三霊山協定 3県締結 富士山/立山(富山)/白山(石川)文化や経済、交流発信

2023.1.23

 「日本三霊山」を抱く静岡、富山、石川の3県で連携する「三霊山連携協定」の締結式が22日、富士山を望む静岡市清水区の日本平で開かれ、3県知事が協定書を交わした。知事らは歴史・文化を生かした交流促進と魅力発信を確認し、三霊山の関係自治体にも連携への参画を呼びかける方針を申し合わせた。

三霊山連携協定を締結した3県知事と立会人の森喜朗元首相(右から2人目)=22日午前、静岡市清水区
三霊山連携協定を締結した3県知事と立会人の森喜朗元首相(右から2人目)=22日午前、静岡市清水区
日本三霊山と、協定を結んだ3県
日本三霊山と、協定を結んだ3県
三霊山連携協定を締結した3県知事と立会人の森喜朗元首相(右から2人目)=22日午前、静岡市清水区
日本三霊山と、協定を結んだ3県

 協定締結の端緒は、「越中で立山 加賀では白山 駿河の富士山 三国一だよ」と歌詞の一節に三霊山が登場する富山県民謡「越中おわら節」。古くから人々の信仰の対象となってきた富士山、立山、白山が立地する3県は、文化・芸術、スポーツ、経済・観光などの分野で協力し、地域振興に役立てる。今後、具体的な連携事業の展開を目指す。
 締結式で、静岡県の川勝平太知事は「自然への畏敬の念が大切。長い歴史を持つ三霊山を、21世紀型で将来につなぐ出発の日になった」と意義を語り、学術シンポジウムの開催や、富山湾と駿河湾、能登半島と伊豆半島の連携に意欲を見せた。
 石川県の馳浩知事は「観光商品開発や、郷土の歴史を伝える教育を進める。生活にとけ込んだ山の恵みにスポットライトを当てたい」と述べ、周辺県も巻き込む考えを示した。富山県の新田八朗知事はおわら節で舞う同県を代表する祭り「おわら風の盆」に触れ、「歌を縁にした連携にわくわくする」と取り組みの全国発信を期待した。川勝、馳の両知事が9月のおわら風の盆に合わせて富山県を訪問することで一致した。
 同協定の発案者で立会人として締結を見届けた森喜朗元首相は「86年の人生で最後の感激を得た。富士山を中心にした3県が一緒になって日本の文化を継承し、世界に貢献してほしい」と祝った。

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