4.見えてきた、露軍が勝利できない理由
圧倒的に優勢な露空軍機が現状ではロシア領域内に引き下がっている。
そして、ウ軍の防空ミサイルに撃墜されない地点から、ミサイルを発射している。
前述の通りの空軍戦力の差があれば、ウ軍の防空ミサイルや航空戦力をすべて短期間に破壊していて当然だと考えるのだが、実際はそうではなかった。
これらの理由について、ウ空軍と露空軍の戦いを分析したことによって、徐々に見えてきたことがある。
露空軍の航空戦力、損失、航空戦の戦い方、特に対防空レーダー戦、空対空戦、対地上戦闘と近接航空支援、戦闘機等と無人機との併用について分析し、今後、空軍は今の戦局を変えられるのかについて次回以降に考察したい。
これらについて、今後、数回リポートする予定だ。
露航空作戦を考察するにあたっては、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の「The Russian Air War and Ukrainian Requirements for Air Defence 」(2022年11月7日)の報告資料を参考にした。
また、元航空自衛隊OBの小野田治氏から資料とご意見をいただいた。