籠池夫妻、近く収監へ 最高裁が補助金詐取の上告棄却
国や大阪府、大阪市の補助金をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた学校法人「森友学園」(大阪市)理事長、籠池泰典被告(69)と妻、諄子被告(66)について、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は両被告側の上告を棄却する決定をした。10日付。泰典被告を懲役5年、諄子被告を同2年6月とした二審判決が確定する。2人は近く収監される見通し。
両被告は「決定は事実に基づかない誤ったもの。国策捜査を司法が安易に追認したものであり、到底承服できるものではない。再審請求などの手続きを含め、真実を明らかにすべく闘う」とのコメントを出した。
2022年4月の二審・大阪高裁判決によると、両被告は共謀し、大阪府豊中市で開校を計画した小学校の建設を巡り、虚偽の契約書を提出し、国の補助金約5600万円をだまし取った。大阪市内の幼稚園の経営では、12~17年に専任で勤務する教員数などを偽り、府と市の補助金計約1億2千万円を詐取した。
20年2月の一審・大阪地裁判決は、泰典被告を懲役5年とする一方、諄子被告の起訴内容の一部を無罪とし、執行猶予をつけた。これに対し、二審はいずれも実刑が相当だと判断していた。
森友学園を巡っては小学校新設のために取得した国有地が8億円余り値引きされていた問題が表面化。財務省による学園絡みの決裁文書の改ざんも判明した。大阪地検は19年8月までに虚偽公文書作成などの疑いで告発された当時の財務省幹部らを不起訴処分とした。