3.露軍攻撃ヘリの対戦車戦闘の現状
露軍は侵攻当初、戦闘機・攻撃機と攻撃ヘリの両方で、重要都市や軍事拠点(空港や防空兵器)を叩いて、友軍の地上軍の快進撃を掩護するはずであった。
最初の総攻撃の2週間、第2回目の総攻撃の4週間目には、戦闘機等および攻撃ヘリが地上軍の進撃を支援して、地上軍は、北部・東部・南部で進展できた。
だが、攻撃ヘリを含むヘリは最初の2週間で約80機、4週間目で約40機、最初の1か月に120機の損失を出した。
保有数の約15%、投入数の約20%であった。
露軍のヘリ保有数は823機だ。攻撃ヘリは約400機なので、全数の約50%である。
攻撃ヘリは前線で攻撃に介入し、1か月で120機の半数の60機あるいはそれ以上が撃破破壊されたと考えられる。
10か月で、ヘリ総数の267機が撃墜破壊されているので、攻撃ヘリはその半数の約130あるいはこれ以上の数量が撃墜破壊されたであろう。
たった1か月間でこれだけの損失が出たのは、大きなダメージである。
そして、ウ軍の防空兵器特に、携帯SAMが至る所に展開しているため、攻撃ヘリによる攻撃では成果は出ないし損害も大きいので、2か月目以降は、積極的にウクライナ領域に侵入して攻撃することができなくなった。
つまり、地上軍の作戦を緊密に支援できていないのだ。
露軍ヘリの損失:左が週毎、右は月毎