昨今、SNSは企業としても個人としても欠かせないマーケティングツールとなっています。今後マーケターとしてキャリアを積むのには欠かせないスキルといっても過言ではないでしょう。そこで今回は、総フォロワー50万人以上のアカウントを運用中の益田さんに「インスタ運用を成功させるためのコツ」をいろいろ聞いてみました。
──普段のSNSの業務はどんなことをされていますか?
益田:Twitter、Instagram(インスタ)、Youtubeの総フォロワー50万人以上のアカウントを運用しており、SNSを通じて自社サービスの認知拡大や売上貢献をしています。複数のSNSを運用していますが、その中でもインスタに一番力を入れていますね。
──SNSの中で一番インスタに力を入れてる理由はなぜでしょうか?
益田:それは自社サービスとの相性が一番良いからです。Instagram(インスタ)はTwitterほどの拡散力はありませんが、写真や動画を使い、濃い情報を発信をすることができ、顕在層の興味を深めたり、既存顧客とのコミュニケーションによるファン化を促すことができます。またそこから「ユーザーから口コミ投稿(UGC)」により認知を広げることができるのでサービスとの相性が良いです。実際にInstagramだけでもフォロワーは40万人以上です。
──個人・企業といった垣根なくインスタは広く活用されていますが、一方でうまく運用できないという悩みも多いと思います。益田さんが考えるインスタ運用のコツなどはありますか?
益田:大事なのは、しっかり準備をすることです。準備をせずに進めてしまうと、負担だけが増えて「何のために頑張っているんだろう」という状況に陥ってしまいますので、ぜひこれから説明するSNS運用で大切な5つの準備を意識してみてください。
・SNS運用のコツ①:インスタを運用する目的を決めること
まず、一番重要なのは何のためインスタを運用するのかを明確にすることです。「とりあえず、周りがやっているから」という理由でなんとなくで始めてしまうのが一番良くないです。目的がないまま進めてしまうと、自分の求めるターゲットではないフォロワーが増えてしまい、後から目的を定めても軌道修正が効かなくなってしまいます。
なので、「認知拡大のため」にやるのか、「売り上げ向上のため」にやるのか、サービスをもっと好きになってもらう「ファン化のため」なのかなど目的を決めることが大切です。
目的が決まったらそれにあった指標(KPI・KGI)を決めましょう。
・認知拡大であれば、「リーチ数」「インプレッション数」「フォロワー数」
・売上目的であれば、「サイト流入数」「インスタ経由でのCV数」
・既存顧客のファン化であれば、「UGC数(口コミ投稿)」「ストーリー閲覧数」「エンゲージメント率」
「フォロワー数だけを追うのはNG」
よくありがちなのが、フォロワー数だけを追ってしまうこと。認知拡大ができているかどうかの指標として「フォロワー数」を見るのは大事ですが、たとえば、売上が目的なのに「フォロワー数」ばかりを見ていても意味がありません。売上が目的であれば、どれだけインスタからサイトを見てくれたかの「サイト流入数」、インスタ経由でどれだけ買ってくれたかの「インスタ経由でのCV数」を見る必要があります。なので、目的に合わせて指標(KPI・KGI)を決めるのが大事です!
・SNS運用のコツ②:ターゲットを決める
目的が決まったらターゲットを決めましょう。事業・サービスにおけるマーケティングファネルのどの層に向けるかを考えるのが重要です。先ほど決めた目的が認知拡大なのであれば「潜在層」になりますし、売上なら「顕在層」、ファン化であれば既存顧客と目的に合わせてターゲットはある程度決めることができます。このターゲットをどこに置くかによってコンテンツが大きく変わっていきます。
・SNS運用のコツ③:アカウント設計をする
1.プロフィールが重要な理由:フォローされるかどうかの決め手になるから
2.一目でこのアカウントがどんな人に向けて何を発信しているのかわかるようにする
3.プロフィール文とハイライトの設定は必須
目的とターゲットが決まったらプロフィールを決めていきます。インスタにおいてプロフィールはものすごく重要な要素となります。インスタは基本的に新規のリーチはほぼ発見欄の投稿から始まります。その投稿が良かった場合、ユーザーは投稿主のプロフィール欄へ移動します。ここでプロフィールを見たときに自分の好きなことや知りたい情報とプロフィールの内容がマッチしていればフォローをしてくれます。
つまり、どんなに投稿がバズったとしてもプロフィールが整っていないとフォローされません。そのため、プロフィールはターゲットに合わせて作り込む必要があります。
ポイントは「一目でこのアカウントがどんな人に何を発信しているのか」がわかるようにすることです。そのため、プロフィール文やハイライトはしっかりと設定する必要があります。たとえば、プロフィール文は「どんな人に」「どんなことを発信してるのか」「どんな強みがあるのか」などを入れ込み、ハイライトでは「サービス・事業の情報」「利用案内」「QA」などユーザーが知りたい情報を複数のカテゴリに整理して設定します。
・SNS運用のコツ④:運用方針を決める
・インスタのアルゴリズムを理解する:ターゲットが興味のあるコンテンツを出すこと、ターゲットとの親密度を上げること。この2つがインスタのアルゴリズムに影響を与える
・投稿コンテンツのパターンを決める
・コミュニケーションルールを決める:ストーリーやDM、コメントをどの頻度で対応するか
運用をしていくにあたって、まずはインスタグラムのアルゴリズムを理解することが大切です。
インスタグラムのミッションは「大切な人や大好きなこととあなたを近づける」です。
ユーザーにとって親密なアカウント(大切な人)、関心が強い投稿(大好きなこと)がアルゴリズム上で優位になると考えられています。
こちらを踏まえると、
①ユーザーと親密になるためのコミュニケーション
・質問スタンプやアンケートスタンプを使ったストーリーズ配信
・DMやコメントをこまめに返信する
・インスタライブでコミュニケーションをとる
このコミュニケーションについては、ある程度やることを決めてルーティーン化する部分を決めつつ、突発的にタイムリーなコミュニケーションも交えながら運用するのがおすすめです。
②ターゲットが関心のある情報を発信
・一定の頻度で投稿を実施する
・投稿内容は一貫性を持って発信する
・リールなど新しい機能を積極的に使い発信する
投稿スケジュールを決めて、投稿内容も方向性を決めたら一貫性を持って投稿を続けることが重要です。
補足ですがインスタグラムは新しい機能をアルゴリズム上で優位にする傾向が高く、有名どころでいえば、リールはローンチ初期はかなり優先されていたためリーチをかなり取りやすい状態でした。同様に新しい機能やインスタが優先している機能は積極的に使っていくことがおすすめです。
・SNS運用のコツ⑤:継続をしてPDCAを回す
・後はコツコツ投稿をしていく
・インサイトをチェックして、PDCAを回すこと
ここまで定めたら淡々と運用を続けていくことが重要です。
すぐに結果は出ませんが、淡々と続けながらしっかりインサイトの数値をチェックしてPDCAを回していくこと。これを続けることができれば必ず数字はついてくるはずです。
──実際にアカウント運用をする場合、動画編集や投稿のデザインが難しいなど、かなり大変なイメージもありますがオススメのツールなどはありますか?
益田:弊社でも実際に使用している有名なツールを紹介させていただきます。
canva:無料で使える最強のデザインツール
こちらはインスタを本格的に運用している人は、ほぼ全員使っているといっても過言ではないくらい必須ツールです。操作が簡単でかつテンプレートや素材も豊富なので、デザインが苦手な方でも手軽に質の高い投稿を作ることが可能です。
capcut:無料で使える動画編集ツール
こちらはtiktokで使っている人が多いスマホアプリです。リールを作る際にものすごく便利なのでオススメです。こちらもcanva同様に感覚的に使えるので慣れれば誰でも動画を作ることができます。
クリエイタースタジオ:予約投稿ツール
インスタを運用していく上で一番面倒なのは投稿作業です。計画的に運用する場合は予約機能は必須です。このクリエイタースタジオはFacebook公式で無料で使えるツールなのでとてもオススメです。
──なるほど、ここまで準備できればうまく進められそうな気がしてきました。最後にこの記事を見ている方へメッセージお願いします。
益田:インスタにはこれをすれば成功するという裏技のようなものはありません。しっかりと目的を定め戦略を決めて、コツコツ継続し、PDCAを回し続ける先に成功があります。
また、SNSのスキルをつけるには実際に運用をすることが大切です。
トゥエンティーフォーセブンではほぼインハウスでSNS運用を行っているため、SNSマーケティングの独自の知見やナレッジを溜めていることが結果に結びついています。ぜひ参考にしてみてください。