勉強法

公務員試験コラム|東京都特別区対策

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本ページでは東京都特別区について解説していきたいと考えております。具体的には,東京都特別区における職務内容や採用フロー,受験科目や難易度,そして対策方法等に関して詳述しますので,今後の進路選択や勉強の参考にしてください。

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東京都特別区における職務内容について

東京都特別区は他の市町村と同じ地方公共団体であるといえます。そこで,職務内容も他の地方公共団体と共通する点も多いといえ,行政サービスの提供がメインとなってきます。具体的には以下のようなものがあげられます。

・政策経営部:区の基本構想や予算編成などを行う部

・総務部:職員の給与や人事などの編成を行う部

・区民生活部:税金や年金や国民健康保険や住民登録などを行う部

・保健福祉部:保険や性格衛星にかかわる業務を行う部

・子ども家庭部:児童の福祉の充実に取り組む部

・環境清掃部:ごみの運搬や資源回収を行う部

・街づくり推進部:よりよいまちづくりのために再開発や都市計画などの整備を行う部

・教育委員会事務局:区立の学校の運営等を行う部

大まかにみるとこのような部があげられます。区民に近い立場で多様な行政サービスを提供し,区民に貢献できる職業であることから,大変やりがいのある仕事であるということができます。また年収についてですが,平均年収は720万円であり,最大年収は1000万円を超えることから,収入の面でも魅力的な職業であるということができます。

東京都特別区公務員採用試験について

受験資格,日程について

東京都特別区における公務員の採用試験に関して,受験資格はどのようになっているでしょうか。受験資格は各職種によって年齢制限は異なりますが,学歴要件等はなく,大学院卒程度や大卒程度といった要件があっても,実際に大学院や大学を卒業していなくても受験することができるという仕組みになっています。したがって,広く門戸の開かれた試験であるということができます。

日程については,例えばⅠ類(行政)の場合には1次試験は5月初旬に行われ,2次試験は7月中旬に行われます。そして最終合格発表が8月初旬に行われ,その後8月から採用面談が行われ,最終的に10月以降に内定が出るという採用日程になっております。

試験科目について

東京都特別区公務員採用試験の試験科目は,教養択一(48問中40問選択),専門択一(55問中40問選択),教養論文(2テーマ中1テーマ選択,1000字以上1500字以下)の3つが課されています。

教養択一は,必須科目と選択科目で分けられており,必須科目は28問中数的処理が17問,文章理解が11問,選択科目は時事4問,社会科学4問,人文科学4問,自然科学8問から12問を選択するという科目となっております。

専門択一には必須科目は存在せず,憲法5問,民法合計10問,行政法5問,ミクロ経済学5問,マクロ経済学5問,財政学5問,政治学5問,社会学5問,行政学5問,経営学5問の55問中40問選択するという科目となっております。

そして教養論文は2つのテーマから1つのテーマを選択し1000字以上1500字以下で論じることが求められます。過去に出題されたテーマとしては以下のようなテーマが例として挙げられます。

▼平成28年度のテーマ
1.急速に進む少子高齢化やノーマライゼーションの機運の高まり、さらには国際化の進展等により、特別区には、高齢者、障害 者、子ども、外国人を含めたすべての人が、安全、安心、快適に暮らし、訪れることができるまちづくりが求められています。このような状況を踏まえ、ユニバーサルデザインの視点に立った人にやさしいまちづくりについて、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
2.スマートフォンをはじめとした情報通信機器の普及やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用の拡大等、情報通 信技術(ICT)は生活の中に浸透しています。こうした中、特別区では、ICTの利活用による区民サービスの向上、地域社会 との連携強化に向けた取り組みが進められています。このような状況を踏まえ、区民の視点に立ったICTのさらなる利活用の促進に向けて、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

▼令和3年度のテーマ

1.東京都では昨年、転出者数が転入者数を上回る月が続きました。転出超過等によって人口が減少すると、税収の減少や地域コミュニティの衰退など様々な問題をもたらします。
また一方で、特別区の抱える公共施設の多くが老朽化しており、人口減少がもたらす更なる社会変化に対応した、施設の企画・理・利活用が求められています。
このような状況を踏まえ、区民ニーズに即した魅力的な公共施設のあり方について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

2.国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」では、持続可能な生産消費形態を確保するため、天然資源の持続可能な管理や効率的な利用をめざすことが必要であると示されています。
特別区においてもその目標達成に向けた一層の取組が求められており、食品ロスや廃棄物の削減を進めていくことが重要です。
このような状況を踏まえ、ごみの縮減と資源リサイクルの推進について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

東京都特別区とその他の公務員試験の難易度との比較

東京都特別区試験の難易度は他の自治体と比べてどうなのでしょうか。
東京都特別区は,の倍率をみると人気があり難易度は決して低くはないということができるでしょう。

一例として直近5年の特別区(Ⅰ類事務)の倍率は以下の通りです。

実施年度倍率
令和3年度5.8倍
令和2年度5.4倍
令和元年度5.7倍
平成30年度4.7倍
平成29年度4.8倍

この数字からお分かりになるように決して低くはありませんが,ほかの自治体等と比べると,著しく高い数字であるわけでもありません。また,専門試験の難易度は他の職種と比べると優しめであるということができます。しかし,問題の難易度が低いというのは他の受験生にとっても条件は同じなので,それだけをもって合格しやすいと単純に言うことはできません。その点は油断なさらないようにご注意いただきたいと思います。

試験の勉強の仕方について

東京都特別区採用試験の勉強の仕方について最も重要なことは,やはり何よりも過去問演習でしょう。特に択一式試験においては,似たような分野や傾向の問題が多数出題されます。過去問演習を何度も繰り返し,過去問と似た問題が出てきたときは確実に正解できるようにするということが何よりも重要でしょう。また論文試験についても,全く同じ問題が出題されるわけではありませんが,問われている資質は同じです。これも過去問を使って,実際に自ら起案を繰り返すことによって,問われている資質を伸ばしていくことが重要であるということができるでしょう。したがって,このように過去問学習は東京都特別区採用試験の対策において必須であるということができます。

また,論文式試験においては,自分で起案したらそれでおしまいとするのではなくて,実際書いたものを他の人に見てもらい意見をもらうことが重要です。自らの文章の粗などは自分で見ているだけではなかなか気づくことができません。一緒に公務員試験を目指している友人は先輩,または予備校の講座などを利用し,自分が書いた起案を添削してもらうことが重要であるといえます。また,論文試験においても頻出テーマというのは存在します。したがって,頻出テーマについては事前に一度起案をしてみるのなどして,解答パターンを作っておくというのも一つの手段でしょう。

そして面接試験については,面接試験も一人で対策するのではなく,実際に実演してみることが何よりも重要であるといえるので,友人や先輩,予備校の講座などを用い,実演し練習を重ねることが重要であるといえます。

まとめ

東京都特別区における公務員としての業務は非常にやりがいのあるものです。東京は日本の中心であり,業務の範囲もさまざまであるからです。したがって,目指してみる価値は大いにあると考えます。

そして東京都特別区における採用試験は決して容易ではありませんが,きちんと期間をとり対策を練ったうえで努力を重ねれば合格することは決して不可能ではなく,目的を達成することができるということができます。

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