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「まっとうな叱責」「なんか面白くなかった」…“誹謗中傷をやめられない”人々の本音

応援しているから矛盾を突きたい

誹謗中傷

YouTuberを馬鹿にした塚田 仁さん(仮名)。YouTuberは「お前はブランディングというのをわかってない!」と塚田さんにTwitterで一言言ってブロックした

塚田仁さん(58歳・会社員)は、ある男性YouTuberのファンだった。 「昔から応援してたけど、突然ホストをやると言い始めて。そんな甘いもんじゃないだろうとなんか面白くなかった」 後日YouTuberは1000万円の売り上げを達成したと報告。だが、彼女が800万円、友人が200万円払っていたことが判明した。 「そんなの身内のカネじゃん。おかしくない?ってTwitterでリプや引用リツイートで広めました。応援しているからこそ矛盾点を突きたくなる。ブロックされたときは『よっしゃー!』と思った。だってさ、明らかに嫌がっているのが面白くて」 YouTuberが炎上すると、別アカウントで「本気でアホだから自業自得!」と煽った。ファンとアンチは紙一重だ。

ひどいことを言いたいだけ。別に理由はいらない

誹謗中傷

アニメキャラを罵倒する川下修平さん(仮名)。キャラは実在しなくてもキャラのファンの感情を逆撫ですることで攻撃欲を満たす

「あにまん掲示板というところで荒らししてます。そこは誹謗中傷がすぐ消されるんですよ。侮辱罪のこともあるし、大ごとになる前に消えたほうがいいかなと。基本的に恥ずかしいことだと自覚してますよ。だってやっていることカスじゃないですか」 そう自虐的に語る川下修平さん(20歳・大学生)は、6年前から週3回ほど習慣的にあるライトノベル作品のキャラを叩いている。 「中学の時にその作品を図書館で読んだのですが、暴力的なシーンが目について、途中で楽しめなくなりました。同じような感想を求めてネットを見ていたら、掲示板のアンチスレに行きついたんです。次第に、ファンスレにあえてアンチ的な発言する荒らし行為にハマるようになりました。『〇〇はダブルスタンダードのクソ女だ』とか。当然ファンの集まりなんでめちゃくちゃ怒ってくるんですよ。過激な邪推をして、ファンに『何巻だよ』って言われたり。反応がくることが楽しかった」 実在しないアニメキャラを叩くのには理由があった。 「現実にいないので、直接傷つく人がいない。同じアンチの人と書き込んでいるとなんか一体感を感じることもあります。ひどいことを言う相手にちょうどよかったんです。ひどいことを言うために理由なんて別にいらないので」
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誹謗中傷するのは人間の性なのか?
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