この記事では、技術ブログで収益化を目指したいエンジニアに向けて、技術ブログの始め方、書き方、読者の増やし方、収益化の方法がわかるようになることめざします。
具体的には以下を学んでいただきます。
ブログサイトの作り方
サーバーを選ぶ
まずはじめに、WordPressを設置するサーバーを選びます。
無料プランや低額プラン(目安で500円/月以下)だと、そもそもWordPressのインストールができなかったり、勝手に広告が表示されてしまったりする場合があります。
また、「将来的なアクセス増を見越して…」と考えがちですが、立ち上がりフェーズではほとんどアクセスを見込めません。つまり
- 将来を見越して高額プランを選ぶ必要はない
- 下位プランへの変更はできない場合がある
- 後で上位プランに変更は可能
立ち上がりフェーズでは、必要最低限のプランを選択することをおすすめします。
具体的な必要最低限プランは以下10項目が条件になります。
- ランニングコストが安いこと(月額2,000円以下)
- そもそもWordPressをインストールできること
- アフィリエイトに適したテーマが設定できること
- ブログの表示速度が速いこと
- サーバーが安定していること(SLA99.99%以上)
- セキュリティ対策が万全
- 自動バックアップ機能があること
- セットアップがカンタン
- 運営会社の信頼性が高いこと
- お得なキャンペーンの定期開催がある(サーバー料金、ドメイン無料、テーマ割引…etc)
この条件を満たすサーバーとして、次の3つがあります。
この中のいずれかのサーバーであれば、どれでも問題ありません。
サーバー | ロリポップ | ConoHa WING | エックスサーバー |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
プラン | ハイスピード | ベーシック | スタンダード |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 1,320円/月 | 1,320円/月 | 990円/月 |
お試し期間 | 10日間無料 | なし | 10日間無料 |
最低契約期間 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 3ヶ月 |
vCPU | 非公開(共用) | 6コア | 6コア |
メモリ | 非公開(共用) | 8GB | 8GB |
ディスク種類 | SSD | SSD | SSD |
ディスク容量 | 400GB | 300GB | 300GB |
転送量 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
SLA | 99.99% | 99.99% | 99.99% |
WordPress利用 | ○ | ○ | ○ |
テーマ設定 | 自由に選択可 | 自由に選択可 人気テーマ提供あり |
自由に選択可 |
無料SSL | ○ | ○ | ○ |
無料ドメイン | △ ・独自ドメイン ・12ヶ月以上の契約期間で無料 ・.com / .net / …etc |
○ ・独自ドメイン ・契約中無料 ・.com / .net / …etc |
○ ・独自ドメイン ・契約中無料 ・.com / .net / …etc |
セキュリティ | ○ ・不正アクセスIP制限 ・WAFあり ・スパム対策 ・ログイン試行回数 |
○ ・不正アクセスIP制限 ・WAFあり ・スパム対策 ・ログイン試行回数 |
○ ・不正アクセスIP制限 ・WAFあり ・スパム対策 ・ログイン試行回数 |
自動バックアップ | △ 復元だけ有料 |
○ | ○ |
上位プラン変更 | ○ | ○ | ○ |
下位プラン変更 | × | ○ | × |
サポート体制 | ○ | ○ | ○ |
運営会社 | GMOペパボ株式会社 | GMOインターネットグループ株式会社 | エックスサーバー株式会社 |
運営開始 | 2001年 | 2013年 | 2003年 |
公式サイト | ロリポップ | ConoHa WING | エックスサーバー |
どれがよいか分からない、またはこだわりがなければ「ConoHa WING」をおすすめします。このサイトも「ConoHa WING」を利用していますが、とてもよいサーバーだと思います。
WordPressをインストールする
いずれのサーバーもWordPressのかんたんセットアップがあります。迷ったり失敗することはありません。画面の操作だけですぐにサイトを立ち上げられるのがメリットです。
「サーバー契約」「独自ドメインの取得・設定」「WordPressインストール」「テーマの追加」「SSL設定」をまとめて設定できます。
- ロリポップ:WordPress簡単インストール
- ConoHa WING:WordPressかんたんセットアップ
- エックスサーバー:簡単インストール手順
参考:各サーバーのWordPressインストール手順
手動でインストールする場合は、公式ドキュメント「WordPressのインストール」に手順が記載されています。そちらごご覧ください。
WordPressのテーマを選ぶ
テーマを入れると、ブログの初期設定にかかる時間を短縮できます。
テーマ選びで最低限必要なポイントは以下5つになります。
- アフィリエイト向け機能が充実している(広告、アフィリエイトリンク)
- 最新のSEO対策で集客性が高い(サイト構造、表示スピード)
- 可読性が高く洗練されたデザインである(ユーザービリティ)
- 定期的にテーマのアップデートがある(サポート充実)
- 設定がカンタンですぐに記事を書き始められる(収益化)
テーマは以下の3つの中から選ぶのがおすすめです。
テーマ | THE THOR (ザ・トール) |
AFFINGER6 | JIN |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
価格 | 16,280円 ConoHa WINGなら 14,960円 |
14,800円 | 14,800円 |
使いやすさ | ◎ | ○ | ◎ |
アフィリエイト機能 | ○ | ◎ | ◎ |
カスタマイズ性 | ○ | ◎ | △ |
可読性 | ○ | △ カスタマイズが必要 |
○ |
SEO | ◎ | ◎ | ◎ |
表示スピード | ○ | ◎ | ○ |
アップデート | ○ | ○ | ○ |
サポート | ○ | ○ | ○ |
マニュアルの充実度 | ◎ | △ ゴチャついて見にくい |
○ |
デモサイト | https://thor-demo01.fit-theme.com/ | https://action-sample.com/af6-sample-2/ | https://jin-demo.jp/demo-7/ |
公式サイト | THE THOR(ザ・トール) | AFFINGER6 | JIN |
この3つのうちどれかであれば、失敗することはありません。
それぞれの特徴は以下になります。
- 「THE THOR(ザ・トール)」は3つの中で一番バランスの取れたテーマ。迷ったらこのテーマにすると失敗することはない
- 「AFFINGER6」はデフォルトのままでは「THE THOR(ザ・トール)」に若干劣る。しかし3つの中で最も高いカスタマイズ性があり自信のある人は「AFFINGER6」にするとよい
- 「JIN」は「THE THOR(ザ・トール)」や「AFFINGER6」よりもさらにカスタマイズ性に劣る。しかし、3つの中で一番使いやすいのがメリット
ここで重要なのは、ブログで収益化したいならまずは記事を書くことに集中し、1日でも早く売り上げを立てることが最初の目標になります。
中でも「THE THOR」は3つの中で一番バランスが取れたテーマだと思いますので、迷ったら「THE THOR」を選択するとよいと思います。
ドメインを取得する
最後にドメインを選びます。
ドメインについては、「ロリポップ」は12ヶ月以上の契約期間でサーバーを契約した場合のみ無料となります。「ConoHa WING」と「エックスサーバー」は期間に関わらずサーバー契約時に無料で取得できます。
既にドメインをお持ちの場合でも、これらのサーバーならドメインを設定できます。
別サービスで取得する場合、「お名前.com 」や「ムームードメイン 」から取得できます。
レンタルサーバー契約と同時にドメイン取得した方が、設定・管理・費用面で優れておりおすすめです。
売りやすい商材とは
技術ブログで売りやすい商材は以下が挙げられます。
- 技術書
- エンジニア転職・副業サイトの登録
- サーバーや独自ドメイン
- プログラミングスクール
あなたの転職経験を元に転職サイトでの成功・失敗事例の記事を書くことが一番おすすめです。実際に利用した転職サイトやエージェントを紹介する記事で、例えば読者が「マイナビ IT AGENT」の新規登録で10,000円の報酬を受け取ることができます。
技術書の場合、「購入額 x 3〜10%」の報酬になります。
例えば「Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計(3,168円)」の場合、1冊売れれば316円の報酬額になります。書籍の場合、報酬率の低さがデメリットです。
しかし、エンジニアであれば業務関連やスキルアップのために技術書を購入することが多いです。インプットするのと同時にレビュー記事を書けば、スキルアップと同時に副収入を得られるのがメリットだと思います。
これらのアフィリエイトは、ASPサービスに登録する必要があります。ASPはあなたと広告主をつなげるサービスです。
最初に登録しておくべきASPサービス
技術ブログを運営するあなたにとって登録すべきASPサービスは次の3つです。
ASP | 主要商品 | 審査 | 使い所 |
---|---|---|---|
A8.net | 全般 | なし サイトなくても登録可 |
レンタルサーバー / ドメイン / 転職サイト / 副業サイトの比較記事 / 資格関連記事 |
もしもアフィリエイト | 物販・サービス全般 | なし サイトなくても登録可 |
プログラミングスクール比較 / 自分の転職体験記事 / 資格関連記事 |
Amazon アソシエイト | Amazon取扱商品 | あり ※審査について |
技術書、電子書籍のレビュー記事 |
「A8.net」「もしもアフィリエイト」は、登録後に提携したい商品・サービスの広告主の審査は当然ありますがASP自体の登録に審査はありません。ASP登録は収益化に必須ですので先に登録を済ませておきましょう。
「Amazon アソシエイト」はいくつか条件があります。
- 登録してから180 日以内に 3 回以上の適格販売が発生
- 少なくとも 10 件のコンテンツ投稿がある
- サイトコンテンツが直近 60 日以内に更新されていること
※申請の審査プロセスについて -Amazonアソシエイト公式-
まずは登録しておいてください。
A8.netの成果は以下のようにレポートできます。
これは私のサイトの「A8.net」でのガチの収益で、アフィリエイトを始めて6ヶ月目で34,855円の収益を達成できました。
技術ブログの書き方
どのようにネタ出しするか
ネタだしについては以下3つの方法があります。
- 普段勉強や仕事で身につけた経験を振り返る
- 「ラッコキーワード」でQ&Aから悩みのヒントを得る
- 「Stack Overflow」や「teratail」でエンジニアの悩みを知る
普段勉強や仕事で身につけた経験を振り返る
1つ目は、普段の勉強や仕事で身につけた経験からネタを出す方法です。
仕事で使った技術があればその経験をもとにネタを探すことができます。また、いま読んでいる技術書について「どんな人に薦めるか」「読むべき理由はなにか」「活用してみたこと」「本の評判」をネタにすると、記事を書くことで自分の理解がより深まり効率的です。
また、経験を記事にすることは、SEOの評価にもポジティブに反映されます。
これについては、Googleが2022年12月15日にE-A-Tに「Experience(経験)」を加えたE-E-A-TがGoogle品質評価ガイドラインの更新版を公開しています。詳細はそちらを参照ください。
「ラッコキーワード」で悩みのヒントを得る
2つ目は「ラッコキーワード」を使う方法です。
キーワードを入力すると、サジェストワードをリストアップしてくれる優れものです。
ゲスト検索は5回/日の制限がありますが、ログインまたは会員登録することで50回/日にできます。こちらも登録しておいてください。
上記は「Python」で検索した例です。このように、サジェストを大量に表示してくれるので、その中からあなたが書けるキーワードで書いてみるとよいと思います。
Stack Overflow や teratail でエンジニアの悩みを知る
「Stack Overflow」や「teratail」からエンジニアの悩みを知る方法です。
上記は「Python」で検索した例です。
タイトルや内容をみるだけでも、アイデアにつながる内容があるかもしれません。
どのように技術ブログを書くか
「書き始める前に記事を設計すること」が重要になります。
具体的には、次の7つの項目を決めます。
順番 | 項目 | 概要 |
---|---|---|
1 | ターゲット | ・伝えたい相手。どんな悩みや問題を抱えている人か |
2 | キーワード | ・その人はどんなキーワードで検索するか |
3 | 問題提起 | ・ターゲットが問題に感じていること ・問題提起によって悩み事を共感させる |
4 | 問題解決 | ・具体的な問題解決策 ・記事を読むとどうなるのかを具体的に伝える ・「こんな方法があるんだ」「マネしたい」と興味を深めてもらう |
5 | 信頼性 | ・4の結果が出る根拠を伝える |
6 | 読者の行動 | ・「購入する」「資料請求する」などの行動につなげる |
7 | 記事の差別化 | ・他の記事にはない独自性 ・付加価値 |
上記7項目をもとに、次の3つを書いていきます。
- タイトル
- 導入文
- 本文(箇条書きでOK)
本文については箇条書きでOKです。むしろ箇条書きから書き始めることをお勧めします。
また、次の7つの項目で読者に伝わりやすい文章を書くことができます。
- 結論から先に書く
- 文章は短く一文一意にする
- 段落はこまめに変える
- 正確かつ具体的に書く
- 数字
- 固有名詞
- 客観的データ
- 図
- わかりやすい言葉を選ぶ
- 同じ言葉の重複を避ける
- 書いたら推敲する
上記7つの項目に注意しつつ、まずは手を動かしながら書き出すとよいです。
この他にも、記事の構成はパターンがあります。「【Webライター】伝わりやすい文章構成パターン徹底解説【例文つき】」にまとめてますので合わせてご覧ください。
収益化のための記事戦略
どのように技術ブログのアクセス数を増やすか
集客の方法は以下3つに絞られます。
- SEO強化
- SNSでツイート
- 集客記事の量産と収益記事リライト
リスティングなどのキーワード連動型広告は含めてません。数百万円以上の広告費がかかる可能性があり、個人の範疇を超えます。
SEO強化には以下2つのポイントがあります。
- サイト構造のSEO
- 記事・コンテンツのSEO
①サイト構造のSEOについて
前述の「WordPressのテーマを選ぶ」のうちどれかを利用していればサイト構造におけるSEO対策はいりません。
なお、ご自身でSEO強化のカスタマイズすることはお勧めしません。理由は、まず記事を書くことが最優先ですべきだからです。また、これらのテーマは既にSEOに強いHTML構造になっています。無駄にカスタマイズに凝らず、ライティングに時間を使うようにしましょう。
②記事・コンテンツのSEOについて
Googleは、2022年12月15日にE-A-Tに「Experience(経験)」を加えたE-E-A-TがGoogle品質評価ガイドラインの更新版を公開しました。
- Expertise(専門性)
- Experience(経験)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
これを満たすことでSEOを強くすることが期待できます。
前述の「技術ブログの書き方」にE-E-A-Tの要素を含めていますので、そちらを参照してください。
集客記事と収益記事の戦略
記事タイプを決める
集客記事と収益記事があります。
基本構成は下の図になります。
集客記事と収益記事を比較すると下の表になります。
記事タイプ | 集客記事 | 収益記事 |
---|---|---|
目的 | 読者を集める収益記事へ流すこと | 読者に商品を購入してもらう |
狙う流入元 | 検索エンジン 外部サイト記事 SNS | 集客記事 |
記事を書くポイント | キーワード選定 タイトル/ディスクリプション 記事を読むメリットを伝える 収益記事への誘導 | 商品を魅力的に伝える 正しい情報を伝える E-E-A-Tに準拠 あなたの体験と感想を載せる |
記事数の割合 | 9割 | 1割 |
集客記事
主に検索エンジンからの流入を狙います。
キーワード選定とタイトル/ディスクリプションが重要です。検索結果に表示されるため読者にとって最初に目にする部分であり、クリックされるかどうかはこの文章次第で決まります。
また、書いた記事はTwitterにツィートします。Twitter内のキーワード検索から流入を狙うのが目的です。フォロワー数が少なくても気にせず投稿します。ツィートしないよりした方がコンバージョンの確率は上がります。
収益記事
集客記事からの流入を狙います。
商品を魅力的に正しい情報で魅力をアピールし、読者に商品を購入してもらえるように構成を組み立て文章を書くことが求められます。これについては前述の「どのように技術ブログを書くか」を実践してください。
集客記事と収益記事の量産計画
「自分で書く」か「ライターに依頼する」かの2つ方法があります。
最初は自分で書くことおすすめはします。
しかし、だからといってライターに依頼しない選択をしなくてもいいと思います。つまり、自分で記事を書きつつ並行してライターに別記事を書いてもらう方法になります。
時間の節約にもなりますし、プロのライターが書く記事からライティングのノウハウを学ぶこともできます。
ライターに依頼する場合はクラウドソーシングサービスを利用します。
以下3つのサービスの中から選ぶのがおすすめです。
クラウドソーシング サービス |
ココナラ | ランサーズ | クラウドワークス |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
記事単価相場 | 3,000円 〜10,000円 |
1,000円 〜5,000円 |
5,000円 〜10,000円 |
会員数 | 314万人 (2022年8月時点) |
527.5万人 (2022年9月末時点) |
480万人 (2023年1月時点) |
運営会社 | 株式会社ココナラ | ランサーズ株式会社 | 株式会社クラウドワークス |
こちらも登録しておきましょう。
エンジニアがおちりやすい失敗
エンジニアが陥りやすい失敗があります。
- エンジニアの知識があるせいでサーバー選びに迷い決められない
- 記事を書くよりもサイトやサーバー設定、カスタマイズに集中してしまう
- クラウドサービスを使ってWordPressを立てる
私は過去にこの失敗を経験し挫折しました。
そこで学んだことは、最優先すべきは「記事を書くこと」です。
「サーバー構築」「セキュリティ対策」「サイトカスタマイズ」に凝ってしまったり、クラウドサービス(AWS、GCP、Azure)でWordPressを立ち上げたくなりますがメンテナンスが大変です。
あなたの目的である「技術ブログで収益化」を今一度思い出し「今やるべきこと」を冷静になって考えれば立ち戻ることができるはずです。
軌道に乗り始めたら、カスタマイズに時間を割けばOKです。
おわりに
以上が、収益化のための技術ブログを始める方法すべてになります。サーバーの契約からWordPressの設置まで15分もかかりません。ASPの登録も30分で完了します。早速今日から始めてみてください。
以上となります。ここまでご覧いただきありがとうございました。