誰かのやりとり

左曲

はじめに

 何から書き始めていいのかわからない。

 わからないが、どこかに留めておいたほうがよいのだろうと留めておく。この半年間なんだったのか。自分の中でずっと同じところをぐるぐると回っている。苦しい。


 ここのところ周りに当たり散らすかのように苦しい苦しいと言っている。とは言っても生活があるので、あくまでもSNSの中だけであるが。生活はいつも通り。月曜から金曜まで仕事に行く。朝起きて仕事に行き、淡々と客対応をし事務作業。帰宅し夕飯を食べ、シャワーを浴び、布団に入る。たまに酒を飲む。一杯だけのワイン、もしくは一本の缶ビール。いつもと変わらない。普段通り過ごせていると思う。たぶん、少なくとも表向きは。


 ただ、私の中だけはぐつぐつと煮立っていたり、急に腑に落ちるようにスッと感情が引いていき諦観するかのような心持ちになったり、思い出してはまた熱いものがこみ上げてきたり。心は泣き喚いている。悲しい。悔しい。憎い。でもやはり愛おしいと思い直す。それを繰り返しながら、この執着が遠のいていくのではないかと期待してもいる。そのすぐそばで、この気持ちを簡単に手放してたまるかという執着心がまだ私をここに留まらせている。

 書き起こすことで何か変わるだろうか。“落としどころ”が見つかるのだろうか。わからないまま、やりとりを記録として残しておきたいと思う。

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