クンダリニー タントラ 2-2

ページ名:クンダリニー タントラ 2-2

第二章 チャクラを通じての進化


 生の全ては進化であり、人も例外ではない。人間進化、個人としてと種全体として、我々が絶え間なく進む進化は、様々なチャクラを通じての旅である。ムーラーダーラは最も基礎、本質的なチャクラであり、ここから我々の進化は始まり、サハスラーラで我々の進化は完成する。我々がサハスラーラへ向けて進化していくにつれ、神経系の中の違った能力とセンターが段階的に覚醒していくと同時に、外的な経験が人生の中で来て、内的な経験が瞑想の中で来る。これは肉体内の違ったナーディを通じて高い圧力と振動数のエネルギー流れとして経験する。


 ムーラーダーラは、人間存在にとっては最初のセンターであるが、動物が覚醒させられる限界としては最高のチャクラである。これは、それらにとってのサハスラーラである。ムーラーダーラを超えた諸チャクラは動物の霊的、生理機能には無く、動物の神経系の比較的な欠乏がそれらを反映している。


 ムーラーダーラの下には、動物界の進化を表す他のチャクラがある。これらは心の気付きではなく感覚的な意識にのみ関連する。(過去世の動物の生で)あなたの意識がこれらのチャクラを進化していく中、あなたの心は感覚意識とのみ関連づけられ、そこには個人性の意識もエゴも無かった。それらはムーラーダーラより始まるのである。これらの低位の諸センターはもはや機能していない。我々はこれらを超えているからである。


 動物の体では、これらの低位のチャクラとナーディらは足に位置する。ナーディは、人間の場合にアージュニャー チャクラに流れるように、ムーラーダーラ チャクラのこれらの合流点へと流れる。低位の諸チャクラの名前は、アタラ、ヴィタラ、スタラ、タラータラ、ラサータラ、マハータラ、そして一番低いのがパタラである。人間の体でムーラーダーラが最低のチャクラであるように、パタラは動物界での最低のものである。これは完全な闇を表す次元であり、ここでは自然は機能しておらず、物質が完全に眠っており止まっている。


 サハスラーラの上にも、別の諸チャクラがあり、それらは高い神の意識を表している。ムーラーダーラが動物の進化での最高であり、人間進化では最初であったように、サハスラーラは人間進化の最高であり、高い神の進化では最初のステップである。


 あなたがよりチャクラについて読むにつれ、クンダリニーが実際には生の全ての問題を制御しているのに気づくだろう。シャクティーが我々の進化の動物の段階を通り過ぎると、種全体のアヴィドヤ、無知に影響を与える。この影響力で動物界では食べる、寝る、恐れる、交配する道に従うよう強いられる。これは我々の進化のタマスのフェイズを表している。ムーラーダーラから上は、ラジャスのフェイズを我々は通る事になり、サハスラーラから上で我々はサットヴァに入る。


自発的、自己推進の進化


 ムーラーダーラまで、進化は自動的に行われた。動物はプラーナーヤーマやジャーパ(マントラ) ヨーガを行じたりはしない。これらはグルを探し、サンニャーサ(隠遁)してチェーラ(弟子)になる必要も無い。これらは何をする必要もなく、望むものは何でも食べられる。自然がこれらを完全に制御している。これらは何も考えないので、自然はこれらの進化のあらゆるフェイズに慈悲深く責任を取っている。


 だが、ひとたびクンダリニーがムーラーダーラ チャクラに到達したら、進化はもはや自発的ではない。人間存在は完全に自然の法に従ってはいないからだ。例えば、動物は特定の時期にのみ交配し、他の時期では一緒に住んでいても交配しない。だが人間は自然の法から自由なので、いつでも彼が望む時に交配できる。


 人は時間と空間を意識し、エゴがある。人は考えることができ、自らが考えていると知る事ができ、自らが考えていると知る事を知る事ができる。これはエゴの進化によるからである。エゴが無ければ二重の意識も無かっただろう。動物は二重の意識は無い。犬が別の犬を追っていたら、それは自然の衝動によるものである。その犬は自分が追っているのを知らず、他の犬は自分が走っているのを知らない。犬は本能が刺激するから走るのである。


 このように、人は高い意識を持ち、ひとたびこの意識を持ったら、人はその進化へ向けて働かなくてはならない。これはクンダリニーがムーラーダーラ チャクラで眠っていると言われる理由である。それは、押されない限り、この点を超えて進めないのである。


進化のあなたの現時点を見つける


 勿論、シャクティーがムーラーダーラで突然目覚めたら、即座には上昇出来ない。これは起きてはまた寝るのを何度も繰り返すだろう。あなたは子供達が朝にどうするのかを知っていよう。彼らは起きてもすぐ寝るので、あなたは何度も起こさないといけないだろう。クンダリニーも同様に振る舞う。時には、スワーディシュターナやマニプーラまでしか上昇せずに、寝るためにムーラーダーラに戻る。だが、シャクティーがマニプーラ チャクラを超えて上昇したら、もはや戻る事は無い。チャクラの停滞は、スシュムナーの中や、チャクラの一つに障害がある時にのみ起きる。クンダリニーは何年も、場合によっては一生の間、チャクラの一つに留まる。


 時にはクンダリニーが転換する間にチャクラの一つでブロックされると、そのチャクラに対応するシッディ、超能力が出始める。そしてあなたは自己制御を失い、まだ道の途中だという事実を理解出来なくなる事もある。ある者がシッディを獲得し、他人に見せたい誘惑があれば、彼は人類の善のためにそれらを用いようと考えるかもしれないが、それはエゴを増大させ、マーヤー、無知の厚いヴェールで彼を盲目にするのみで、彼の更なる進歩を隠す事になる。


 ある者にシッディが発現したら、彼はこれらのシッディと関連するチャクラまで進化したと確認できる。だが、シッディはクンダリニーが全てのチャクラを速やかに通過した時には現れない。そして留まったとしても、それは長くはないだろう。数日はあなたは他人の考えを読む事ができよう。だがそれから、その能力は消えるだろう。数日はあなたは他人を癒せるだろうが、それもまた消え去るだろう。超能力は通常、クンダリニーがそのチャクラでブロックされた時にのみ居残る。


 勿論、我々の低位のチャクラの幾つかは、知らないうちに既に機能しているだろう。我々全ては進化の幅において違うレベルにあり、そのためムーラーダーラから覚醒のプロセスを進める必要もないだろう。私は全体の概念の説明のためにクンダリニーはムーラーダーラにあると述べるが、あなたの前世での進歩や、両親が行ったサーダナにより、あなたはクンダリニーがマニプーラにある段階で生まれたかもしれない。その場合、上昇はそこから始まる。だが、あなたが前世を覚えていないように、あなたはまた同様にクンダリニーの状態を覚えていない。これはそれはムーラーダーラに眠るとグルが教える理由である。これは実際にはアナーハタにあるかもしれないが、私は常にこれはムーラーダーラにあり、ムーラーダーラから実践するよう述べるだろう。あなたはここで何の経験も無いかもしれない。あなたはスワーディシュターナやマニプーラへ移動し、そこでも何の経験も無いかもしれない。だがあなたがアナーハタへ移動したら、突然に経験が始まりだすだろう。


 そのため、あなたがクンダリニー ヨーガの実践を始める前に、あなたはどの点から上昇が実際に始まるのかを調べなくてはならない。そのための最良の方法は、毎日ムーラーダーラに15分から30分集中する事である。それからスワーディシュターナに15日間行う。マニプーラに15日間行う、という風にサハスラーラまで続ける。あなたはすぐに、進化のあなたの現時点を見つけるだろう。


 ある人々は、アナーハタが最も容易に集中できるのに気づくだろう。その場合、ここが彼らのセンターだろう。他の者らは、アージュニャー チャクラが非常に強力で彼らに魅力的だと見つけよう。一方で、他の者らはムーラーダーラと関連するのが最も容易で、他の高いチャクラは見つけるのがほとんど不可能に見えるだろう。最終的にはどれがあなたの最も感受性の強いチャクラかを決められるだろう。そしてあなたは次のステップ――覚醒の準備ができるだろう。


 だが、一つだけ付け加える重要な点がある。たとえアナーハタなどの高いチャクラが偶然に開いていたとしても、あなたは低位のチャクラも覚醒させるよう努めないといけない。クンダリニーの覚醒と全てのチャクラを通じて上昇させる目的は、これらとその関連する脳の部分を覚醒させる事である。そのため、脳全体を覚醒させるために、全てのチャクラは覚醒させなくてはならない。


チャクラの覚醒


 チャクラの覚醒は、人の進化において非常に重要な出来事である。これを神秘主義やオカルティズムと誤解していはならない。なぜなら、チャクラの覚醒とともに、我々の意識と心も変化を経験するからである。これらの変化は、我々の日々の生活に大いに関連している。


 我々の現在の心の状態は、生の全ての問題を扱う能力は無い。我々の愛と憎しみ、我々の人々との関連性、これらは我々の現在の心の性質の結果である。そして、我々の苦しみ、苦悩、ストレスは、我々の周囲の環境というより、我々の心により責任があるように見える。そのため、チャクラ、スシュムナー、クンダリニーの覚醒の目的は、我々の日々の生活と関連するのである。


 生まれながらにチャクラとクンダリニーを覚醒している人は何千人もいて、これらの人々は事実上、この世界を支配している。私は国の支配や権力について言っているのではない。私は彼らは生のあらゆる相で優れた人々だと言っている。彼らは偉大な音楽家、アーティスト、建築家、科学者、研究家、発明家、預言者、政治家などである。


 チャクラとクンダリニーを覚醒させて生まれた多くの子供達がいて、彼らが成長するにつれ、違った発現を示す。だが、我々の物質主義社会はこれらの発現をアブノーマルと見て、それらを示した者らは精神分析と精神検査と治療の対象にされる。


 あなたが家族との関係や仕事の出来事で個人的な葛藤があったとしても、アブノーマルとは見做されないが、あなたの心と意識が拡張するにつれ、あなたは心、家族、仲間、社会、国に起きた全ての事に非常に敏感で神経質となり、生のごく些細な事も無視できなくなる。一般人には、これはノーマルとは見做されないが、これはチャクラの覚醒に従う自然な結果である。彼の意識は非常に受容性が強くなるが、それは心の周波数が変わるからである。


高い性質の発現


 あらゆる形、音、色には特定の周波数がある。全ての音、色、形は同じ周波数ではない。同様に、あらゆる考えには周波数があり、あるものは低い周波数で、あるものは高い周波数である。私は高い周波数の考えの例を与えよう。


 偉大な科学者アイザック ニュートンはかつて庭園に座り、リンゴが木から落ちるのを見た。我々が木からリンゴが落ちるのを見ても、それは奇妙とは思わず、何ら思考のプロセスは受けないだろう。だがアイザック ニュートンは我々が哲学的注意と呼ぶ者を持っていた。これは彼の心と人格の性質であり、それにより彼の前でリンゴが落ちた時、彼は重力の理論を発見したのである。


 あなたはなぜ嘘をついてはいけないのか? あなたが金を得たり、国を支配したり、人々を抑圧しても、何の問題も無いと考えるかもしれない。条件全体は、あなたの意識の周波数に拠る。意識の低い周波数では、あなたは嘘をついても何の苦しみも無いと言えるだろう。だが、周波数が上昇すると、心は違ったレベルで働き、もはやそれらを何も受け入れられなくなる。多くの人々は「なぜ我々は殺してはいけないのか? つまるところ、動物を殺せば、それを解放し、良い来世に速やかにもたらせるだろう?」と言う。我々の態度と考える方法は、我々の心の特質と、特に機能している周波数の結果である。


 ある日、仏陀は彼の従弟デーヴァダッタとともに狩りに行った。デーヴァダッタは矢で鳩を射て、矢で負傷したそれを落とした。仏陀はこの鳥の痛みを感じて、矢を取り除くべく即座に走った。だがデーヴァダッタはこの痛みを感じず、彼は目的に当てた事で非常に喜んでいた。仏陀の意識は高い周波数の振動に調整されていて、その結果として彼は鳥の痛みに感受性があり、慈悲を表したのである。


 そのため、愛、哀れみ、慈悲などの人の高い性質は、チャクラの覚醒により影響された心の表現である。これはアナーハタ チャクラの覚醒にかくも多くの重要性が与えられている正確な理由である。無論、あらゆるチャクラはとても重要で、それぞれのチャクラは特定の能力を授けるが、あなたは全ての聖典がアナーハタ、アージュニャー、ムーラーダーラ チャクラの覚醒を大いに強調しているのを見つけるだろう。ヨーギはアージュニャーとムーラーダーラ チャクラに重点を置き、全ての人類はアナーハタ チャクラに重点を与える。アナーハタが覚醒したら、我々は神、家族、全ての存在との深遠な関係を持つ。


 チャクラが覚醒したら、心は自動的に変化する。あなたの人生の価値もまた変化し、愛と関係の性質もとても増大し、人生の不満とストレスを吊り合わせる事が出来るようになる。そのため、あなたは今よりも少し高く生きられるようになり、あなたの自らとこの人生への態度はずっと良くなる。


 チャクラの覚醒が、あなたの家族との壊れない統一をもたらせるなら、それ以上に必要なものはどこにあろうか? あなたは幸福な家族や別の夫や妻が必要だろうか? 率直に言って、人は幸福な心と幸福な家族が必要だ。彼は何を行うかや、彼の子供はどうなのかは問題ではない。食べるものが少ないのは本当に問題だろうか? 幸福と内なる満足は全てに勝る。そして私が知る限り、真の満足はチャクラのシステマチックな覚醒によってのみ得られる。



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