英語でIT人材育成 さぬきの小学校跡地に教育施設に5月開設
香川県さぬき市は12日、旧神前(かんざき)小学校(同市寒川町)の跡地と校舎などを、カンボジアのキリロム工科大学の関連会社「キリロム・ジャパン」(東京都渋谷区)に貸与する契約を締結した。同社は英語で最先端のデジタル人材を育成する教育施設を5月に開設し、同大学の日本校となることも目指すという。
同市出身で同大学の学長も務める猪塚(いづか)武さんによると、施設名は「さぬきピアラーニングハブ」。2019年に閉校となった旧神前小の建物を無償で、土地は有償(25年度までは無償)で、市から貸与を受ける。これらを数千万円かけて改修し、校舎には食堂など、体育館にはイベントスペース兼コワーキングスペース、グラウンドには駐車場・駐輪場とフットサルコートを設ける。
同社は施設で学ぶ人材を募る。同大学の学生・大学院生のほか、海外を目指す技術者、起業チームなどを想定。初年度の定員は50人で、このうち日本人を3分の2、カンボジア人ら外国人を3分の1とする。施設近くに同社が空き家を借り上げた住宅(寮)で共同生活してもらい、英語を日常的に使う環境下でITを学生相互やインターンシップなどを通じて学び、起業を支援するセミナーも開く。学費・寮費込みで年間約200万円。
施設にはグループのIT企業、キリロムデジタル社の入居が内定し、ほかにもIT企業を誘致する。
同大学は14年に猪塚さんが設立し、現在は先端技術IT学科など3学科がある。猪塚さんは「古里の学校が次々となくなると聞き、衝撃を受けた。貧しい国を英語とITで持ち上げてきた我々のノウハウで、日本の地方に恩返ししたい」と話した。(福家司)
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