「このままでは…」 名産の小ブナの生産減少を受け、生産者に初の経済的支援 佐久市

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■地元の伝統食「フナの甘露煮」に使う

 佐久市が来年度、地元の伝統食「フナの甘露煮」の素材となる小ブナの生産拡大に向け、生産者に対する初の経済的支援に乗り出す方針を固めた。地元スーパーなどから今も求める声は強いが、生産者の高齢化などに伴って出荷量の減少傾向が続いており、「このままでは佐久の食文化がなくなってしまう」(農政課)と判断。支援の方法について検討を進めている。

 フナの養殖は初夏に親ブナを水田に放して産卵させ、育った小ブナを秋に水揚げする。市は当初、生産拡大に向けて親ブナの購入費と餌代の半額を補助する方法を検討。しかし庁内の議論で「それでは抜本的な対策にならないのではないか」との指摘があり、「もっと手厚い支援を検討している」という。

 市によると、市内の小ブナ出荷量は2021年が7・7トン。10年前の15・0トンから半減、20年前の20・2トンと比べると4割弱に落ち込んだ。佐久浅間農協(佐久市)の佐久平ふな部会に所属する生産者も約50人にとどまり、高齢化が進行。市は17年度から、水田を使って小ブナ生産に挑戦する人を対象に養殖技術の研修会を開いて新規参入を促してきたが…

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