【求人】RPGを作るように、会社を設計する。顧客の期待を超え続ける社員が育つ秘密とは
株式会社FREE WEB HOPE
NHK総合で2006年から放送されている「プロフェッショナル 仕事の流儀」も、先日ついに放送回数が400回を超えた。その間、編集長や医師、デザイナーなど各界のプロフェッショナルが登場し、それぞれの分野においての仕事術や哲学が語られてきた。語られた仕事観は400通りだが、それらは実は仕事に関する1つの真理に集約される。それは、成果を挙げ続ける人は、仕事の「とは論」が他人と違うということ。
つまり、仕事の基本スタンスの違いが、個人のパフォーマンスに大きく作用するということだ。プロ野球のスーパースターである長嶋茂雄氏は「スターの仕事は、観客の期待に応えること。スーパースターの仕事は、観客の期待を遥かに超えていくこと」と考えていた。この仕事論の違いが、一つ一つのパフォーマンスの随所に表れ、その積み重ねが世界をリードする日本の野球文化を作り上げた。
マーケティングの世界においても、明確なスタンスを貫くことで圧倒的なパフォーマンスを出し続けている企業がある。「日本で一番期待を超える集団」というミッションを掲げる株式会社FREE WEB HOPEだ。実はferretを運営する株式会社ベーシックも同社に一部の広告運用を委託しているのだが、そのパフォーマンスは「毎週、期待を超えてくる」と言ってもいい水準だ。
この強さの源泉はどこにあるのか。株式会社FREE WEB HOPEを創業し、自ら人材育成も手がける同社の代表取締役社長、相原 祐樹氏にその秘密について語っていただいた。
全ての仕事の尺度は「それは、期待を超えているか」
まず、代理業である同社の仕事において成果を出し続けるために必要な基本姿勢は「インハウスより真剣に考え抜く姿勢」だという。自社のフィーを含めてもクライアントのパフォーマンスがトータルで上がる状態にならないと代理店の存在意義は生まれない。これを毎回超え続けるのはかなりハードルが高いのだが、「本気でやってできないわけがない」という。
ただ、気持ちだけでは成果は挙がらない。同社では案件ごとに「仮説-検証」を全てログとして記録する「ナレッジボックス」というノウハウ共有ツールがあり、それを見ながら妥当性の高い打ち手を探る。聞いてみると意外とシンプルな仕組みだが、だからこそ全員が「徹底」できる。
そして、仕事の基準もシンプルで明確。LPのデザインやコピーの事前レビューなど、全ては「それは、期待を超えているか」が判断基準となる。クライアントの要求に合わせにいくのではなく、それを遥かに超えていく。この基本的な角度の違いが、パフォーマンスの高さに直結する。
RPGを作るように、会社を設計する。
「経営とRPGは似ている」と相原氏は語る。まずはじまりの村からスタートし、棍棒でスライムを倒すところから始まる。そのうち武器も強くなって、敵も強くなっていく。ラスボスを倒すという目標はそのまま自分の人生の目標に置き換えられる。新規事業やCVC、外部役員としての活躍などは「つよくてニューゲーム」のようなものだ。どの成長フェーズにおいても「働くおもしろさ」を提供していくことが経営者の役割だと考えている。
理想は「仕事ができない人がいても、村八分にされない会社」を作ることだという。自己肯定感というのは内製できないので、本人と周囲が納得できる成果を一つ一つ積み重ねられるよう仕事を与えていく。
メンバーのモチベーションに至ってはもちろんツールも使うが「全ては空気をどうデザインするか」だという。目指すは、仕事を通じて全員が青春できる会社。ちょっとつらい状況であっても「甘酸っぱいね!」と言い交わせる余裕を持つことで、会社のミッションを思い出し、打開策を考える気持ちの余裕も生まれる。
パフォーマンスを出し続ける秘訣
FREE WEB HOPEの強みの理由には、クリエイティブに関する活発な議論の土壌がある。LPひとつを作るにも、イメージ素材のモデルの歯並びを修正したり、イヤリングの色に至るまで調整する。仮にそれが直接的にパフォーマンスに結びつかない作業だったとしても「我々はブランドを預かっている」という自覚があれば自然にそうなるという。
成果に対する徹底した議論の土壌は、他社にはない知見を生むことにもつながる。「パフォーマンスにつながらない時は、そもそもベースとなる数字の読み方が間違っている場合がある」と相原氏は言う。たとえばLPの滞在時間は長いほうが良い、という論調もあるようだがコンバージョンにつなげるには速やかにフォームに遷移させたほうが良い。そもそも滞在時間の定義自体も誤った理解であることも多いという。
「たとえばデザイナーは通常大きな画面で作業しているため、1つのコンテンツの縦幅が大きくなりがちで、これを13インチのノートパソコンで次の見出しが見えている状態の縦幅に収めるとファーストビューが画面を専有しすぎず収まりが良い」など、小さな改善の積み重ねが、結果的にパフォーマンスを上げることにつながっていく。また、そうしたこだわりを「知見に基づいて説明すること」それ自体がクライアントからの信頼感や安心感にもつながる。