試験概要

社労士試験の内容や科目は?気になる合格基準点や出題範囲も解説

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社会保険労務士試験(以降、社労士試験)を受験する・受験しようとしている方へ。

社労士試験の内容や科目、出題範囲などについてご紹介します。

また後半では、法改正の影響や救済措置、免除規定など、社労士試験を受験する方は抑えておきたい情報もご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

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社会保険労務士(社労士)試験とは

社労士試験は社会保険労務士法に基づく国家試験で、例年8月の第5日曜日に実施されます。

労働関係や社会保障関係に関する幅広い知識が問われますので、社労士試験に合格するにはこれらの知識についてしっかりと学習する必要があります。

出題形式

社労士試験は2つの出題形式により作られています。

1つが「択一式」で、もう1つが「選択式」です。

択一式は、5つの選択肢の中から問題文が要求する条件(正しいもの・誤っているもの)に合致するものを選び出す形式です。
また、あらかじめ選択肢が絞られた中で正解を選ぶ組み合わせ問題や、正しいもの、誤っているものの個数を答える個数問題というものもあります。

選択式は、問題文のなかにある空欄に当てはまる語句を、与えられた語句群のなかから選び出す形式です。

択一式と選択式は一度に出題されるわけではありません。
試験日を2つの時間帯(選択式/10:30〜11:50・択一式/13:20〜16:50)に分け、選択式は選択式で、択一式は択一式でまとめて出題するという方式で行われます。

出題範囲

  • 「労働基準法」や「労働安全衛生法」といった労働環境に関して規律した法律
  • 「労働者災害補償保険法」や「雇用保険法」といった労災や失業などの場合に備えた所得補償に関して規律した法律
  • 「健康保険法」や「国民年金法」、「厚生年金保険法」といった社会保障に関して規律した法律
  • 「労務管理その他の労働に関する一般常識」や「社会保険に関する一般常識」に関する知識

上記が主な出題範囲となります。

社労士試験の科目と配点

社労士試験の試験科目を見てみましょう。

まずは「選択式」ですが、全8科目で、1科目に1問出題されます。
1問につき5つの空欄があり、空欄1つにつき1点の配点がされて計5点となるため、選択式全体では40点満点になります。

次に「択一式」ですが、全7科目で、1科目につき10問出題されますから、計70問出題されます。
1問につき1点が配点されているため、択一式全体では70点満点になります。

試験科目 択一式 計7科目(配点) 選択式 計8科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法 10問(10点) 1問(5点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点) 1問(5点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点) 1問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 10問(10点) 1問(5点)
社会保険に関する一般常識 1問(5点)
健康保険法 10問(10点) 1問(5点)
厚生年金保険法 10問(10点) 1問(5点)
国民年金法 10問(10点) 1問(5点)
合計 70問(70点) 8問(40点)

 

社労士試験の合格基準点

社労士試験に合格するのにどれくらい点数を取る必要があるのでしょうか。

社労士試験では、「合格基準」という制度が設けられています。

「合格基準」とは、社労士試験に合格するのに満たさなければならない条件のこと。

「合格基準」は、科目ごとに設定されており、さらに「選択式」全体と「択一式」全体に設定されています。

例えば、2022(令和4)年度の社労士試験においては、合格基準は以下のように設定されました。

① 選択式は、総得点27点以上かつ各科目3点以上
② 択一式は、総得点44点以上かつ各科目4点以上

2018(平成30)年度の社労士試験の場合、例えば選択式において「国民年金法」が2点(空欄2つ正解)だったときは、たとえ他の科目で合格基準を満たしていても、合格することができません。

このように「選択式」全体と「択一式」全体にだけでなく、各科目にも合格基準が設定されていることから、社労士試験に合格するためには苦手な科目・弱点となる科目を作ることができません。

社労士試験は全科目まんべんなくしっかりと学習する必要があり、バランスが求められる試験であるといえます。

なお、「合格基準」は受験生全体の出来によって毎年変わります。

そのため、その年の合格基準がどのようなものになるのかは、ベテランの社労士試験講師でも予想が難しいものです。

もっとも過去の社労士試験の結果をみると、各科目ごとの基準点を超えていることが前提ですが「選択式:40点満点中28点、択一式:70点満点中48点」を取ることができれば、ほぼ確実に合格することができます。

そのため、社労士試験の勉強を始めるにあたっては、とりあえず「7割合格」を目指してください。

年度択一式
合格基準点
択一式
科目最低点
選択式
合格基準点
選択式
科目最低点
令和4年44点4点27点3点
令和3年45点4点24点3点
(労一→1点,
国年→2点)
令和2年44点4点25点3点
(労一・社一・健保→2点)
令和元年43点4点26点3点
(社一→2点)
平成30年45点4点23点3点
(社常・国年→2点)
平成29年45点4点
(厚年→3点)
24点3点
(雇用・健保→2点)
平成28年42点4点
(常識・厚年・国年→3点)
23点3点
(労常・健保→2点)
平成27年45点4点21点3点
(労常・社常・健保・厚年→2点)
平成26年45点4点
(常識→3点)
26点3点
(雇用・健保→2点)
平成25年46点4点21点3点
(社常→1点,
労災・雇用・健保→2点)
平成24年46点4点26点3点
(厚年→2点)
平成23年46点4点23点3点
(労基安衛・労災・社常・厚年・国年→2点)
平成22年48点4点23点3点
(国年→1点,
健保・厚年・社常→2点)
平成21年44点4点25点3点
(労基安衛・労災・厚年→2点)
平成20年48点4点25点3点
(健保→1点,
厚年・国年→2点)
平成19年44点4点28点3点

▼対策について知りたい方は『社労士試験の択一式・選択式対策』もご覧ください

救済措置

例えば、2018(平成30)年度の社労士試験においては、合格基準は以下のように設定されました。

①選択式は、総得点23点以上かつ各科目3点以上(ただし、社会保険に関する一般常識及び国民年金法は2点以上)
②択一式は、総得点45点以上かつ各科目4点以上

「選択式」の場合、「社会保険に関する一般常識」と「国民年金法」の2科目については、合格基準が3点から2点に下げられています。

このように、合格基準を下げることを社労士試験では「救済措置」といいます

救済措置はその年の受験生全体の出来によって設定されるものです。

そのため救済措置は、実施する科目があらかじめ決まっているわけでなく、試験の結果が発表されて初めて明らかになるものです。

もっとも、例年の傾向をみる限り救済措置は多くの受験生の出来がよくなかった科目に関しては、かなりの確率で行われる措置です。

救済措置という制度があることからも、社労士試験では他の受験生ができない問題に関してできるようになる必要はありません。

むしろ他の受験生が確実に正解する問題は確実に正解できるように準備する必要がある試験なのです。

法改正の影響について

社労士試験は、あらゆる国家試験のなかで最も法改正の影響を受ける試験です。

その年の4月までに改正された内容は試験で出題される可能性があります。

他の資格試験だと改正された直後に出題されること自体大変珍しいことですが、社労士試験では法改正の内容が出題される可能性が比較的高い試験です。

そのため、4月からは法改正の内容をしっかりマスターすることも重要になってきます。

4月までに法改正が行われていない法令や制度についてしっかりマスターしておけば、他の受験生よりも有利に進めることができるでしょう。

近年は、特に社会保障分野において、毎年のように制度の見直し・改定が行われています。

それらの内容に関する情報を受験生自身の手で集めるというのは簡単ではありません。

まして、数多く存在する法改正の中から社労士試験に出題される可能性のある内容を取捨選択するのは至難の業です。

法改正に関する情報収集が大変だからといって、法改正の内容を勉強することなくその年の社労士試験を受験することはとても勿体ないことです。

多くの合格者は、予備校がまとめた法改正に関する講義や教材を活用して、効率的に勉強しています。

社労士試験科目の免除について

社労士試験において、科目の免除を受ける資格を有する方(免除資格者)は、受験申込みの際に申請することによって科目の免除を受けることができます

該当する科目に関する知識が十分にあると思われることから、免除資格者は該当する科目が免除されるためです。

例えば、「司法試験に合格した者で労働法を選択した者」に該当する方は「労働基準法及び労働安全衛生法」が免除されます。

他にも、「労働基準監督官採用試験に合格した者」に該当する方は「労働基準法及び労働安全衛生法」が免除されます。

他に、いわゆる職歴によって試験科目が免除されることも。

例えば、「日本年金機構の役員(非常勤の方は除きます)又は従業者として厚生年金保険法の実施事務に従事した期間が10年以上になる者」に該当する方は、「厚生年金保険法」が免除されます。

科目が免除されると他の科目に割り当てる勉強時間が増えるため、合格に向け有利になることは間違いないでしょう。

上記以外にも科目が免除されるケースがありますから、何か心当たりのある方は、一度確認してみましょう。

Q&A

独学で社労士試験に受かりますか?

「独学」とは、予備校の講義を利用することなく、受験生自身が市販の教材を用意して勉強を進めるスタイルのことです。

率直に申し上げて、社労士試験に独学で合格するのは、かなり難しいと思われます。

社労士試験は、会社員の方にとって身近な話を勉強するとはいえ、法律に関する専門的な知識を勉強することになります。

大学の法学部出身の方などを除くと、法律に関する勉強は、ほとんどの方がやったことがありません。

大学の法学部出身の方も、労働関係や社会保障関係の法律の講義に関しては、積極的に履修していない限り接する機会もありません。

勉強経験のないことに独りで臨むというのは、荒波にコンパスも持たずに飛び込むようなものです。

また、社労士試験は直近の法改正に関して出題してくることもあり、法改正に関する情報をしっかりチェックしておく必要もあります。

未経験の法律の勉強に加え、それほど詳しくない法律の改正情報を集めることになります。

そういった作業をすべて自分でやることも考えると、社労士試験における独学というのは、とてもハードルが高いです。

予備校というのは、これらの手間暇を受験生の皆さんに代わって行い、受験生の皆さんに勉強に集中していただくために存在します。

「法改正の対応」や「過去問の分析・検討による試験傾向の把握」は、予備校をどんどん活用すべきです。

予備校をうまく利用し、社労士試験に一発合格・短期合格してください。

▼更に詳しく知りたい方は「社労士は独学だと無理?その理由と独学合格が難しい人の3つの特徴」もご覧ください

試験に合格するにはどれくらいの勉強時間が必要か?

社労士試験に合格するにあたり、最低でもおおよそ800~1,000時間程度の勉強時間が必要だとされています。

社労士試験の合格者が一般的に勉強を開始するのは、受験する年の前年8~10月頃です。

仮に1,000時間として、10月から始めるとすると、翌年の社労士試験本番まで約11か月なので、1か月の勉強時間は約91時間(1か月4週で計算すると約22.7時間/週)になります。

例えば、平日5日が勤務日で土日2日が休日という方の場合「平日5日は1日2時間で、土日2日は5~6時間半」が目安になります。

▼更に詳しく知りたい方は『社労士試験の勉強時間』もご覧ください

まとめ

社労士試験の内容や科目、合格基準点や出題範囲などについて解説していきました。

試験の詳細については、「社会保険労務士(社労士)試験の概要」のコラムをご覧下さい。

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この記事の監修者

池田 光兵講師

広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。

面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。

その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。

相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。

ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の社労士試験で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。

合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため,株式会社アガルートへ入社。

自らの受験経験で培った合格のノウハウを余すところなく提供する。

池田講師の紹介はこちら

 

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