2.露軍の攻撃ヘリ数量と戦闘能力
「ミリタリーバランス2021」によると、ウ地上軍の攻撃ヘリ保有数は35機で、露地上軍(海軍のヘリはほとんど参戦していないので除く)は、394機である。
露軍の機数はウ軍の約10倍以上だ。
その種類と数量は、「Ka-52」×127機、「Mi-24」×100機、「Mi-28」×103機、「Mi-35」×64機だ。
また、露軍は、ウ軍のMi-24よりも新型であるKa-52、Mi-28を230機保有している。露軍とウ軍の攻撃ヘリを比較すれば、露軍が圧倒的に有利だ。
露軍の攻撃ヘリ約400機をすべて展開して、1機で7両の戦車を撃破できるとすれば、2800両の戦車を撃破できる計算になる。
露軍は、欧州からモスクワまでの大平原では、突進してくるNATO(北大西洋条約機構)の戦車軍団を撃破するには最適の兵器であると考えていたはずだ。
攻撃ヘリは、広大な平原を素早く飛行して、射撃の位置を変え、ミサイルとロケットを撃ち尽くせば、補給地まで飛行して戻って補充すればよい。
そして、何度も攻撃に加入できる。
戦車は砲弾を撃ち尽くし、燃料がなくなれば、砲弾や燃料が来るまでそこで停止せざるを得ない。
弾もなく停止していれば敵に破壊されてしまう。攻撃ヘリには、この欠点はない。
そのため、露地上軍のキーウ攻略作戦では、攻撃ヘリが大活躍すると考えていた。
しかし、実はウ軍のスティンガー携帯地対空ミサイル(携帯SAM)に撃破され、その行動は止められてしまった。
露軍は、戦車軍団を撃破するために、多額の予算を投入して攻撃ヘリを生産し、保有してきたはずである。