石川、富山、静岡3県は22日、白山、立山、富士山の「日本三霊山」をテーマに連携協定を締結した。静岡市の日本平ホテルで締結式が行われ、馳浩石川、新田八朗富山、川勝平太静岡の3知事が協定書を交わした。古代から信仰の対象として崇拝されてきた霊峰を切り口に、ふるさと教育や文化観光などで幅広く連携する。
協定は、傑出した山容を誇る白山、立山、富士山の歴史的・文化的価値を生かし、3県の振興と交流拡大を図ることを目的とする。文化・学術、スポーツ、経済・観光と多岐にわたる連携を盛り込んだ。3県の連携を提案した森喜朗元首相が立会人を務めた。
馳氏は新年度に想定される連携事業として、三霊山の歴史を学ぶシンポジウムや写真展、スタンプラリーを挙げた。全国のライダーが羽咋市千里浜海岸を目指す「サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー(SSTR)」(北國新聞社後援)を「三霊山バージョン」で開催したいとした。
ふるさと教育にも意欲を示し「石川や富山、静岡の子どもたちが地域の歴史を知り、ふるさとに関心を寄せてもらえたらうれしい」と述べた。
●3県以外も拡大
白山は福井県と岐阜県に、富士山は山梨県にまたがり、立山黒部アルペンルートは長野県に通じるため、今後は石川、富山、静岡の3県以外にも連携の拡大を目指す。3知事は9月に富山市八尾町で行われる「越中おわら風の盆」で、歌詞に三霊山が登場する民謡「越中おわら節」を鑑賞することも申し合わせた。
三霊山の連携を巡っては、昨年6月の中部圏知事会議で3知事が顔を合わせた際に話題になり、翌7月に奈良市で開かれた全国知事会議で合意していた。締結式に先立ち、3知事は日本平ホテルに近接する展望台「日本平夢テラス」を視察した。