでしっかりと覆ってその上からビニール袋をかぶせ、冷気が直接触れないようにする事で凍結防止になります。
立水栓などの場合は、上記の対策にプラスして、上からすっぽりとダンボールをかぶせておくとさらに◎
水を抜いておく
凍結防止で最も有効なのが、水を抜いておく事。
北海道や東北地方などの寒冷地では、水抜き栓(不凍栓)が設置されている事がほとんど。
そのため、こちらの動画のような手順で水抜き作業を行っておけば、水道管凍結のリスクを下げる事が可能となります。
しかし、寒冷地以外の地域では水抜き栓が設置されていない事がほとんどです。
そのような場合は、先述した保温作業を施した上で、水を抜ける箇所は極力抜くようにしておくと安心です。
洗濯機(特に外置きの場合)は、蛇口を閉め給水ホースを外してホース内に残っている水を抜いておきましょう。
そして、排水ホースを優しく持ち上げるなどして、排水ホース内に残っている水も抜くようにしておくと安心です。
また、見落としてしまいがちなのが給湯器。
給湯器も屋外に設置されているため、凍結してしまう事は決して珍しい事ではありません。
給湯器には水抜き栓が設置されていますので、ご使用になられている給湯器の説明書やHPをご覧になって、水抜き作業や凍結防止作業を行うようにしてください。
凍結防止ヒーター
保温材を巻いてもあまり効果を得られない…
毎年、同じ箇所が凍結してしまう…
といった場合は、凍結防止ヒーターがオススメ。
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凍結防止ヒーターは、ネットショップでも購入可能。
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屋外水栓など凍結しやすい箇所に巻き付け、ヒーターで温める事で凍結を防止。
水道管の温度を感知しON/OFFできるタイプの物がほとんどで、凍りそうになると通電が開始されます。
不凍液
トイレの封水や各水回りの排水トラップなど、排水回りの凍結防止に有効なのが、不凍液です。
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不凍液を注いでおく事で、封水や排水トラップに溜まっている水が凍結せず正常に排水を行える状態をキープできます。
注意ポイント
トイレや水回りには、必ず”住宅用”の不凍液を使用するようにしてください。
車用の不凍液には、下水に流す事が禁止されているエチレングリコールが含まれているため、トイレなどには絶対に流さないようにしてください。
『凍結により水道管が破裂してしまった場合は、慌てず早めに対処するようにしましょう。』
まとめ
凍結により水が使えなくなってしまうと、とても不便ですよね。
寒冷地以外の地域にお住まいの方も、寒波が来た時だけでもしっかりと凍結対策をしておくと安心ですよ。
万が一凍結してしまった際も、この記事を参考に慌てずに対処していただければと思います。
また、水道管が破裂してしまった場合は、専門業者にすぐにご相談ください。