12月 23, 2022
令和4年12月定例会 議案第56号賛成討論

 議案第56号「市道路線の廃止及び認定について」に賛成の立場から会派を代表して討論します。

 先程、建設経済常任委員長より「対象となっている一部の路線について、適正管理・安全管理がされていないと判断し、反対するとの討論があった」との報告がありましたが、確かに建設経済常任委員会の場で、市道路線の管理が不十分であるとの指摘がありました。

 しかしながら、本議案は市道路線の廃止及び認定であります。

 市道路線の適正管理・安全管理が必要なことではあることは言うまでもありませんが、市道路線の廃止及び認定は、市道路線を道路法の対象とするための手続きであり、市道路線の管理とは全くの別物であります。

 1つの市道路線の管理不充分を理由として本議案を否決することは、併せて上程されている他の17路線の廃止・認定をも否決することとなり、結果として、この17路線に道路法が適用されなくなることを意味します。


 とは言え、管理が不充分であるとの指摘がある以上、放置するわけにも参りません。

 そこで、我が会派では実際に現地に赴いて、市道路線の管理状況を確認し、併せて市民の声も聞いてまいりました。市民の声とは、具体的には行き止まり部分の地権者さんと近隣にお住まいの方々です。

 「百聞は一見に如かず」と申しますが、現場を見て地権者や近隣住民という当事者の声を聞くと、委員会審査とは真逆の印象を抱きました。

 近隣住民の方々のお話によると、元々当該市道路線には、昔、農道が接続しており、通り抜けが出来たそうです。

 その農道部分を購入した地権者の土地に、当該市道路線が突き刺さるような形で残ってしまい、まさにその突き刺さった部分が本議案によって廃止されます。

 なお、市道路線の一部廃止は、一度全ての路線を廃止した上で、廃止しない部分を新たに認定するという建付けになっているため、本議案に上程されている市道路線は、廃止2路線、認定17路線の19路線ではありますが、実質は18路線となっております。

 委員会の場では、執行部からは「現地を通行する人は皆無」との答弁がありましたが、正直申し上げて流石に言い過ぎではないかと思いました。

 ところが、現地に赴き、近隣の方々のお話を伺うと、確かに「現地を通行する人は皆無」であることが判明しました。

 行き止まりとなっている当該路線の廃止される部分を通行する人は、先に申し上げました地権者さんから、行き止まり部分を通り抜ける許可を得た近隣の方々だけだそうです。

 つまり地権者の敷地を通り抜ける許可を得ていない一般の方々は通行しない、ということです。

 一般の方々の通行の用に供することが出来ない、つまり道路としての機能を有していないということは、市道路線を廃止する要件の1つです。

 当該路線の廃止部分は、まさにこの要件に当てはまっている訳であります。

 また委員会の場では、当該路線の廃止される部分なのか、それとも新たな認定される部分なのか、が曖昧なまま、あたかもフェンスのような固定的な設置物が設置されているかのような印象を受けました。

 ところが現地に赴いてみると、実態は、廃止される部分に納品などで使われるカゴ台車が横倒しにされていました。

 このカゴ台車についても、近隣の方々にお話を伺いました。

 農道が地権者に売却された後も、当該市道路線を通り抜けるトラックなどの大型車両があり、近隣住民から地権者に対策を依頼したそうです。

 そして、その地権者が通行の用に供されていない廃止部分にカゴ台車を置いたことが判明しました。

 市道路線にカゴ台車を置くことは、市道路線の維持管理という点で、厳密に言えば問題です。

 しかし、実態としては通行の用に供されていない状況であり、道路としては機能しておりません。

 当然のことですが、現実として通行の用に供されていない市道路線は、維持管理上の優先順位は限りなく低いものと言わざるを得ません。

 以上、指摘がありました市道路線の管理状況を申し述べました。


 繰り返しになりますが、本議案は市道路線の廃止及び認定です。市道路線の管理とは全くの別物であります。

 当該路線は、現に通行の用に供されていない状態であり、不利益を被る人は皆無と言っても良いでしょう。

 それに対して、その他の17路線までもが廃止及び認定されないことになったら、どれだけ多くの市民が不利益を被ることになるでしょうか?

 市道路線が認定されない場合、その市道路線は単なる松戸市の所有する土地に過ぎません。

 当然、道路法の対象とはなりません。

 道路法の対象でないということは、仮にその市道路線に通行の妨げとなる障害物があっても、道路法に基づく撤去が出来ないということです。

 そうなると民事的な手続き、つまり通行の妨げとなる障害物を撤去するために、裁判所に都度提訴することになります。

 みなさん、考えてください。

 本議案が否決された場合、道路法という上位の法律のメリットを享受できなくなり、どれだけ多くの市民の不利益となるか。

 本議案が否決された場合、松戸市が市道路線上の障害物を撤去する権限を失い、市民をどれだけ危険に晒すことになるか。

 みなさん、考えてください。

 以上、賛成理由を申し述べましたが、満場のみなさまのご賛同、よろしくお願いいたします。

1:39pm
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