クジラの「淀ちゃん」撤去始まる ガス抜いた後、重りを付けて海底へ
大阪市は18日朝、大阪湾の淀川河口付近で死んでいるのが確認されたクジラの撤去作業を始めた。
クジラは体長約15メートルのマッコウクジラ。9日に見つかり、淀川にちなんで「淀ちゃん」の愛称で呼ばれ見物人も集まったが、13日に死んでいることが確認された。
この日は、同市此花区酉島5丁目付近の浅瀬にあった死体を引き船で大阪湾の岸壁まで運び、クレーンで受け皿型の作業船に積み込む。この後は、爆発を防ぐために体内のガスを抜いた上で、専門家による学術調査が行われる。18日午前も橋の上から「淀ちゃん」を見送る見物人らがいた。同11時半頃には此花大橋の下を通過した。
死体を積んだ作業船は2隻の引き船で紀伊水道沖に運ばれる予定。19日午後には、死体に重りをつけ海底に沈めるという。
2021年に大阪湾でクジラの死体が見つかった際は、大阪市立自然史博物館の要望を受け、死体を地中に埋めて肉を自然分解し、学術用に標本として活用されることになった。だが、今回は標本を引き取るという具体的な申し出がなかったことなどから標本化は見送ったという。
松井一郎市長は17日、記者団に「海から来たクジラ君だから、亡くなってしまったら海に帰してあげたい」と話した。(寺沢知海)
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